2/29 Today 宝井其角没 (1707)……ほんとは旧暦2月30日だが


宝井其角の命日は宝永4年2月30日。旧暦だから2月は30日まであるのだけれど、新暦となった今其角の命日は暦から消えてしまった。せめて29日だったら4年に一度は回ってきたのだけれど、可哀想。一日繰り上げて今日を命日とする。其角の句:
憎まれてながらへる人冬の蠅
あはは、いいねえ。

宝井其角とは、まあ、元祖「不良中年(老年)」みたいな人。豪放闊達、大酒、また遊里の作品も多い反面、情に厚かったといわれる。荷風はとても尊敬していた。荷風散人歳50の昭和3年2月13日の『断腸亭日乗』に次のくだりがある。
二月十三日。・・・終日炉辺に坐して・・・をよむ。晋子其角は年わづかに四十七 にて没したり、されど短命の生涯に二度まで京師に遊び、其名を永く後世に伝えたり、 人のこの世に生まるや寿は天命なり、才名を世に伝ふることをえば短命敢えて悲しむ に当たらざるべし、悲しむべきは才つたなくして学浅きことなり、

「京師に二度まで遊ぶ」というのは西鶴に会いに行ったことをさす。其角の師匠の芭蕉はへんに「えらい人」だったので西鶴とは仲が悪かったのだけれど、其角は芭蕉の門人でありながら、師匠の顔色をうかがうようなことは全然しなかった。

それにしても「悲しむべきは才つたなくして学浅きことなり」とはドキリとする表現。


(初出:2004.2.29)

Posted: Fri - February 29, 2008 at 06:36 AM           |


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