8/31 Today ボードレールが死ぬ (1867.8.31)


ボードレール (Charles-Pierre Baudelaire) が死んだ。脳溢血のため失語症となっていた。行年47。

ボードレール(1821-1867)。幼い時に父を失い再婚した母と厳格な義父のもとに屈折した少年期を送る。放蕩息子。両親はボードレールの素行を直すためにインドに往かせるが、上手いこと逃げ帰り、実父の遺産を相続。さらに放蕩無頼を重ねる。詩集『悪の華』では風紀紊乱罪で有罪となる。遂に生活は窮乏する。病気。さらに失語症。悪を人間存在の根元的な状況と考え、意識的に悪から美を抽出した。近代詩に大きな影響を与えた。

荷風の人生に似ていないこともない。共感するところが大きかったのだろう、荷風の翻訳詩集『珊瑚集』の最初の7つがボードレールの詩となっている。荷風訳と原詩の対比は以下の通り。

Kafu Sangoshu 死のよろこび シャアル・ボオドレヱル

Kafu Sangoshu 憂悶 シャアル・ボオドレヱル

Kafu Sangoshu 暗黒 シャアル・ボオドレヱル

Kafu Sangoshu 仇敵シヤアル・ボオドレヱル

Kafu Sangoshu 秋の歌 シャアル・ボオドレエル

kafu sangoshu 腐肉 シヤアル・ボオドレヱル

Kafu Sangoshu 月の悲しみ シャアル・ボオドレエル


ただ荷風はボードレールと違って自分の金では放蕩はしなかった。青年期には父親のすねをかじったが、独り立ちしてからの荷風はケチとも言える合理的な経済生活を送った。「不良老人」は荷風のポーズでもあったのだろう。

(初出:2004.8.31)

Posted: Fri - August 31, 2007 at 08:20 AM           |


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