飯田線平岡からタクシーで易老渡へ。そこから曇天・湿度100%の急坂をほぼ5時間にわたりひたすら登る。汗だくになりがら苦行を続けているうちに、易老岳手前で左足のアキレス腱を痛め、ますます苦悩が深まった。

| 山頂 | 光岳2,591m・聖岳3,013m |
|---|---|
| 分類 | 南アルプス |
| 日程 | 1997/08/16-18 |
| 同行 | |
| 概要 | 易老渡から易老岳経由光岳。翌日、光小屋から聖平小屋まで縦走。翌朝、聖岳を往復して便ガ島へ下山。 |

希望峰と仁田岳の間の明るい稜線。向うに光岳が見えている。(1997/08/17撮影)

聖岳の南斜面。近いようでもここから山頂まで2時間はかかる。(1997/08/18撮影)

聖岳山頂でくつろぐ。背景は南アルプス南部の盟主・赤石岳。(1997/08/18撮影)

聖岳山頂から見た雲海上の光岳(中央)。南アルプスの最果ての山。(1997/08/18撮影)
1997/08/16
■09:45 易老渡 ■11:15-35 面平 ■14:35 易老岳
飯田線平岡からタクシーで易老渡へ。そこから曇天・湿度100%の急坂をほぼ5時間にわたりひたすら登る。汗だくになりがら苦行を続けているうちに、易老岳手前で左足のアキレス腱を痛め、ますます苦悩が深まった。

■17:00-05 光小屋 ■17:20-45 光岳 ■18:00 光小屋
暗い三吉平を過ぎて沢沿いの道を登る頃からシャリバテで足が動かなくなった。なけなしの行動食を口にして歩みを続けると、静高平のトリカブトの群生の中に豊かな水場と「小屋まで15分」の標識を見つけて勇気づけられた。

青い屋根の小屋(素泊まり)に荷物を置き、すぐに光岳へ登ったが、山頂は樹林の中の小さな高地で何の変哲もない。そこから数分下ると山名の由来となった光石(てかりいし)に達する。なるほど真っ白なきれいな岩場で、遠くからでも光って見えそうだ。しかし今日はガスの中。

1997/08/17
■05:35 光小屋 ■05:50 イザルガ岳 ■07:35-45 易老岳
センジが原を抜けて丸く平らなイザルガ岳に登り、さらに昨日来た道を戻って易老岳の頂上。ここまでの間によほどそのまま易老渡へ下ろうかと悩んでいたが、上空に青空が見えたことに加え、易老岳頂上でタクシーを呼んでいるというパーティーに会ったことからとっさに聖平までの縦走を決意。このパーティーに翌日14時便ガ島への迎えを言づけて、茶臼岳方面へ進んだ。

■09:05-25 希望峰 ■10:10-20 茶臼岳 ■11:00 お花畑
希望峰と仁田岳の間の明るい稜線で光岳と光小屋を近くに眺めながら軽食。仁田池の寂しい風景を過ぎて茶臼岳に登るあたりから再びガスに巻かれはじめ、西からの冷たい風にさらされた。二重山稜の間で亀甲状土や花の少ない「お花畑」を見た。

■12:10-35 上河内岳 ■14:05 聖平小屋
縦走路上にザックをデポして往復した今日のコースの最高峰も、完全にガスの中で何も見えない。そのままひたすら下り、聖平を右に折れて今日の泊まり場にたどり着いた。今年から食事付きの宿泊が可能となった聖平小屋(寝具なし)の夕食はカレーライス一杯と小サラダ、ゼリー。粗食の部類だが、南アルプスでは贅沢を言ってはいけない。
1997/08/18
■04:35 聖平小屋
4時前になると宿泊客のほとんど全員が一斉に身支度を始めたのには驚いた。こういう点もさすが南アルプス(しかも南部)という感じ。聖岳にはかつて登ったことがあるので、天気が悪かったらゆっくりしてそのまま下山しようと思っていたが、周囲の熱気に押されるようにして自分も外に出た。

■05:05 薊畑 ■07:05-45 聖岳
高度を上げるにつれ、ガスが薄れて遠くの稜線が見えるようになり、小聖岳あたりからはっきりと雲海の上に出た。目の前には聖岳の姿がくっきりと立ちはだかっている。

やせた稜線をしばらく進み、水場があるところから聖岳の本体にとりついて、ざらざらの急坂をジグザグに登り続けることしばし、ひょいと山頂に飛び出した。初めはガスが通過していたが、やがてそれも払われて、高曇りの空の下、正面に赤石岳、左に塩見岳、仙丈岳、間をあけて北アルプスの槍・穂、中央アルプス。後ろには上河内岳から光岳までの稜線がくっきり見える。また、聖岳から兎岳、中盛丸山、大沢岳と続く懐かしい稜線を目で追うと、百間洞山の家が1988年にここに来たときにはなかった場所に移築されていた。お湯を沸かし、おにぎり二つの弁当を食べ、写真をたくさん撮って、なごり尽きない山頂を後にした。

■09:00-05 薊畑 ■11:15-20 西沢渡 ■11:50 便ガ島
小聖岳へ続く稜線で、右手(西)の谷に霧が渦巻き、左手(東)から太陽が差し込んでくるロケーションになって「これは……?」と期待していると、案の定ブロッケン現象が発生。中央に小さな二重の虹、外側に大きな一重の虹が出来て、その真ん中に自分の影が踊っている。やがてガスが稜線全体を覆ってしまい、道も樹林帯の中に下ると、あとはひたすら下山するだけだ。それにしても、昨日から今日にかけて、トリカブト、タカネマツムシソウ、イワギキョウと紫系の花が目立つ。
下り坂の途中で他の登山者からコーヒーをおごってもらったりしながら下ったのに、予想外に早いペースで沢に下りついた。沢を渡るのは、丸太橋ではなくケーブルに吊るされた鉄製のカゴ。並行するひもを引っ張って前へ進む仕掛けだ。ここから軌道跡の歩道をてくてく歩くと、正午前に目的地に着いてしまった。タクシーは14時の約束だったが、13時20分頃に着いてくれたのはラッキーだった。
