「高度成長と長期停滞をもたらした日本の“イエ社会”特徴を乗り越えるべきだ」(香西泰)


今朝の日経経済教室。「歴史の教訓」と題して香西泰の連載が続いていたが最終回。香西さんは福沢諭吉、ヘーゲル、内村鑑三、矢内原忠雄、村上泰亮、公文俊平、佐藤誠三郎などを引用して、たいへん力の入った論文で最終回を締められた。難しい部分は端折って、結論部分だけ抜粋。

結論部分抜粋:
  1. 戦後日本社会では「イエ社会」原則が、企業で典型的に維持され、機能的に純化された結果、戦前以上に欧米制度と土着型原則の習合が進んだ。これが戦後日本の高度成長の原動力となり、エズラ・ボーゲルなんかに褒められた。ただし、これが日本人の自己認識を甘くし、バブルに酔わせる心理的背景を準備した。
  2. バブルに翻弄され、その後長期停滞に陥った理由は、冷戦終結後のグローバル化・市場化の流れの中で、中印両国がその機をとらえて高度成長の波に乗りキャッチアップを加速したのに対し、日本の産業、金融などは旧来の秩序に拘って積極的に対応しなかったことが響いた。
  3. 人口減少も、イエ社会の弱点による面もある。企業がイエ(家族)以上にイエ的となり、手厚く社員の面倒を見る分、勤務への拘束が強まった結果かも知れない。
  4. それだけではない。典型的なイエ企業が多い低生産性部門の残存が、割高な国内物価を通じ、日本の競争力を切り崩していく。日米の物価はプラザ合意以降逆転。日本の貿易面での競争力を低下させたばかりでなく投資立地競争でも負けることになった。
  5. 「文明とは結局、人の智徳の進歩」と福沢諭吉は言った。いまこそ日本の文明を再興させなければならない。そのための教訓は、内村にあってそれは「興国とは謙(謙虚・謙遜)のたまものであって、亡国とは傲りの結果」と言うことであり、福沢にあっては「因習の打破」であった。

まさにおっしゃるとおりです。散人が一貫してこのブログで言っていることは、まさにこの「ニッポンのムラ的“イエ体質”を討つべし」ということ。在来手法にしがみつくニッポンの農水団体と農水族政治家と彼らの傭兵と化している各種団体、その価値観で国民を洗脳する役目を担っているNHK、既得権体質丸出しの労組や各種団体、「美しいニッポンの伝統こそ素晴らしい」と喚く攘夷ウヨたち、「みんな一緒に仲良く楽しく」とイエ的環境に自己満足する大企業サラリーマンたち……彼らをまとめて討たないとニッポンの将来はないね。

「それにつけても、カルタゴ討つべし」を続けよう。

Posted: Mon - March 5, 2007 at 04:25 PM           |


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