「テレビの時代劇に、お歯黒、眉落としと梅毒患者が出てこないのは不思議だ」(鈴木隆雄)


今晩の日経「あすへの話題」コラムで東京都老人総合研究所副所長の鈴木隆雄氏が書いておられる。そう、ニッポン人は「美しい日本の伝統」を必要以上に美化する傾向がある。最近は既得権者の経済的動機からその風潮がさらに強まっているように思う。

要旨抜粋;
  1. 江戸時代の小説や映画・テレビが花盛り。でも本当の姿はどうだったのだろう。
  2. もっともよく思うのは、まゆ落としとお歯黒。これは掟であった。
  3. もうひとつ思うのは、病人が出てこないこと。江戸時代の人骨を観察していると、お歯黒で真っ黒に変色した頭骨とともに、骨にまで達する梅毒。頭の頂にあるべき骨がすっかり溶けて消失した例もある。当時は梅毒が大流行で、専門医は大儲けしていた。杉田玄白もたくさんの梅毒患者を診ている。
  4. 天然痘も大流行していた。
  5. でも、テレビにはそんなことは一切出てこない。

「安倍イナカモン長州閥政権」の「美しい日本」スローガンも、こういう現実を無視した幻想の上に成り立っている。彼らが志向する「美しいニッポン」とは、所詮、女性はお歯黒で歯が真っ黒、人は梅毒で骨が溶けて、天然痘で死ななかった人たちも夏目漱石みたいに痘痕だらけという世界なのである。

それを無視した、手前の利権擁護だけを狙う、ウヨと農村真理教信者の「美しい日本」という宣伝文句には、いささかうんざりする。


参考エントリー:

2/5 Today 華族のお歯黒を禁止 (1870)……大河ドラマの時代考証は厳密にやるべきね

Posted: Thu - March 15, 2007 at 09:35 PM           |


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