スタマティス・スパノダキス
 (ΣΤΑΜΑΤΗΣ ΣΠΑΝΟΥΔΑΚΗΣ)

オフィシャルサイトURL: http://www.stamatisspanoudakis.gr/

'48アテネ生まれ。ギリシャ音楽は勿論、ビートルズやクラシック等にも影響を受け、学生時代からバンド活動を始める。(当初担当してたのはベースだった)'69に一旦ギリシャを離れ、フランス、イギリス、ドイツで活動。その間にTVや映画音楽のキャリアを積む。'76にギリシャに帰国、'80年代初頭には自己のスタジオを設立し、ギリシャのインストゥルメンタル音楽を中心にした音楽家としては確固とした地位を築き上げた。

とりあえずギリシャアーティストで一番思い入れのあるのは?と聞かれれば即答するのがこの人。初めてギリシャへ行く前から某プログレ雑誌のギリシャ特集で気にはなってた。で、初めてギリシャへ行った時に何枚かCDを購入し簡単にハマってしまった(笑) 今じゃこの人のアルバムだけでも30枚以上持ってるという、たぶん関西では3本の指に入る(笑)スパノダキスマニアになってしまいました。まあ正直イマイチな作品も結構あるし、作風もパターン化してるといえばしてるし、それほどのもんやないやろ、といわれればそれまでですが、やっぱり「思い入れ」ってのは音楽性を凌駕してまうこともあるわけで…。
ちなみに表記も「スパヌダキス」の方がより実際の発音には近いと思いますが、もう「スパノダキス」で刷り込みされてもうてるんで、ここでは「ノ」で統一します。

ΚΥΡΙΕ ΤΩΝ ΔΥΝΑΜΕΩΝ ('82) LYRA CD3756
(キリエ・トン・ディナメオン)
そのプログレ雑誌でも大絶賛やった一枚。まさにグリーク・シンフォニック・プログレの金字塔。ヴォーカル以外は全てギター、キーボード、ブズーキ、ドラムスに至るまでスパノダキスによる演奏。宅録の星とも呼ぼう(笑)
さすがに今聴くとシンセの音色に古さは感じますが、高い音楽性の前には気になりません。どこを切っても印象的なメロディーのオンパレード。ここぞと切り込む泣きのギター。他の人選は考えられんぐらいハマっている男女ヴォーカル…。プログレ好きでほんまよかったと思わせました。便宜上9曲に分けられてますが、基本的にはノンストップのトータルアルバム。(CD化でAB面の途切れがつながらんかと思ったけど…そのままでした)とりあえずギリシャのプログレ聴くならこれ!!の一枚。
ΑΓΓΕΛΟΣ ('82) LYRA CD3353
(アンゲロス)
ゲイを描いた衝撃的なギリシャ映画「アンゲロス」のサウンドトラック。これ、ジャケで買う人はおらんやろなあ(笑)。
でも音楽は極上!(なんせ名作2作の間の作品ですから…)おおまかに2つのモチーフが使われているよう。(その内のひとつは「7 ΠΑΡΑΚΛΗΣΕΙΣ」にも使われることになります)アレンジはシンセ中心で、時折メロディーにマンドリン(バラライカ?)が使われています。結構内省的な雰囲気なんですが、それが主人公であるアンゲロスの悲哀を表現していて映画にもばっちり合っていました。ちなみに映画の方は日本でも公開されていて、なんと!!日本版ビデオまで出てました。(私中古でわずか\500で入手しました。DVDにはならんかなあ?
)映画の詳しい内容はここで。
ΜΕΡΑ ΟΡΓΗΣ ('83) LYRA CD3362
(メラ・オルギス)
'82の「ΚΥΡΙΕ ΤΩΝ ΔΥΝΑΜΕΩΝ」とは姉妹作ともいえる作品。プログレでいえばクリムゾンの「宮殿」と「ポセイドン」みたいなもんか。(マニアックな例えだ…)そういうわけで二番煎じ的な感じがないといえばウソになりますが、公平に聴けばやっぱり傑作。あとは個人の好みの差でしょう。個人的には「ΚΥΡΙΕ〜」でヴォーカルをとっていたエレーニ・ヴィターリの存在感が圧倒的だったのでこっちがちょっと落ちるかな、といった印象。あとギタリストがゲスト参加していてスパノダキス独特のリードギターがあまり聴けないのもちょっと残念。
ΕΔΩ ΚΑΤΙ ΣΥΜΒΑΙΝΕΙ ('84) MINOS MCD536
(エド・カティ・シンベニ)
クラリネット奏者のヴァシリス・サレアス、シモンズ・エレクロニック・ドラム(懐かしい!)のCHICO、ギターのヤニス・エクメクヅォグルーとのカルテット編成によるインスト・ロック・アルバム。名曲「ΣΥΝΑΝΤΗΣΗ(シナンティシ)」も収録。
かなりクラリネットを前面に出しているのがインスト・ロックにしては珍しい。アラン・ホールズワースのギターばりに泣きまくるヴァシリスのクラリネットは聴きものです。
ΞΑΦΝΙΚΟΣ ΕΡΩΤΑΣ ('84) MINOS 7243 4 80550 2 6
(クサフニコス・エロタス)
ギリシャのTVドラマのサウンドトラック。主題歌を歌うのは「ΚΥΡΙΕ ΤΩΝ ΔΥΝΑΜΕΩΝ」でヴォーカルをとっていたエレーニ・ヴィターリ。アコースティック・ギターやらピアノ、バラライカ、ストリングス系シンセを多用したサウンドは結構穏やかというかさわやかな感触で、ある意味この作品ってターニング・ポイントだったのかも。ちなみにテーマ曲もスパノダキス本人が後々でもよくライヴで演奏してます。
7 ΠΑΡΑΚΛΗΣΕΙΣ ('85) MINOS MCD564
(エプタ・パラクリシース)
三たびエレーニ・ヴィターリをヴォーカルに起用したアルバム。これもプログレ界では古くから知られていたアルバムらしいです。ヴィターリが参加したことでかの名盤「ΚΥΡΙΕ ΤΩΝ ΔΥΝΑΜΕΩΝ」を思い出させますが、リズム・セクションがないので「ΚΥΡΙΕ〜」から「静」の部分を抜き出したかのような雰囲気があります。「ΞΑΦΝΙΚΟΣ ΕΡΩΤΑΣ」からアコースティック楽器を抜いてシンセ中心にしてより厳かにした感じも受けます。子供の合唱も効果的。
ΠΕΤΡΙΝΑ ΧΡΟΝΙΑ ('85) LYRA CD3411
(ペトリナ・フロニア)
またヴァシリス・サレアスのクラリネットをフィーチャーしたギリシャ映画のサントラ。CDは結構豪華な英仏希3か国語併記のブックレット付。
ΚΟΝΤΡΑΜΠΑΝΤΟ ('86) LYRA CD3433
(コントラバンド)
ヴォーカルにエレフセリア・アルヴァニタキを起用。アルヴァニタキにとってもそれまでのライカ路線からの転機となった作品。のちの「ΤΑΝΙΡΑΜΑ」の原型ともいえるようなエレ・ポップ作品。今聴くとアルヴァニタキの声が若々しくて可憐!!やはり人間、トシは食うもんなんですね(笑)。ちなみにアルバムはギリシャでもかなりヒットしたとのこと。
ΑΠΟΥΣΙΕΣ ('87) LYRA CD3476
(アプーシエス)
ギリシャ映画のサントラ。ヴォーカルには引き続きエレフセリア・アルヴァニタキを起用。ついでに嫁さんのΝΤΟΡΗ(ドリ)もコーラスで参加してます。この時期にしては珍しくエレクトロ色の薄い作品で、スパノダキスがあまり使わないワルツのリズムのテーマ曲は、のちにライヴでもよく演奏される代表曲。彼のウェブサイトのトップページのBGMにもこのアルバムの曲が使われてます。(サイト更新により現在は使われていません。'04.8.7)チェロやヴァイオリンなど、弦楽器の音色の印象が強く残る作品。
ΚΑΘ'ΟΔΟΝ ('87) LYRA CD3458
(カソドン)
スパノダキスにしては珍しいストレートなロック・アルバム。
ΚΑΙ ΜΠΗΚΑΜΕ ΣΤΑ ΧΡΟΝΙΑ ('88) CBS 460858
(ケ・ビカメ・スタ・フロニア)
またまたエレーニ・ヴィターリをヴォーカルに起用。
Η ΦΑΝΕΛΑ ΜΕ ΤΟ 9 ('88) POLYGRAM 836627
(イ・ファネラ・メ・ト・エンネア)
ギリシャのサッカー映画(?)のサントラ。のちに「ΤΑΝΙΡΑΜΑ」にも収録される「ΖΩΗ ΚΛΕΜΕΝΗ(ゾイ・クレメニ)」のオリジナル(とはいってもバックトラックはほとんど同じ。こっちはドラムスの音が入っている)が収録されてます。こちらのヴォーカリストはカテリーナ・シアパンダ。もともとド演歌な曲をさらに濃くしてます(笑)。また1曲目とラストの曲は'77年リリースのソロ作「MARAN ATHA」のリサイクル(笑)。2曲目はもろトラッド的で、音だけ聴くとスパノダキスとは思えない…。5曲目もメロディーやらコード進行はいかにもスパノダキスやけどもリズムがラテン調やったり。ちょっと異色作といえるアルバムかも。あ、それとギター(特にエレクトリック)の使用頻度が意外と高い。独特のタメの効いた甘美なエレキ・ギターの音色が印象的。
Ω ΓΛΥΚΥ ΜΟΥ ΕΑΡ ('88) POLYGRAM 834576
(オ・グリキー・ム・エアル)
ΠΙΝΓΚ ΠΟΝΓΚ ('89) POLYGRAM 836804
(ピンポン)
タイトル(ピンポン)を現すかのごとくピンポン音のSEで始まり、SEで終わる、スパノダキス風エレクトロニック・インストゥルメンタル。(とはいえギターも結構多用してます)曲タイトルを見ると全部同じタイトル(「ΠΑΙΧΝΙΔΙ」1〜8まで)なので、ちょっとトータルアルバム的な匂いもあります。すでににヴィターリに歌わせた曲や、のちに「ΤΑΝΙΡΑΜΑ」に再利用(笑)される曲、バックが生のストリングスなら現在の作風とだぶる雰囲気の曲もあり、ファンなら必聴の隠れた好作。
ΔΥΟ ΒΗΜΑΤΑ ΑΠ'ΤΗΝ ΑΜΜΟ ('89) POLYGRAM 837998
(ディオ・ビーマタ・アブティン・アンモ)
アルキスティス・プロトプサールティをヴォーカルに起用したエレ・ポップ作品。
ΤΑΝΙΡΑΜΑ ('89) POLYGRAM 841844
(タニラマ)
ヴォーカルに再度エレフセリア・アルヴァニタキを起用。「ΚΟΝΤΡΑΜΠΑΝΤΟ」の延長線的な音だが、完成度はこっちの方が高いように感じます。「ΜΟΝΟ ΛΙΓΟ(モノ・リゴ)」や「ΖΩΗ ΚΛΕΜΜΕΝΗ(ゾイ・クレメニ)」などギリシャ的哀愁がたっぷりの名曲が収録された名盤。個人的には初ギリシャから帰国後ずっと聴いてたアルバムのひとつなので、これを聴くとギリシャの鮮烈な想い出に浸ってしまいます。
ΗΜΕΡΑ ΤΡΙΤΗ ('90) CBS 467865
(イメラ・トリティ)
ΤΟ ΔΙΛΛΗΜΜΑ ('90) POLYGRAM 847096
(ト・ディリンマ)
ツウ好みのシンガー、ペトロス・ガイターノスのデビュー・アルバム。タイトルの意味は「ジレンマ」。ガイターノスの声に合わせてか、トラッド色のある渋めの曲調が多め。またこの頃にしては珍しくブズーキを結構使用しています。2曲目や5曲目などはメロディーがとても印象深くて好きな曲です。全体的には意外とさわやかな雰囲気があるように感じます。
ΕΙΜΑΙ ΚΑΛΑ ΕΥΧΑΡΙΣΤΩ ('91) AKTH 469052
(イメ・カラ・エフカリスト)
ΑΝΤΕ ΓΕΙΑ ('91) CBS 468040
(アンデ・ヤー)
これまたギリシャ映画のサントラ。映画の内容は不明(泣)。サントラという性質上同じ曲のアレンジ違いが多く、実質3曲くらいなんですが、ピアノを中心にした穏やかで暖かさのある曲調は'84年の「ΞΑΦΝΙΚΟΣ ΕΡΩΤΑΣにも通じる雰囲気が。特に4曲目の「ΓΙΑ ΤΗ ΜΑΝΝΑ(ヤ・ティ・マンナ)」は個人的にはかなりの名曲やと思います。全体的には地味な印象ながらもいいアルバムです。主題歌を歌うはギリシャヴォーカリストの代表格のひとり、ヤニス・パリオス
THALASSA ('92) CBS 471349
珍しくタイトルが英語表記(でも言葉はギリシャ語。しかも曲目は英語。なんて中途半端な)のアルバム。海外市場でも狙ったんでしょうか(笑)。内容もちょっと中途半端な感じで、一応タイトル(「海」の意)をテーマにしたトータル・アルバムではあるみたいなんですが、残念ながら各曲のスケール感がいまいち。唯一タイトル曲がシンフォニックなくらい。あ、一曲目で聴けるスパノダキスのくちベースが聴きものかも(笑)
ΕΠΑΦΗ ('92) MINOS 478781
(エパフィ)
「ΑΝΤΕ ΓΕΙΑ」でヴォーカルをとっていたヤニス・パリオスとの共演盤。打ち込み中心のエレ・ポップ作品ながらかなりいい曲が多くて、それにパリオスの表現力豊かなヴォーカルがのった結果、好アルバムとなってます。「ΑΝΤΕ ΓΕΙΑ」や「THALASSA」の曲も再演しています。
ΠΟΥ ΠΑΣ ΟΤΑΝ ΚΟΙΜΑΣΑΙ ('92) MINOS 170463
(プ・パス・オタン・キマセ)
ΑΛΕΞΑΝΔΡΟΣ ('94) FM205
(アレクサンドロス)
ΕΑΡΙΝΗ ΩΡΑ('94) FM220
(イーリニ・オラ)
ΕΠΙΤΥΧΙΕΣ ΜΕ ΛΟΓΙΑ ('94) STAM STUDIO SSCD1
(エピティキエス・メ・ロギア)
ついに自己のレーベル、「STAM STUDIO」レーベルを持つことになったスパノダキスが、満を持してリリースした(かどうかはわからんけど)、これまでの作品からの歌ものコンピレーション。私が初めて購入したスパノダキス単独名義のアルバムでもあります。さすがにええ曲揃ってます。シンガーもヤニス・パリオスエレフセリア・アルヴァニタキアルキスティス・プロトプサールティ、マノリス・ミツィアス、エレーニ・ヴィターリ、ドリ・スパノダキなどなど無茶苦茶豪華。ギリシャ・ポップとしてのスパノダキスを聴くならまずこれ!!でしょうか。
ΤΑ ΧΡΩΜΑΤΑ ΤΗΣ ΙΡΙΔΟΣ/MARAN ATHA/ΠΡΟΜΗΘΕΑΣ ('94) STAM STUDIO SSCD2
(タ・フロマタ・ティス・イリドス/マラン・アーサ/プロミセアス)
初期作品のコンピレーション。「ΤΑ ΧΡΩΜΑΤΑ ΤΗΣ ΙΡΙΔΟΣ('74)」と「ΠΡΟΜΗΘΕΑΣ('75)」はイギリス在住時代の映画音楽、「MARANATHA」は'77リリースのインスト・アルバム。すでにこの頃からスパノダキス節、とでもいうようなどこか陰影のあるメロディーの音楽をやっていたのがわかります。しかも結構プログレしてたりする(笑)。メロトロンらしき音もあったり。この頃のアルバムも再発せえへんかなあ。
ΧΩΡΙΣ ΛΟΓΙΑ ('94) STAM STUDIO SSCD3
(ホリス・ロギア)
自選ベストシリーズのVol.1。サブタイトルは「Η ΣΤΙΓΜΗ ΠΟΥ ΠΕΡΝΑΕΙ ΚΑΙ ΧΑΝΕΤΑΙ (イ・スティグミ・プ・ペルナイ・ケ・カネテ)」。ベストとはいってもほとんどが未発表曲、新録音、または別テイクやし、曲も粒揃いなのでファンなら必聴のアルバム。初心者にもオススメ。「ΜΟΝΟ ΛΙΓΟ」、「ΞΑΦΝΙΚΟΣ ΕΡΩΤΑΣ」、「ΑΝΤΕ ΓΕΙΑ」など名曲揃いですが、なかでも白眉なのが未発表曲(たぶん)の「ΓΙΑ ΤΗΝ ΝΤΟΡΗ(ヤ・ティン・ドリ=ドリのために)」。とにかく美しくて切ないソロピアノ曲で、個人的にも大好きな曲のひとつ。(のちにリリースのライヴ盤にも収録されました)
ΧΩΡΙΣ ΛΟΓΙΑ 2 ('95) STAM STUDIO SSCD4
(ホリス・ロギア 2)
自選ベストシリーズのVol.2。サブタイトルは「ΕΙΜΑΙ ΖΩΝΤΑΝΟΣ ΕΠΕΙΔΗ ΣΕ ΑΓΑΠΗΣΑ (イメ・ゾンタノス・エピディ・セ・アガピサ)」。前作にも増してええ曲ばっかし収録。特に聴きものなのが「ΣΥΝΑΝΤΗΣΗ(シナンティシ)」でしょうか。とにかく大好きな曲で、私自身ライヴでも一番演奏したギリシャ曲かも。ブズーキの音色が美しい。サントリーニ島で「ΠΑΛΙ ΑΠ'ΤΗΝ ΑΡΧΗ(パリ・アプティン・アルヒ)」を聴きながらぼーっとエーゲ海を眺めていたのもいい想い出です。ちなみに「ΣΥΝΑΝΤΗΣΗ」「ΠΑΛΙ ΑΠ'ΤΗΝ ΑΡΧΗ」とものちにポップ・シンガーのアンドーニス・レモスがカバーしました。(スパノダキスも演奏で参加)
ΤΟ ΔΑΚΡΥ ΤΟΥ ΙΩΑΝΝΗ ('96) STAM STUDIO SSCD7
(ト・ダクリィ・トゥ・イォアンニ)
「STAM STUDIO」レーベル初のフル・オリジナル・アルバム。現在に至る音楽スタイルを確立した作品。シンフォニックに響く生のストリングスとキーボード、独特の泣きギター、翳りのある切ないメロディーなど、これまでのキャリアの集大成的な内容で悪い作品のハズないでしょ。特にヴィオラとギターのみで奏されるボサノヴァ風のタイトル曲と、ドラマチックな「ΚΙΘΑΡΕΣ(キサレス=guitars)」が出色!ジャケットは一回変わったようですが、個人的には最初のジャケットの方がよかったなー。というわけでここではそっちのジャケをのせてます。【'04.9.22 - 新ジャケ写をアップ。カーソルをジャケ写に持っていくと変わります】
ΜΑΡΜΑΡΩΜΕΝΟΣ ΒΑΣΙΛΗΑΣ ('98) STAM STUDIO SSCD8
(マルマロメノス・ヴァシリアス)
'94の「ΑΛΕΞΑΝΔΡΟΣ」に続き、アレクサンドロス大王をテーマにしたというコンセプト・アルバム。音楽的には前作と似たような路線ですが、前作を「陰」とすればこの作品は「陽」といった感じで、全体の雰囲気は大きく違っています。コーラス隊の比重が多くなっていたり、ポリティキ・リラ(ギリシャの胡弓)の名手、ソクラティス・シノプロスが参加したり、という点も前作と一線を画している大きな要素となってるように感じます。
リリース時は通常盤とは別に3000枚限定ナンバリング入りのスペシャル盤(ジャケがEP盤くらいデカイ)もリリースされました。ちなみに私はスペシャル盤を購入、ナンバーは2390でした。ってそんな情報どーでもええですよね(笑)。
ΟΛΑ ΕΙΝΑΙ ΔΡΟΜΟΣ ('98) STAM STUDIO SSCD9
(オラ・イネ・ドロモス)
前作からほとんどインターバルなしでリリースされた。というのもこれはサントラ盤で、「ΠΕΤΡΙΝΑ ΧΡΟΝΙΑ」「Η ΦΑΝΕΛΑ ΜΕ ΤΟΝ 9」でも音楽を担当した監督の作品です。結構気に入られてるんでしょうかね(笑)。スパノダキスにしては珍しくサックスをメロディー楽器に使用しているのが新鮮。また前作でポリティキ・リラを弾いていたソクラティス・シノプロスも引き続き参加。(というか同時期のレコーディングだったのかも)ここしばらくの大作に較べると全体的に非常に穏やかで、淡々としたサウンドがとても心地よい、地味で滋味な好作品。ジャケも○。映画が見てみたくなります。
ΜΠΡΟΣΤΑ ΣΤΟΝ ΚΟΣΜΟ ('98) STAM STUDIO SSCD10
(ブロスタ・ストン・コスモ)
ベスト盤的選曲の2枚組ライヴ・アルバム。ここ数年の名曲がズラリ。古いところでは「ΞΑΦΝΙΚΟΣ ΕΡΩΤΑΣ」なんかも。ライヴ・ヴィデオに収録されていた音源もあるようです。ああ〜直にライヴみたい!!
ΧΙΛΙΑΕΝΝΙΑΚΟΣΙΑΕΝΕΝΗΝΤΑΕΝΝΕΑ('99) STAM STUDIO SSCD12
(ヒリアエンニアコシアエネニンダエンネア)
タイトルをはじめ見た時は「なんじゃこりゃー!」と思いましたが、なんのことはない、ヒリア(1000)、エンニアコシア(900)、エネニンダ(90)、エンネア(9)、つまり「1999」という数字を現していたのでした。(なのに何故か「1999」というタイトルの曲もある…)
内容的にはずばり、「7 ΠΑΡΑΚΛΗΣΕΙΣ」世紀末バージョン。雰囲気が似てる上に曲まで再演してます。久しぶりにあまり大仰でないサウンドになっていて、夜にひっそり聴くにはええ感じ。
ΧΩΡΙΣ ΛΟΓΙΑ 3 ('00) STAM STUDIO SSCD13
(ホリス・ロギア 3)
自選ベストシリーズのVol.3。サブタイトルは「ΤΩΡΑ ΕΙΜΑΙ ΕΔΟ ΚΙ'Η ΖΩΗ ΣΥΝΕΧΙΖΕΤΑΙ (トラ・イメ・エド・キ・ゾイ・シネキゼテ)」。ここに来て新録、未発表曲等、目新しい曲がなくなってしまいました。このシリーズには期待してただけにちょっと残念な一枚でした。内容はついつい聴いてしまう位いいんやけどなあ。初めて聴く人にはぴったりかと思います。
【'06.9.23追記
】未発表曲、2曲入ってました(汗)。たぶん「ΜΑΡΜΑΡΩΜΕΝΟΣ ΒΑΣΙΛΗΑΣ('98)」時のボツ曲ではないかと。
ΓΙΑ ΤΗΝ ΣΜΥΡΝΗ ('01) STAM STUDIO SSCD17
(ヤ・ティン・スミルニ)
またまたコンセプト・アルバム。「スミルニの為に」というタイトルからテーマは1922年のトルコとの住民交換かなー、と思うんですけど、なにぶんギリシャ語はわからんのでブックレットに書いてある内容がようわからんのです。その内辞書引き引き調べてみたいとは思ってます。さてさて内容ですが、よくも悪くも相変わらず、といった感じ。ディレイを効かせたピアノで始まりとってもスパノダキスなギターが唸る6曲目や、ヴァイオリンとピアノを中心にしたなんとも悲し気な8曲目、チェロが泣かせる11曲目(かなり名曲)など、水準以上にええ曲はあるし、アレンジも素晴らしいけど、他の作品との区別がつかんというか…コンセプトがもうちょっと理解できればまた感じ方も変わるかも知れませんけども。ちなみにこのアルバムも1500枚限定ナンバリング入りのスペシャル盤が出てました。勿論私はこっちを購入。ナンバーは1470でした。(せやからどーでもいいって。)
ΚΑΙ ΤΟ ΞΕΡΕΣ ('02) STAM STUDIO SSCD18
(ケ・ト・クセレス)
自選ベスト「ΧΩΡΙΣ ΛΟΓΙΑ」シリーズとは別の2枚組ベスト。(ややこしい…)何故か「ΧΩΡΙΣ ΛΟΓΙΑ」シリーズからも選曲されている(笑)。私は基本的にはベスト盤というのは全く食指が動かないのですが、(ベスト盤買うくらいならその曲収録されてるアルバム全部買う!他人の選曲は納得できへんので)スパノダキスに関しては「自選」ということ、あと未発表曲、新録音が収録されたりということがあるので買っています。(同じ理由でザッパのベストも買った。それぐらいかなあベスト買ったのって。)ですがこのベスト盤は「ΑΛΕΞΑΝΔΡΟΣ」以降を総括したような内容で、特に未目新しい曲あるわけではないので、ちょっと残念。でした。とかなんとかいいながらも結構聴いてたりするんだなこれが。(単純にいい曲揃ってますからね〜) おみやげやプレゼントにはいいんじゃないでしょうか。でも2枚組やからなあ(笑)。
ΚΟΜΜΑΤΙ ΑΠ'ΤΗΝ ΨΥΧΗ ΜΟΥ ('03) STAM STUDIO SSCD20
(コンマーティ・アプティン・プシヒ・ム)
久々にジャケットに本人登場(笑)。ブズーキなんて持ってます。ということでここしばらくの大作指向からの方向転換か?と思わせましたが、やっぱ同じような路線でした(笑)。ただ特徴としてはかなりギターを使ってます。特にバッキングではほぼ全曲使用してるし、ラストのタイトル曲なんてソロ・ギター。もしかしたらコンセプトは自らのギタリストとしてのアイデンティティ、みたいなもんなんでしようか。タイトルも「わが魂の一編」みたいな意味ですし。ブックレットにはいろいろ書いてあるんですが、ギリシャ語なんでわからへんのです(泣)。4曲目がアルバムのメイン・タイトルというか中心的な曲のようで、ラストのソロ・ギター曲もこの曲の変奏。スパノダキス曲の中でもかなりいい曲やと思います。裏ジャケットのアテネ(かな?)の夕暮れの写真がなんかいい。
ΚΙΝΗΜΑΤΟΓΡΑΦΙΚΑ 1 ('04) STAM STUDIO SSCD21
(キニマトグラフィカ 1)
1974〜1998年に手掛けた映画音楽のコンピレーション。「1」ということは続編もあるんかな?コンピとはいいながら未発表(未CD化)曲も何曲かあるので結局ファンははずせないという困ったアルバム(笑)。Track3なんてかの名作「ΚΥΡΙΕ ΤΩΝ ΔΥΝΑΜΕΩΝ」の元ネタ!!ギターとフルートだけの演奏ということやけども、どうもフルートがメロトロンのような気がする…。Track10も「ΕΠΑΦΗ」や「ΧΩΡΙΣ ΛΟΓΙΑ 2」に収録の名曲「ΜΕΡΕΣ(メレス)」の別バージョン。(クラリネットのヴァシリス・サレアスがメインのメロディーを吹いてます)ちょっとバロック音楽風のTrack7もよいです。
今回ドルビーサラウンド仕様に全曲リミックスされたということですがウチはそんな恩恵にあずかれません(泣)。普通のステレオで聴くとなんかちょっとヌケの悪い音に聴こえる気がしますがそんなもんなんでしょうかね?
ブックレットに詳細解説書いてるんですが詳細過ぎて訳すのがメンドイ(笑)。まあそのうち気が向けば。
ΔΥΟ ΒΡΑΔΙΕΣ ΣΤΟ ΗΡΩΔΕΙΟ('04) STAM STUDIO SSDVD22
(ディオ・ブラディエス・スト・イローディオ)
初のDVD作品。(映像作品としては'96年のライヴ・ビデオに続き2作目)2003年の夏にヘロド・アティコス音楽堂(パルテノン神殿のそばにある)で行われた2夜のコンサートを収録。小編成弦楽+合唱団+コントラバス+キーボード+パーカッションx3という編成で、スパノダキス自身はギター、ブズーキ、キーボードを使い分けてます。正直選曲がちょっとかたよってるというか前作のライヴビデオとそう変化がないように感じてちょっと物足りんかったです。(実際はビデオ作品ではやってない曲が半数以上あるんですが…ちなみに場所も同じです)特に現在のスタイルを確立したといえる「ΤΟ ΔΑΚΡΥ ΤΟΥ ΙΩΑΝΝΗ」から1曲も選曲されてないのはどーも納得いかんです。(出来がイマイチでカットされただけなんかも知れんけど)まあ単純に私が聴きたかった曲が少なかった、ちゅうワガママなんですが(爆)
演奏はまあ可もなく不可もなくといった感じ。ちょっとあっさりしすぎかな。まあ前作ではヴァシリス・サレアス(cl)やレフテリス・ゼルヴァス(vln)という個性的なプレイヤーが参加していたのでそう感じたんかも知れません。今回もヴァイオリン、チェロのソリストはいるもののあまりインパクトはなかったし。あ、あとスパノダキスにももっとエレキギターとブズーキ弾いて欲しかったなあ。(どっちもほんのちょっとやもんなあ)
とまあちょっと否定的な内容になっちゃいましたが、それでもやっぱり曲はいいですからね。見ごたえは充分あります。なんだこのとってつけたようなフォロー(爆)。
ΝΥΦΕΣ('04) STAM STUDIO SSCD23
(ニフェス)
マーティン・スコセッシがエグゼブティブ・プロデューサーとしてクレジットされたギリシャ映画のサントラ盤。物語の舞台は1922年、アメリカに花嫁として売られていく(?)女性がその船上でアメリカ人写真家と恋に堕ちる、みたいな話らしい。(オフィシャルサイトはこちら。但しギリシャ語オンリー…)予告編見たら結構おもしろそう。でも日本公開はないやろなあ…。
音の方はちょっとウードやサントゥーリ等の民族楽器を多用してたり、大仰さがなくなっていて通常の作品とはちょっと異質さを感じます。曲調の方も、いかにもスパノダキス的な「ΝΥΦΕΣ」「ΤΑ ΤΡΑΓΟΥΔΙ ΤΗΣ ΧΑΡΩΣ」もあれば「Ο ΧΟΡΟΣ ΤΟΥ ΓΑΜΟΥ」「Ο ΧΟΡΟΣ ΤΟΥ ΚΑΠΕΤΑΝΙΟΥ」なんて島唄風(これはほんまに珍しい)、エスニックなワルツの「ΒΑΛΣ ΓΙΑ ΤΗΝ Α'ΘΕΣΗ」、後半ドラマチックに盛り上がるヴォーカル・ナンバー「ΚΛΕΜΜΕΝΑ ΦΙΛΙΑ」('86年のアルヴァニタキとの「ΚΟΝΤΡΑΜΠΑΝΤΟ」を思い出させる曲調)などなど結構バラエティにとんでいて、かなりいいです。ちなみに2001年作「ΓΙΑ ΤΗΝ ΣΜΥΡΝΗ」から2曲収録(別テイク)されてます。
ΠΑΠΙ ΤΑΜ('05) STAM STUDIO SSCD24
(パピ・タム)
なんやらようわからんうち(笑)にリリースされていた5曲入ミニ・アルバム。スケッチブック風な装幀のブックレットの各ページのかわいらしいイラストやらTrack5のタイトルから想像出来るように、どうやら子供向けにリリースされたもんみたい。
Track 1「ΠΑΠΙ ΤΑΜ」とTrack 2「ΚΑΛΗΜΕΡΑ ΤΙ ΚΑΝΕΙΣ(カリメラ・ティ・カニス)」は'05年6月のイロド・アティコス音楽堂でのライヴ・レコーディング。少年少女合唱団(?)がフィーチャーされてます。Track 3,4は'03年のアルバム「ΚΟΜΜΑΤΙ ΑΠ'ΤΗΝ ΨΥΧΗ ΜΟΥ」からのテイク。Track5「ΜΑΖΙ ΓΙΑ ΤΟ ΠΑΙΔΙ(マジ・ヤ・ト・ペディ)」もライヴ・テイクのようです。
「ΠΑΠΙ ΤΑΜ」は新曲みたいやけど「ΚΟΜΜΑΤΙ ΑΠ'ΤΗΝ ΨΥΧΗ ΜΟΥ」の2曲目「ΠΟΙΟΣ ΜΟΥ ΜΙΛΑΕΙ(ピオス・ム・ミライ)」のリサイクル(笑)のようです。エンディングなんてほとんど同じ(爆)。でもパンパピタンパピタンちゅう歌詞がかわいらしくて確かに子供受けしそう。
「ΚΑΛΗΜΕΡΑ ΤΙ ΚΑΝΕΙΣ」は'92年のヤニス・パリオスとの「ΕΠΑΦΗ」から。アレンジもあまり原曲と変わってないエレ・ポップ風なのが微笑ましい。(本音をいうともうちょっと斬新なアレンジで聴きたかった…)
ラストの「ΜΑΖΙ ΓΙΑ ΤΟ ΠΑΙΔΙ」はオルゴール風の演奏をバックに子供がナレーション、という曲ですが曲自体は'87年にこれまた子供の村の為に書かれた「Τ'ΑΘΑΝΑΤΟ ΝΕΡΟ(タサナト・ネロ=不死の水の意)」。(アルバムでは'92年の「ΠΟΥ ΠΑΣ ΟΤΑΝ ΚΟΙΜΑΣΑΙ 」、'95年の「ΧΩΡΙΣ ΛΟΓΙΑ 2」に収録)
てなわけで純粋な「新作」とはいえんのが残念…。まあ子供が出来るようなことでもあったら胎教には使いたいと思います(笑)。