Sun - February 29, 2004
Macintosh OSX (Panther)
で使えるフランス語辞書
Le Petit Robert
マックで動くフランス語の辞書というのは、ありそうでなかなかない。ク
ラウン仏和(電子ブック版)を
CeDar 2.0
でだましだまし使っていたが、Panter
にしてからとても不安定になったし、第一アクセント記号付きでは検索できない。オンラインで使う場合はとても困る。そこで
Le Petit Robert
を試した。定評のある仏仏辞書だが、日本語環境でちゃんと動くのか心配だったがバッチリだった。WIN
95 以上、Mac OS 8
以上ならなんでも大丈夫らしい。
6
万語収録、18万の用例、4万の引用文。動詞の活用全部等が入っている。特に助かるのは発音が音声で入っていること(12000語)。フランス語は表記通
りに発音する言語だから辞書には発音記号が書かれていないのが普通だが、散人みたいに基礎的な勉強をしたことがない人間はとまどう時がある。これなら女性
の声で読み上げてくれるのでとてもいい。ここ
で70ユーロで売っているが、日本向けに出荷はしてくれない模様。本屋で注文するか、フランスに行く人におみやげとして頼めばいいかも。仏仏辞書は敷居が
高かったけれど、これしかマックで使えないなら仕方がない。がんばるしかないか。
Posted at 02:48 PM
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2/29 Today 宝井其角没 (1707)
宝井其角の命日は宝永4年2月30日。旧暦だから2月は30日まである
のだけれど、新暦となった今其角の命日は暦から消えてしまった。せめて29日だったら4年に一度は回ってきたのだけれど、可哀想。一日さばを読んで今日を
命日とする。其角の句:
憎まれてながらへる人冬の蠅
あはは、いいねえ。
宝井其角とは、まあ、元祖「不良中年(老年)」みたいな人だね。豪放闊
達、大酒、また遊里の作品も多い反面、情に厚かったといわれる。吾輩が尊敬する荷風散人がとても尊敬していた人。荷風散人歳50の昭和3年2月13日の
『断腸亭日乗』に次のくだりがある。
二月十三日。・・・終日炉辺に坐して・・・をよむ。晋子其角は年わづかに四十七
にて没したり、されど短命の生涯に二度まで京師に遊び、其名を永く後世に伝えたり、
人のこの世に生まるや寿は天命なり、才名を世に伝ふることをえば短命敢えて悲しむ
に当たらざるべし、悲しむべきは才つたなくして学浅きことなり、
「京師に二度まで遊ぶ」というのは西鶴に会いに行ったことをさす。其角の師匠の芭
蕉はへんに「えらい人」だったので西鶴とは仲が悪かったのだけれど、其角は芭蕉の門人でありながら、師匠の顔色をうかがうようなことは全然しなかった。粋
だね。
それにしても「悲しむべきは才つたなくして学浅きことなり」とはドキリとする表
現。
Posted at 11:36 AM
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Sat - February 28, 2004
Marine Aquarium は楽しいよ!
いつも同じようなスクリーンセーバーに飽きていた時、アップル・ストア
から面白いのが発売された。Marine
Aquarium。3D
で26種類のお魚の中から8種類選んでスクリーンに泳がせることが出来る。熱帯魚を飼うみたいな面倒なことは出来ない散人でもこれなら簡単。お魚の鑑賞に
は神経を安らげる効果があるとのこと。ためしてみるね。
26種類のお魚だけれど、西太平洋とか紅海・インド洋に住む種類が大部
分。同じことなら日本近海のお魚がいいのだけれど、輸入ソフトだから仕方がないか。
Posted at 11:27 AM
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2/28
吉田首相の馬鹿野郎発言
(1953)
衆議院でついカッとなった当時の吉田首相が社会党代議士に対して「バカ
ヤロー」と言ってしまった。これで国会は大もめ。不信任案の可決となり衆議院は即座に解散。世に言う「バカヤロー解散」です。
吉
田首相の気持ちも分かるんですが馬鹿に対してでも馬鹿と言ってはいけません。「馬鹿に対して馬鹿といってどこが悪い」と開き直る人がいますが、刑法によれ
ば人を中傷するとその中傷の「真偽を問わず」名誉毀損罪が成立するのです。本当のことをいわれるととくに人は傷つくので、可哀想だからでしょうね。
ブッシュの○○はどうか。彼は○○が売りだから、いわれても平気みたいね。
Posted at 06:42 AM
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Fri - February 27, 2004
「ノートが基本だ」(藤本隆宏)
今晩の日経「明日への話題」で藤本隆宏はいいました:
いざというとき、機械はノート取りを代替できない。ノートが基本だ。そう言い続けている。
まさにその通りだと思う。散人もメモを取らない人は信用しない。
メ
モを取らないのが自分がエライ人である証しだと考えている人がいる。いっぱしのベテランとなればなるほどそうで、対談相手と楽しそうに談笑して、メモもと
らずそれでわかったつもりになる人が多い。でもそういう人は自分の既成概念を裏付ける都合のよい発言だけを待っているに過ぎない。藤本氏は続けて「一人前
の中堅はバリバリ(ノートを)とる。大家となると逆に必要部分の見切りがつくのか、ノート量は少なくなる。(中略)わたしはまだこの名人芸には達しな
い。」という。これはすごい皮肉である。
散人も長いこと生きて
きたのでいわゆる記者というものの取材を受けたことが数多くあるが、断言できる。克明にメモを取らない記者は話し手の本旨を外す。たいていのメモをとらな
い記者は、思いこみで記事を書いているにしか過ぎないからだ(例外はお一人だけ居られた。この方はテープレコーダーを使うだけでメモはとられなかったがと
ても的確だった。でもあれは後でまとめるのにとても時間がかかったと思う)。散人の話すことなどはいい加減なことだからどうでもよいのであるが、中にはど
うでもよいことはない人も数多くいるのだ。きっちりメモを取って欲しいものである。人の文章を思いこみで自分の都合のよいように読むのも同じことだ。これ
では、いつまで経っても己の器を越えることは出来ない。
藤本隆宏氏は知らない人であるが、なかなかいいことを言う。
ちなみに散人は現役時代、たいてい一週間で一冊のノートを使い切ったものだ。人間
の脳とは指とつながっているらしく、書くことだけで情報を頭に定着させることが出来るのである。
Posted at 07:56 PM
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2/27 Today
小石川植物園開園(1875)
正式には東京大学大学院理学系研究科附属植物園という。日本でもっとも
古い植物園。あそこは地形に変化があり、植物の種類が多く、薬草園などもあり、とても楽しい。お弁当持参で半日過ごすのに良いところ。
住みついている猫が数匹いますが、誰かが餌をやっているようで、みんな
まるまると太っています。「ニュートンのリンゴの木」もある。ホンマモンであるという。
Posted at 07:54 AM
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Thu - February 26, 2004
2/26 Today 2・26事件 (1936)
若手の陸軍将校たちが反乱を企て高橋是清などの要人を殺害した事件。こ
の事件の意味
するところはあまりに語られているが、ここでは彼等の精神構造について。考え方があまりに幼稚なのだ。政権転覆を狙うクーデターであるならまだしも、何も
具体的な目論見もなく「陸軍上層部に国内改革を要請するため」とは、お菓子が欲しいので床に転がって駄々をこねる「だだっ子の論理」。「甘えの構造」がこ
こにも見られて、同じ日本人としてとても恥ずかしい。
マッ
カーサーは日本人の精神年齢は12歳と言ったが、こう言われても仕方がないな。戦後60年。少しは大人になったと信じたいのであるが、あまり成熟したとは
思えない。当時の若い陸軍将校の頭の中は白痴的だったが、それ以上に「若いもんの考えはヨ〜クわかる!」なぞと「ジャリ革命」を目論んだ「精神的幼児性を
持った年寄り幹部」がいたのは救いがたいところ。今でも同じような老人がいる。「未成熟・幼児性」がもてはやされるのは、日本社会の特徴かも知れない。
Posted at 06:06 PM
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Wed - February 25, 2004
2/25 Today 菅原道真没 (903)
うちの梅もだんだん咲きそろってきました。
二階から撮った写真。もじゃもじゃと枝が伸びています。適当な時に余分な枝を剪って部屋の中に飾り
たいと思ってますが、ちょっと面倒くさい。窓から眺める
だけでもいい。
「東風吹けば......」、きのうおとといと、えらく強い風が吹きました。春一
番かもしれない。
Posted at 11:05 AM
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Tue - February 24, 2004
NHK
クローズアップ現代「日本酒ピンチ」/
全農中が日本酒を殺す!
今晩のNHKクローズアップ現代「日本酒ピンチ」は、とても勉強になっ
た。日本酒が亡びつつある。背景にあるのは日本の農水行政の硬直性だ。とてもよくわかった!
日
本酒の消費量が激減している。食生活の変化などが原因としてあげてられるが、根本原因は「悪かろう、安かろう」の製品を長年消費者に押しつけてきたツケが
回ってきているのである。今晩のNHKでとてもよくわかった。世界の酒造メーカーでは一番大切な酒の原料を自分で管理するのが当たり前だ。産地と葡萄の規
定のないワインなどあり得ないのを見ても明らかだろう。ところがその当たり前のことが日本では出来ないのである。
番
組では中国地方のある酒蔵が自分で自分の規格に合う酒米を作ろうとしてたいへんな苦労に遭うシーンを放映していた。日本の農業法では農家以外のものが農業
を営むことは原則として禁止されているのである。自治体が努力してなんとか実現させようとするが既存農家からの推薦が条件となる。その農家向け説明会の場
で、この酒造メーカーの若い社長は実に陰険な農家からの嫌がらせに遭遇する。つまり部落共同体の一員として行動できないものには田畑を耕せられないと云わ
れるのだ。結局やる気のある酒造メーカーも中途半端に挫折することになる。
やはり日本の農業は日本の桎梏となっているね。つくづく実感した。このままではコ
メも駄目。日本酒も駄目だ。期待できない。早く見限った方がいい。
Posted at 08:25 PM
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Books,
TV & Cinema (review)
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年金の世代間格差は当たり前。日経は不公平感をあおるのはやめたら?
今朝の日経の一面。また再び年金問題。「年金改革 なお世代格差」と題
して厚生労働
省の試算を紹介している「85年生まれは負担の2.3倍、55年生まれは3.2倍、35年生まれは8.3倍給付を受ける」と「若者の不信解消遠く」と不公
平感をあおっている。こういう議論は、はっきり言ってもうやめにした方がいい。
年
金問題について発言するのは今まで出来るだけ避けてきた。エゴイズムで言っているような印象を与えかねないし、どだいエレガントな議論ではない。しかし最
近の不公平大合唱にはいささか辟易する。散人は年金はまだもらっていないし、将来貰えるにしてもあまり期待はしていないので、いちおう第三者的な見解とし
て申しあげたい。年金負担と給付に世代間で不公平がでるのは当たり前である。
年
金制度とは現役世代が老人世代を扶養するシステムである。老人世代も昔は若かったのでその当時の老人を扶養してきた。いま不公平だと騒がれているのは今の
老人が若い頃にその時の老人を扶養した努力(年金の掛け金を支払った負担)以上に自分たちはいま若い世代からの扶養(年金給付)を受けているということ
だ。この議論はおかしい。経済成長がないスタティック(静的)な経済社会であればいざしらず、ダイナミックな経済発展がある社会ではこれが当たり前である
からだ。
今の老人が若い頃、経済はとても貧しかった。当然年金
掛け金の負担も(可処分所得に対する負担率は高くとも)金額ではすくなかった。また昔の老人ほぼ当時の現役世代と同じような貧しい暮らしをしていた。いま
豊かになって、老人が「ほぼ現役世代と同じような」暮らしをしようとすれば当然給付は(昔の負担に比べて)増えることになる。逆に、経済が縮小傾向にある
場合、むかしの豊かな時代には若者も老人も豊かな生活ができたものの、老年期になって受け取る年金の給付は、現役時代に払った年金の負担より当然すくなく
なってくる。全体が貧しくなると現役世代も老人世代もともに貧しくなると云うのが筋なのである。
同
一人物の給付と負担の比率を議論するのではなく、現役世代の生活と老人世代の生活を比較するべきなのである。また現役世代と老人世代の生涯所得(実質可処
分所得)を比較するのも一つの方法であろう。今の現役世代の生涯所得は今の老人世代の生涯所得より高くなっている。さらに現役世代は老人世代が造った社会
資本のサービスをほぼ無料で享受していることも忘れてはいけないだろう。
現
在の不公平大合唱は、多分に若者の不公平感をあおることで財政再建と企業の経費削減をやろうというもののように感ずる。若者はマスコミにあおられて老人い
じめをしているが、年金の「公平化」で誰が具体的な被害者となるのか考える必要があるのではないか。将来新しい制度のもとで年金を受け取るのはいまの若者
世代であるからだ。いまでも公的年金だけでは生活できないと云われている。年金は減らすのではなくもっと充実させて然るべきものだ。人口構造の問題が盛ん
に指摘されるが、女性の就業率を高めることと外国人労働者の受け入れで対応するべきであろう。要は、縮小均衡ではなく拡大均衡を目指すべきなのである。
Posted at 04:41 PM
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Nikkei etc.
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2/24 Today
国際連盟総会リットン報告書を採択
(1933)
国際連盟総会が満州事変を日本の侵略とするリットン報告書を賛成42、
反対1、棄権
1で採択(1933)。リットン調査団のメンバーは、団長がイギリスのリットン卿、その他フランス、イタリア、ドイツ、アメリカから参加していた。満州で
の日本の権益を認めるなど、かなり妥協的な結論となっているにも拘わらず、採決と同時に松岡洋右たち日本代表は一斉に退場。3月27日には連盟を脱退し
た。
日本の孤立ぶりは今の北朝鮮みたいなもん。でも北朝鮮にはまだ味方がい
ることと、国連を脱退しないだけ、当時の日本より賢い。
Posted at 11:00 AM
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Mon - February 23, 2004
2/23 Today 説教強盗捕まる
(1929)
大正から昭和にかけて、盗みに入った家で犯行ののち、二三時間にわたり
戸締まりやら
防犯の心得を説教して行くということから「説教強盗」と呼ばれた強盗が東京に出没。なかなか捕まらず数十件の犯行を重ねたが、遂にこの日逮捕される。犯人
妻木松吉は無期懲役となった。何となくユーモラスな泥棒という風に伝えられているが、当時の人たちにとってはそれどころではなかったようだ。
永井荷風がこの泥棒をどのように書いているのか気になって調べてみた。
「断腸亭日乗」昭和4年1月20日のところで見つかった:
(友
人の歌舞伎役者市川左団次の家で)この夜一座の談話によるに、過日女記者三宅某の家を襲いたる強盗は世人の呼んで説教強盗となすものなり、凶器をさしつけ
ながら諄々として因果をふくめ婦女を犯し金を受取りて去るが故に説教強盗と呼ばるるなりと云う、三宅某も凌辱せられたるなりと云ふ。又その家に在りし十八
の女子も犯されたるなりと云う、この手段を用いる賊始めは一人二人にてありしが今はこれに倣うもの次第に多くなり、重に郡部の邸宅を襲う、辱めを受けたる
女子すくなからざる由なり、
あれっ、そんな悪いことをしていたの? この事件は芝居なんかにもなっているが、きれいごとしか書かれていない。どっちが正しいのか判らないものの、いま
もマスコミ記事は、一般的に表現がポリティカリー・コレクト過ぎるので(「女衒行為」を「リクルート」と呼んだりして)、実際に何が起こったかわからない
ことが多いね。恥ずべき行為は恥ずべき言葉で報道するべきだと思う。
Posted at 10:51 AM
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Sun - February 22, 2004
2/22 Today
フランス二月革命(1848)
第二共和制の成立。このパリでのバリケード革命がウィーン、ベルリンへ
と波及する(三月革命)。折しも発表されたマルクス・エンゲルスの『共産党宣言』は「ヨーロッパに共産主義という亡霊が彷徨している。諸国の王侯貴族は恐
れおののいている」と書いた。
そ
れまでの各国政府はやりたい放題だったからすこしはこれで反省したみたい。共産主義は嫌いだけれどチェック・アンド・バランス機能としては十分役に立った
と思う。ソ連崩壊後それがなくなったので、誰かさんのやりたい放題になってしまった。牽制の効かない社会ほど怖い世界はない。
Posted at 05:17 PM
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「強いアングロ・サクソンに善悪の関係なく盲従するのは日本の国益だ」(岡崎久彦)に異議あり!
今朝の「サンデー・プロジェクト」で岡崎久彦はいいました:
過去400年間の歴史を見れば子供でもわかる。アングロ・サクソンが常に戦争で勝っている。彼等に歯向かった国は亡
びている。この強いアングロ・サクソンに盲従するのは日本の国益に合致する。良い悪いは関係ない。
日米同盟が重要だということは論をまたない。しかし岡崎久彦氏の「ぶら下がり」哲学は美学に反している。これでは対等の同盟国として米国民から尊敬される
国にすらなれないように思う。
こ
の岡崎久彦氏の哲学は長年一貫している。冷徹な国際関係を論者として一見説得力が高い。国際関係とはしょせん力の関係、身も蓋のないものだからである。で
もどうしても違和感が残るのは、そこに「美学」がないからである。「奴隷の平和」もしくは「犬の平和」を指向しているように見える。もちろん「犬」になっ
ても戦争に負けるよりはいい。しかし、このような実利一辺倒のぶら下がり主義で、果たして米国国民の尊敬を得られる国になることが出来るのであろうか。
岡
崎久彦氏もいっているように、米国は中国を「ひとかどの国」として評価している。米国にとって世界統治のためには日本とではなく中国と組むことも一つの有
力な選択肢である。単に強いからというだけで米国にオンブに抱っこで盲従するような国は、長い目で見て決して米国民の尊敬を得られないように思う。品がな
いと軽蔑されるだけだ。
アングロ・サクソンの世界制覇の歴史を
見てみても、彼等は決して弱い相手とは組まなかったことがわかる。彼等は常に強い「敵」を味方に取り込んだ。弱い相手は軽視され搾取されるだけであった。
だから言うことを聞かない中国が逆に重要視されるのだ。時の米国権力者に単に盲従するだけの岡崎外交は、日本のディグニティーを貶め、米国民の軽蔑を招
き、アジアでの日本の存在感を薄め、強いては日米関係すらも脆弱化させるのではないか。
岡
崎久彦氏は数年間に渡り国際情勢の分析手法をお教えいただいた先生であり、とても尊敬している。考え方は身も蓋もないように見えながら現実に則したもので
ある。しかし、それを公に言ってしまった途端に、日本という国の「品位」を国際的に落とすことになるように思う。国際関係でも美学は必要だ。
つ
いでながら、岡崎氏は「いったん決まったこと(イラク派兵)に反対するのは醜い。決まったことに従うのは民主主義の鉄則だ」と討論相手(寺島実郎氏)を一
蹴した。しかし、決まったことであっても必要な軌道修正が必要と考えた場合は議論の継続を求めるのは当然のことだ。決まったことだといって議論を拒否して
まっしぐらに突進するのは、それこそ民主主義の大原則に反するのではないか。
Posted at 11:47 AM
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Sat - February 21, 2004
「荷風のこだわり」(東理夫)
今晩の日経夕刊に東理夫が書いている:
酒
や食べ物や服装などに意見を持っていた荷風も、最晩年は丸めがねにヨレヨレの洋服、それに下駄ばきで、しかもほとんど毎日、並のカツ丼と上新香とお酒一合
をくり返し食べている。まるで、別人のようだ、と書いたところで、実は荷風のこだわりは方向性が変わっただけで、少しも弱まっていないことに気づかされ
た。
そうかな。散人はそう思わない。
「グラスの縁から」と題する東理夫の連続コラムである。この方の美食と
お酒へのこだわりは相当のもので、いつも感心して読ませていただいているが、今晩の荷風についてのくだりはいただけない。荷風は美食へのこだわりは持って
いなかったと思うからである。
た
しかに荷風は美食についての蘊蓄を傾けたことはある。しかしそれは「物まね文化でしかない明治大正の日本の美食文化への痛烈な風刺」という側面が強いので
ある。明治の皮相的な近代化文化は、もったいぶってカッコウ付けだけをしているが、お前らのやっていることはしょせん底が浅い物まねでしかないよと言いた
かったのだ。実際の荷風は実食への関心は全くなかった(と言っていいと思う)。だから京成八幡駅前の大黒家の「甘くてべちゃべちゃする」カツ丼もものとは
しなかった。栄養さえあればどうでもよかったのである。
これは荷風がサムライ家庭において教育を受けたことと、自分で経験した最初の外国
生活がアメリカ、それも西海岸であったことと関係があるように思える。美食にこだわった谷崎潤一郎と根本的に異なる点かも知れない。
こ
れは悲しいことであろうか。散人も実は長くそう思ってきた。でも昨今の日本のグルメ文化の蔓延を見るにつけだんだん荷風の方が正しいと思うようになった。
物知り顔で美食を語る文化人の文章を見るにつけ、荷風のように「知ったかぶりしてカッコウつけるんじゃないよ」と毒づきたくなることもある。荷風の時代か
ら半世紀が経過しているが、日本の「背伸び(こだわり)文化」は大して変化していないと感じる。
食い物のスタイルにこだわるのは、カッコウが悪い。荷風はカッコウの悪さを第一に
嫌ったのである。
Posted at 10:22 PM
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新
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