12/3 Today われらが永井荷風の誕生日 (1879.12.3)


きょうは、永井荷風の誕生日です。誕生日と言っても特別のことはしなかったようで、日記『断腸亭日乗』でも「きょうは余の懸弧の日なれど特に何もなく……」というような記述の年が続いています。「懸弧」とは、昔中国で男の子が生まれると壁に弓を掛けて祝ったという習慣から來ているようで、子供が生まれることをいいます。

永井荷風は中学校では清国語を勉強したのですが、あまり勉強が好きでなく劣等生だったとのこと。おかげで大学にも入れませんでした。もっぱら遊び回っていた。

しかしこんな(「懸弧」とかいう)難しい言葉を使うことでわかるように漢籍などを実にたくさん読んでいる。また『江戸芸術論』などは浮世絵研究の古典となっているぐらいの学術書ですが、そんなのも書いている。明治の人はすごかったと言うことですが、人は見かけによらないんです。大学も出ていない遊び人をいきなり慶應義塾の教授に推薦した森鴎外はやはり人を見る目があった。

それにしても誕生日だけはにぎやかな方がいい。「特になにもなく……」というひとり暮らしはやはり寂しい。


(初出:2003.12.3)

Posted: Sun - December 3, 2006 at 10:47 AM           |


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