「日米FTAには賛成できない」(吉田春樹)


あれれ、まだご活躍だったのか。「日米や日豪のFTAを結べば、わが国の食料自給率はさらに低下するから反対だ」と今晩の日経「十字路」コラムで元興銀産業調査部長の吉田春樹氏が書いて居られる。視野の狭い産業調査(ミクロ経済)専門家の限界だな。

吉田春樹氏は、バブルの絶頂期、米国の産業を「緻密に」現地調査したとして、次のような本を書かれた:
米国産業の実力—製造業は復活するか
米国産業の実力—製造業は復活するか吉田 春樹 日本興業銀行産業調査部

日本経済新聞社 1988-07
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結論は、アメリカ経済(産業)はもう駄目だ、日本に勝てない、と言うもの。バブルで浮かれていたニッポン人は自尊心をくすぐられて狂喜したが、現実には、それとは全く反対の展開となった。マクロ環境を無視して、狭い範囲でしかものを見ていなかったことがこの見込み違いをもたらした。

日米FTAを結ぶとニッポンの農業は壊滅的な被害をこうむるという分析も、視野の狭いミクロ的分析だ。もし、日米FTAが日本に米国型の効率的な農業生産方式をもたらすことに結び付けば、日本は農業輸出国として世界を席巻することも夢ではない。それだけの農地が無駄に使われずに放置されているからだ。ニッポン農業の根本的な問題は、農業就業者全員を食わすという現在のシステムにある。グローバル・スタンダードを適用すれば、農業就業者数は現在の十分の一以下ですむ。ニッポンの農業の国際競争力は飛躍的に向上する。日本の食料自給率も同じく飛躍的に向上するであろう。

吉田春樹氏の悪口を言うのが主旨ではない。吉田春樹氏のような立派なエコノミストも、既成の思いこみからなかなか脱却できないと言うことを言いたかった。

Posted: Tue - April 10, 2007 at 07:13 PM           |


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