NHK 新日曜美術館 / 小林康夫と現代芸術


今日の新日曜美術館。「ハッピネス」というテーマでの現代美術展。東京大学教授の小林康夫氏が解説をされていた。彼は関西で言う「ぼんぼん」である。そのいいところと悪いところを兼ね備えている。

現代美術は誰もがよくわからないのであるが、それを解説すると、途端に解説する人が馬鹿みたいに見える(ウディー・アレンの映画にあったね)。ジョークを解説するとつまらなくなるのに似ている。それをヒゲの東大教授小林康夫氏は熟知しているのか、作品に対するコメントは番組レギュラーの「はなさん」にさせて、自分はあくまでも「はなさん」の無邪気な感想にに対する「大学教授の立場から」するのコメントに終始していた。

コメント自体とても今風の「若者的」でありトレンディー。軽そうに見えて奥が深そうな仕掛けを作っている。さすがに「今風」東大教授というところ。でも要は、何もコミットしないという点で、かれはずるいのである。

関西で「ぼんぼん」という言葉がある。なに不自由なくのびのびと育てられた裕福な家庭の子供のことをさす。NNHの朝ドラ「てるてる家族」のロンドン帰りの子供みたいなものかな。のびのび育てられたので、その結果育成された才能については、疑問の余地は無い。でも、基本的なところで、コンプレックスとは無縁の存在であるゆえに、庶民感覚とずれている。また「金持ちけんかせず」の精神で「ぼんぼん」は決してコミットをしない。

これはとてもかっこよく見える。現代日本においては、否定しようがないペースで、階級化が進んでいる。だから物質的な意味ではなく、精神的、教養的な意味で上昇志向の高い「心情的」(実質的という意味ではないという意味で心情的)中流階級はそういうポーズに弱い。自分もやってみたいということで、一も二もなくコロッといってしまう。

精神的貴族性は尊ばれるべきだ。小林先生は尊敬申し上げている。しかしその「軽いポーズ」は、時として嫌みの様相を呈することもある。

散人のコンプレックスかな。

Posted: Sun - November 23, 2003 at 09:34 PM           |  


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