323日原川川苔谷逆川
| 山頂 |
|
| 分類 |
沢登り |
| 日程 |
2007/08/04 |
| 同行 |
ナカジ・オグ |
| 概要 |
奥多摩駅からバスで250円の川乗橋から川苔谷沿いの林道を30分で逆川に入渓。ウスバ林道が横断する地点で遡行を終了し、百尋ノ滝を見物して川乗橋まで戻る。 |
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最初の2段10m滝に呆然とするナカジとオグ。上の画像をクリックすると、逆川の概要が見られます。(2007/08/04撮影)

水流の強い3段10m滝の3段目。上部はつっぱりで抜ける。(2007/08/04撮影)
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ハイライトの10m滝。ご覧の通りのラインで問題なく登れる。(2007/08/04撮影)
今年の東京の梅雨明けは8月1日と遅かった。したがって、この日は梅雨明け最初の土曜日ということになる。おまけに、ちょうど2日前に関東地方にまとまった雨を降らせた台風が日本海にいるおかげで南からの熱い大気が吹き込んで、この日の東京は真夏日。つまり絶好の沢日和だ。そんなわけで、ナカジ&オグの二人を連れて今年最初の沢登りは初級者から中級者まで楽しめると評判の、奥多摩の逆川にした。
奥多摩駅に午前9時に集合。川乗橋までタクシーを飛ばすつもりだったが、タクシー乗り場に列はあれども車は1台もなく、結局9時33分発のバスに乗ることになった。
■09:45 川乗橋 ■10:20 カーブミラー ■11:25-45 逆川出合
川乗橋のバス停で降りて、ゲートの脇を通って林道をゆっくり登る。きれいに舗装されて歩きやすい緩やかな坂道を汗をかきかき歩いて、いったん竜王橋に辿り着いてからしばらく戻り、トポに記述のあるカーブミラーから下降を開始した。ところが、上流方向へ続く踏み跡はすぐに急な土のルンゼになってちょっとデンジャラス。おかしいな、とは思うものの引き返すのも癪なので、ロープを出して懸垂下降2ピッチで川苔谷に下り着くと、そこはちょうど逆川出合のわずかに上流側だった。あとで調べてみると、時折拝見している「賀来家のファミリー登山」の逆川の記事の中に「『白山書房:東京周辺の沢』ではカーブミラーから上流方向へ踏み跡を行くように書かれているが、実際は逆で下流方面へ50mほど踏み跡をたどると、容易に谷底へ降り立つことができる。」とある。やれやれ、あらかじめこの記事を読んでおくのだった……。

黒光りする岩が大まかにごろごろした感じの入口から逆川に入ると、すぐに最初のポイントとなる2段10m滝が現れる。やはり2日前の雨のせいか、かなりの勢いで水流がほとばしっており、これは手応えがありそうだ。下段の3mは簡単だと聞いていたので気軽に取り付いてみたが、やはり水勢に押されて一筋縄ではいかない。いったん戻ってロープをつけてから、二条になっている水流の右側に足を突っ込んで頭から水をかぶりながら突破し、後続の二人を引き上げた。そこから左手の上段7mは見た目難しそうだが、よく眺めれば右壁から水流の右を上へ抜けるラインにホールドが続いていて、少なくともこの日に限っては上段の方が易しかった。

2段10mを越えてしばらく進むと、明るく日差しが射し込む下に細長い釜を持つ小滝が待っていた。腰まで水に浸かって取り付いたオグがああでもないこうでもないと取り組んでみたが、その都度釜に落ちてしまう。選手交替してナカジもトライしたが、やはりうまくいかない。というわけでにやにやしながらの先生(私)のお手本は正統派の両足突っ張りでの突破で、このあたりは技術というよりも経験がモノをいうところだが、この小滝はジムナスティックでとても楽しかった。
出発が遅かったこともあり、昼食休憩を一本入れてから遡行継続。トポには記載のない可愛らしい小滝や小ナメを次々に越してゆくと、顕著なゴルジュ帯に到達する。最初の小さい釜を持つ2m滝は、腰までの深さを右から回り込んで右壁のホールドを拾えば容易。そのまま廊下のような地形をくねくねと辿って、傾斜の緩い滝をひとつ越えるとゴルジュ出口の釜を持つ4m滝。ここは昔は泳いだようだが、今はすっかり埋まって左から行けば腰までも届かず、左壁に残置されたスリングを使って強引に乗り上がった。

ゴルジュの先しばらくで何ということもない小ゴルジュを抜けると仕事道の橋が頭上を通り、ついで倒木がかかった4m滝、さらに斜めに掛かる造型の面白いナメ滝を過ぎて大ダワ沢の滝を右から合わせる。この後も3mくらいの滝が次々に現れてまったく飽きることがなく、まるで沢の遊園地の中にいるようだ。
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■14:25-45 3段10m大滝+4m滝 ■14:50-15:30 ハイライトの10m滝
逆川の最終コーナーは、一直線に水を落とす3段10m滝、これに直ちに接続する4m滝、そしてウスバ林道直下に壁のように立ち塞がる10m滝。まず3段10m滝だが、下2段はまったくもって易しい。そして3段目は樋状になっていて水勢もかなり強いが、両足を開いて上手にステミングの態勢を作れば、そのままじわじわと上へ抜けることができる。ナカジとオグはロープで確保して登ってもらい、特にナカジはけっこう緊張した面持ちだったが、最初のジムナスティックな滝での練習がよかったようで、二人とも問題なく抜けてきた。
3段目の滝のすぐ上には一見出だしが立っているように見える4m滝が待っているが、右壁からアプローチするとガバホールドがあって身体を引き上げられ、あとは傾斜も緩んで難しくなくなる。

そしてお待ちかね、ハイライトの10m滝が登場する。ここで滝に取り付いていた先行パーティー5人組が、この日初めて見た他パーティーだ。ちょうど先行パーティーのトップが滝の右壁にじわじわとロープを伸ばしているところで、そちらも水が流れていてちょっと嫌らしそうだったが、やがて無事に上に抜けてロープを固定し、途中3人は(たぶん)タイブロックで、そして最後の一人は支点を取り直して引き上げられていった。これを見ながら、ナカジと私の会話。
ナ「あのー、左側から(滝を巻いて)登る訳にはいかないんでしょうか?」、
私「ダメです!あれを登らなければ逆川を登ったことになりません。」
ナ「……。」

先行パーティーのラストが滝の上に達したのを見て、我々も滝下へ移動。ありがたいことに先行パーティーのおかげで、残置ピトンの位置を予習することができた(まったく初見でピトンを探しながらだと、ワンランク難しく感じただろう。)。ピトンは3箇所あり、最初は右の草付とのコンタクトライン、次は途中のテラスに立って上、最後がさらに一段上がったところだ。ここはオグにビレイを頼み、傾斜の緩い右側からコンタクトラインの凸凹を利用してテラスに乗り上がると、そこから3m程は傾斜が立っているが、そのかわりしっかりしたガバホールドが嬉しい。最後、落ち口の下で傾斜が緩んで簡単に滝の上へ出て、オグ、ナカジの順に迎え入れた。途中の立った壁は苦労するかなと思ったが、ジムのグレードで5.7くらいの感じなので、二人とも全く問題なく登ってきてくれた。
■15:35-50 ウスバ林道横断地点 ■16:10 ウスバ乗越 ■17:15-20 百尋ノ滝 ■18:40 川乗橋
滝のすぐ上をウスバ林道が横断している。先ほど「最終コーナー」と書いたが、時間に余裕があればそのまま川苔山まで沢を詰めると、さらに楽しい25m滝が待っているらしい。しかし、さすがに二人とも疲れてきているし、第一もう下山にかからないと明るいうちに帰れなくなる。沢靴を脱ぎ、ハーネスをはずしてハイキングルックに変身すると、ウスバ林道の歩きにかかった。ここからなら大ダワを経て鳩ノ巣駅へ向かってもいいのだが、せっかくなので百尋ノ滝を見物することにし、反対のウスバ乗越方面を目指した。

しかしこの道は長かった。ほとんど等高線に水平に辿る道はむしろ奥多摩駅方面と反対方向に向かって進んでおり、いつまでたっても下り始める気配を見せない。昔々、登山を始めたばかりの頃はこのあたりの山道も喜んで歩いたものだが、歳をとって横着になってくると、沢登りの後の下山は苦行でしかない。「腹減った。」「疲れた。」「遠いなあ。」とグチをこぼし合いながら延々と歩いた果てにやっと道は下りはじめ、そしてとうとう百尋ノ滝。幸いなことにこの滝、苦労をして見に行くだけの価値はあった。遥か上の方から垂直に落ちてくる水があたりにマイナスイオンを立ちこめさせて、その一角はまるで神域に入ったかのような厳かさを湛えている。ナカジもオグもこれには感動したようで、オグは「ここ、東京ですよね?」と信じられない様子(右の写真をクリック。)。

あとはひたすら登山道を歩いて、林道にやっとのことで到着。そこには、なぜか一人でアンニュイにタバコをふかすバイクのお姉さん。小休止の後に林道をぐんぐん下って、元の川乗橋バス停に着いたときには暗くなってきていた。このあと最終バスで奥多摩駅に戻り、「もえぎの湯」(この時期20時半まで受付可。)で汗を流し、生ビールで乾杯してから長い長い帰路についた。
逆川はポイントになる滝がいくつもあって実に面白く、水量が多くて腰までつかって釜を突破したりシャワーを浴びながらの滝登りがあったのも、いかにも夏向きで楽しかった(そういう意味では、台風通過直後がお勧めか?そのへんの判断は、あくまで自己責任でお願いします。)が、ことアプローチに関しては3人とも奥多摩の遠さが身にしみた一日だった。