劇場「キャシャーン」


皆さん、話題の映画遂に見てきましたよ(笑)。平和島シネマサンシャイン初めて行ったんですが、なかなか良い感じ。GW明けというのもあって人影も疎らで。僕はこういう映画館好き。で、「キャシャーン」ですが...。

生まれてこの方映画を10本も観たコトが無い...とか、「踊る大捜査線」で感動できる広い豊かな感受性を持ち合わせた観客も数多くいるはずで、そういう人にとって「キャシャーン」は面白い映画?...かもしれません。
中学生未満推奨。特に訪問販売、新興宗教等に勧誘されやすい方、ピュアなマインドをキープした、オトナになりたくないアダルトにもオススメ。
目の肥えた観客にも実はオススメで、相当なモヤモヤしたイラダチを体験できるハズ。そういう意味で凄い。「イラク人質事件」にハマッた僕やアナタは観るべき一本です。被害者家族(の約2名)の未熟なオーラがそのまま乗り移ったかのようにバーチャル・テーマとしての「戦争反対」とか...もう最高です!!新しい体感?映画の誕生と言えましょう。
「宇多田の旦那的作家性」を必死に模索した結果であろうとも言える映画イズムの破壊。全体に見え隠れする(稚拙な)複雑系の世界観、唐突な人物描写などは明らかにガンダムの富野監督の悪影響。しかも編集映画であって欠陥だらけのガンダムやイデオンを模倣しているアタリが駄目すぎ。(かつてアニメは、見かけの表現の自由さと裏腹に心理描写において喜怒哀楽が明快すぎて、日本人好みのニュートラルなニュアンスの伝達が難しかった為、富野演出ってのは60年代の舞台演劇から取ったと思われる台詞の応酬を高次元に昇華してアニメ作品に持ち込んだんだよ。作画品質の安定しない当時のアニメ制作事情から考えて、監督の演出論はベターな選択だったのねん。このコトを理解していない観客、製作者が如何に多いことか。...まぁ、エヴァもそうなんですが。アニメと舞台演劇の相関関係は非常に重要なので、今後映像制作を目指す君は勉強してくれ!)
もし、「キャシャーン」がアニメ映画であれば恐らくコレほどは崩壊も、破綻も見せていないであろうことは明快。が、実写と絵では内包する情報量の根底が異質なの。語る必要の無い部分、ある部分、...があるですよ。これを演出といい、センスと言うのだけれど...。
幼稚な理解力とノスタルジーでアニメを模倣する所が低次元だと言っていて。人が映画に求めているものは、「凄いだけの映像」ではなくて、そういうのはCG系の専門学校の卒業制作とかでお腹いっぱいなので、やはり人間演出が重要。特に間だろう。PVに必要なのは視覚的刺激のみであって、つまりは「らしさ」だけであって、所詮、この人が大勢の期待する「映画を撮れない」コトは明白。
実は「キャシャーン」最大の悲喜劇はここあって、「宇多田の旦那」「往年のアニメ」「CG映画」という要素の集合に非常に出資者としてうま味があるですよ。”出した金はきっちり回収”という点でこれほど見事に機能する仕組みは無い訳です。(モラルなんて今の出資者に求めたら駄目駄目。)...そもそも「映画」とは何か。(と、トンデモな所から切ってみる)「映画」とは、本質的に「見せ物」である...というコトを忘れてはいけないのです。金を取って観客に出し物を見せる。これが根底であって。その後にフォーマットとしての映画がある訳で。興業側としては、映画だろうが、何だろうが金が稼げりゃ良い訳でね。そう考えると許せるじゃないか>俺。
しっかし、まあ、不勉強な奴だなぁ。この監督。オタクすぎです。
現場の皆さんご苦労さま...とな。


Posted: 土 - 5月 8, 2004 at 03:57 PM