パラダイス直島:[3]直島・家プロジェクト「南寺」


そんなこんなで、直島見物へでかける。

15:00 「南寺」へ

本村地区へ「家プロジェクト」を体験しに行く。
まずは、ジェームズ・タレルの「バックサイド・オブ・ザ・ムーン」と安藤忠雄建築のコラボレーション作品
「南寺」へ。

外観はストイックな建物で、お寺という感じではない。外壁は黒い木が使われている。土壁に沿って 入口へのアプローチがあるが、この土壁もすばらしい。こっちは作品じゃないのに...。こんなふうに、まわりの風景をうまくとけこませながら作っていく手法はさすが安藤さん。

南寺外観
まっすぐ進んだ奥の右手が入口
隣の家の土壁も作品の一部のよう


入口には係の方がいらっしゃって、はじめてですか?と聞かれた。はいと答えると、手順を説明してくれる。

まず入ると真っ暗でなにも見えないこと。左側の壁をさわりながらそれにそって進み、壁が終わっているところの下にベンチがあり、そこで10分ほど目を慣らすこと。すると、前方に光が見えてきますとのこと。

その手順どおり進む。ほんとに真っ暗で見えない。善通寺のお戒壇巡りと同じだ。私はなぜか他の人以上に見えないらしかった。不安になる。ベンチ発見、おそるおそる座る。
前方の左右にオレンジ色がかった光がぼんやりと見える。


-----10分ほど経過?
前方にぼうっとにじんだように横長の長方形の白い光が見えてきた。


-----さらに数分経過
一緒に入ったみんなはもう歩き回れるとのこと。私はまだちょっとコワイ。待ってくれい(T-T)


-----さらに数分経過
なんとかだいぶ見えてきたので前の光の方へ行ってみる。

がらんとした広い空間に数人の人影。それが白い光にさらされて、ゆらゆらと見える。まだピントがあわない。

最初は霧がかかったような、荒い粒子の画像のように見えていた光。さらに光の方へ進むと、腰ぐらいまでの壁があり、その奥はまるで無限の世界のようにみえる。
ここからおちたら、どこへいってしまうのだろう?と思わせるほどの空間。雲の上から下の雲をみているような、そんな体験。とてもとても不思議な世界。

入口の方をみると、やっと目が慣れたらしく、これから入ってくる人たちがはっきり見えた。しかしむこうはこちらが全然見えてないのね....と思うと、なんだか面白かった。

ようやく外に出る。まぶしいっ!

日常の中の非日常。
やっと
タレれて、みんなも満足そう。

しかしやはり私は鳥目だということを、ここで確信してしまったのだった。(悲)

これは帰ってきてから直島通信(←これおすすめです)を読んで知ったんだけど、この作品を置く時にタレルとベネッセの社長さんが話した時、タレルが「もっと早く、もっとよく見える作品もありますよ」といったところ、社長は「いや、これがいい。これぐらい時間をかけてみえたほうがいいんだ」といったそう。素晴らしい!
たしかに直島の時間の流れの中では、10分ぐらいじっとしていることは苦でもなんでもない。むしろ自然なこと。たしかにこれを東京でやるとしんきくさく感じてしまうかもしれないのだけど...。

ほんとに直島は、時間がゆっくり流れています。

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