日米の稲作、土壌と気候の差(立花隆)……違うのは規模の大きさばかりじゃない
立花隆『農協』第8章の続き。この章では日米格差についていろんなデータを出しているが、規模の違い当たり前だから驚かなかったが、土壌条件と気象条件が大きく違う(米国の土壌と気象の方が稲作に有利)というので驚いた。追加してメモしておく。
抜き書き:- (日本から米国の稲作農場に留学した栃木県農協の人の話)土地が肥えているから、日本みたいに肥料はたくさんまかないし、追肥もやらない。農薬は、ほとんど使わない。
- カリフォルニアで農薬をほとんど使わないですむのは、雨が降らず空気が乾燥しているため、病虫害がほとんど発生しないから。一貫湛水栽培で雑草もほとんど防ぐことが出来る。
- 水管理も畦に埋め込まれたイリゲーション・コントロール・ボックスで自由自在に出来る仕掛けになっており、自動車で走り回ると一人で300ヘク
タール管理できる。そして、水管理といっても、収穫の2〜4週間前まで、同じ水位に保つようにするだけだから、一シーズン、10アール当たり二、三分で管
理できる。日本の場合は、浅水更新、間断かんがい、中干し、走水など、稲の生長にあわせた微妙な管理が必要で、一シーズン、10アール当たり十時間かかっ
てしまう。
- 土壌条件の違いも大きい。カリフォルニアは弱アルカリ性なのに、日本は酸性だから、土壌改良材の投入が必要になる。肥料にしてもカリフォルニアで
は、窒素肥料を10アール当たり20キロ、リン酸10キロ程度最初に飛行機でまくだけでよく、カリは必要としない。しかし、日本では、元肥、根付け、つな
ぎ、穂肥と四段階に分けて、窒素、リン酸、カリの三要素を入れていく必要がある。
- 農薬も(日本では)季節を追って投入しなければならない。病虫害の対象が十指に余るし、高温多湿の日本ではいつでも雑草がすきあらば生えてくるから除草剤も必要になる。
- こういう理由で、日本の方が肥料が四倍、農薬が五倍もかかる。
これをメ
モしたのは、日本では「コメこそが日本の文化、日本の天然自前の食糧、日本の気候風土に一番あった作物だ」とする「コメ神話」が蔓延っているように見える
から。これを見れば明らかなように、日本でお米を育てることは、カリフォルニアに較べ、相当無理をしなくてはならない。農薬も肥料も大量に投与しなければ
お米は育たないのだ。消費者はアメリカの農産物というと農薬まみれの工業製品だという宣伝を信じてしまっているが、(特に環境保護団体や消費者団体は農業
団体の宣伝に直ぐ惑わされるが)どっちが自然作物に近いのか、農薬の量からみても明白である。使徒ない関連記事(キーワード「日本の農業」で検索)
Posted: Fri - September 17, 2004 at 03:21 PM
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