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岡本かの子没(1939)……「どうせつまらない世の中だからえらくなった方がいい」
破天荒な生き方をした天才芸術家。信じられないような奇行が伝えられているが、物事の本質をよく見抜いた人でもあった。
パリに留学中の息子岡本太郎に宛てた手紙がある。えらくなんかならなくてもいい、と私情では思う。しかし、やっぱりえらくなるといいと思う。えらくならしてやりたいとおもう。えらくなくてはおいしいものもたべられないし、つまらぬ奴にはいばられるし、こんな世の中、えらくならなくてもいいような世の中だからどうせつまらない世の中だからえらくなってくらす方がいいと思う。
「つまらぬ奴にはいばられる」というのが笑える。とかく俗世は住みにくい。
昭和13年12月、若い学生と油壺の旅館に行き脳充血の発作を起こし、翌年2月18日死去。行年49歳。岡本太郎は「母ほど純粋な人は私は知らない」と書いた(『芸術と青春』)。
(初出:2005.2.18)(2008.2.18
追記)「えらくなくては、つまらぬ奴にはいばられる」というのはその通りだと思う。しかし「おいしいものもたべられない」という言葉に、かの子のどうしようもない田舎くささを感じる。日本中が貧しい時代だったから分からないこともないが、あまりに貧乏くさい。現代日本でもいまだに「食い物オブセッション」が世間を風靡しているようだ。カッコワルイ。
Posted: Mon - February 18, 2008 at 08:50 AM
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