サヴィナ・ヤナトゥ
ΑΒΙΝΑ ΓΙΑΝΝΑΤΟΥ)

オフィシャルサイトURL: http://www.savinayannatou.com/

'59アテネ生まれ。アテネ、ロンドンで音楽を学ぶ。'80に初レコーディング後、ソロ活動は勿論ギリシャ屈指の美声ヴォイス・パフォーマーとしてミハリス・グリゴリーウ、レナ・プラトノス、ディミトリス・ラギオス、ディミトリス・マランゴプロス、ニコス・ママンガキス等著名作曲家の作品に参加。サントラ関係の参加作も多数。またパーカッショニストのニコス・トゥリアトスとはインプロヴィゼーションによる実験的な作品も発表。'94にリリースしたアルバムがきっかけで古楽アンサンブル「プリマヴェーラ・エン・サロニコ」を結成し、世界各地をツアー。'02にはノルウェーの個性的ジャズ・レーベル「ECM」と契約。

ΕΔΩ ΛΙΛΙΠΟΥΠΟΛΗ ('80) COLUMBIA 71159
(エド・リリプポリ)
記念すべきサヴィナの初レコーディング。すでにこのアルバムでレナ・プラトノスとタッグを組んでたという。タイトルの意味は「ここは小人の国」てなとこでしょうか。そもそも子供向けのラジオ番組用の作品集らしく、どこか「みんなのうた」っぽい雰囲気はありますが、アレンジも凝り凝りで全然聴きごたえあります。(子供にはもったいない!)しかも指揮がなんとマノス・ハジダキス。作曲陣はプラトノスの他、ニコス・キプルゴス、ディミトリス・マランゴプロス。サヴィナのヴォーカル・スタイルは既に確立していて、2曲目で早速その美声を聴かせてくれます。オーケストラのフルート奏者にステラ・ガデディ、エレキ・ベースでヨルゴス・ファカナス(ex.ISKRA)が参加してたりする。
ΚΑΡΥΩΤΑΚΗΣ:13ΤΡΑΓΟΥΔΙΑ ('82) LYRA CD3344
(カリオタキス:13トラグーディア)
大々傑作!!レナ・プラトノスとの本格的コラボレーションの第1作。以降このタッグでのハズレは皆無です。何はともあれこのアルバムの1曲目をなんとしても聴いてみて下さい。これで感動できなければお金返します(ウソ)。プラトノスの、無駄な音を削りに削ったシンセのアレンジも最高ですが、なんといってもサヴィナのこの世のもんとは思えん儚い美声…。これぞギリシャ最高級の美でしょう。ジャケも同様に美しい。ギリシャの「静」を代表する一枚。
ΤΟ '62 ΤΟΥ ΜΑΝΟΥ ΧΑΤΖΙΔΑΚΙ ('83) LYRA CD3364
(ト・エクシンダディオ・トゥ・マノス・ハジダキス )
これまた大々傑作!!(としかいいようがない)。前作の延長線ながら、質を落とすことなく(といっても上がってる、ともいいきれんのですが)美しい世界を聴かせてくれます。今作はタイトルでもわかるようにギリシャの国民的音楽家であるマノス・ハジダキスの曲をプラトノスがアレンジしたものになってるんですが、さっすがにハジダキスの曲の素晴しいこと!!是非前作といっしょに買って下さい(店員かわしゃ)。
ΝΑΝΟΥΡΙΣΜΑΤΑ ('85) LYRA CD3396
(ナヌーリスマタ)
単独名義では初のソロ。プラトノスとの作品とは一転してアコースティックでトラディショナルな音になってます。作曲はデビュー作でも共演したニコス・キプルゴス。
ΖΕΙ Ο ΒΑΣΙΛΙΑΣ ΑΛΕΞΑΝΔΡΟΣ ('86) LYRA CD3444
(ジー・オ・ヴァシリアス・アレクサンドロス)
これも傑作やねんなー。他にいうことないんか、とかいわれそうやけど(笑)。ジャズ、トラッド、クラシック、ポップ等、自らの引き出しを全て駆使したかのような内容。とか簡単に書いてますが、当然経験さえあれば出来るってもんやないですからね。やはりケタ違いのセンスと才能を感じさせます。ギリシャ音楽の深淵さがつまった名盤。ギターもサヴィナ本人が弾いてるようですが、達者です。
ΜΑΣΚΟ ('94) CHMANTRON 1001
(マスコ)
Iskraにも在籍していたパーカッショニスト、ニコス・トゥリアトスとのフリー・インプロヴィゼーション・アルバム。ちょっとこれまでのキャリアからは想像でけへん前衛的なアルバム。実際ここではヴォーカリストというよりヴォイス・パフォーマーといった感じで美声だけではなくさまざまな「声」を披露してます。ギリシャ産だけあってフリーとはいってもどこか幻想的というか芸術性を感じてしまうんは単に思い込みでしょうか(笑)。まあひとことで表すなら「幽玄」って感じかなあ。
ΑΝΟΙΞΗ ΣΤΗ ΣΑΛΟΝΙΚΗ ('94) LYRA CD4765
(アニクシ・スティ・サロニキ)
現在活動のメインにおいているバンド「Primavera en Saroniko(本アルバムタイトルのスペイン語訳)」の契機となったアルバム。中世時代のセファルディー(スペイン系ユダヤ人)の曲集で、当然全てスペイン語。かなりアレンジ等も古楽テイストが強く、新境地ともいえる作品。希西英3ケ国語のブックレット付属。しかしどの言語もわしゃわからん(泣)。
ΑΝΑΠΝΟΕΣ ('97) LYRA CD4887
(アナプノエス)
14年ぶりのレナ・プラトノスとのタッグ。まあ期待はハズしません。やっぱし傑作。以前の作品では使用していなかった生楽器を使用してるのが感触としては大きな違い。特に2,7曲目あたりのガットギターが効果的。音楽の感触は以前のタッグ作よりは少し前衛寄りな気が。国内盤も「ブリージングス〜甘いため息」というタイトルでリリースされてました(今でもあるんかな?)。
ΤΡΑΓΟΥΔΙΑ ΤΗΣ ΜΕΣΟΓΕΙΟΥ ('98) LYRA CD4900
(トラグーディア・ティス・メソギーウ)
バンドとなった「Primavera en Saroniko」による地中海の音楽集。ギリシャは勿論、アルバニア、イタリア、サルディニア、イスラエル、トルコ、レバノン、スペイン、フランス、コルシカetc…。ようこんだけ集めたもんです(笑)。ちなみに9曲目「ΤΟ ΓΙΑΣΕΜΙ」は他にアンナ・ヴィッシ、コンスタンディーナ、飯田圭織(ex.モーニング娘)等が歌ってます。サヴィナの声の力も凄いけど、アレンジのコスタス・ヴォムヴォロスの才能も恐ろしい。個人的にはラストのチュニジア〜ギリシャメドレー(というかチャンポン)がかなり気に入ってます。デュエットのアカペラやねんけどもう1人のヴォーカリスト、ラミア・ベンディウィ(チュニジア)がかなり個性的で印象に残ります。
ΠΑΝΑΓΙΕΣ ΤΟΥ ΚΟΣΜΟΥ ('99) LYRA ML4937
(パナイェス・トゥ・コスムゥ)
前作を更に発展させたかのようなアルバム。今回は「世界のマリア様」を集めてます。(更に範囲を広げ、カリブ、アルゼンチン、コンゴまで!!)サヴィナのヴォーカルも更に表現力の幅が広がり、まさに「女デメトリオ・ストラトス(笑)」の域に。反面叙情性というか儚さが後退したような気もして、気に入ってはいるんやけどちょっとハマりきれなかったアルバム。
ROSA DAS ROSAS ('00) LYRA ML0695
またちょっと方向性を代えた不思議な作品。感触的には'86年の「ΖΕΙ Ο 〜」が近いかな。「Primabera en Saroniko」はフルアコースティックでしたが、こっちはシンセサイザーで作ったベーシックな空間にヴォーカルの多重録音をかぶせる、といった手法がとられ、エフェクトも多用しているので「Primavera en Saroniko」での音とは一線を画しています。10曲目前半なんてほとんどフリーインプロヴィゼイションやし。もともと'89〜'90年に書かれたミハリス・グレゴリーウプロデュースのラジオ番組用の曲がベースになってるそうな。2曲はスペイン古楽が取り上げられてるんやけど、アレンジに「Primavera en Saroniko」のカゲはなし。私はどっちかというとこういう作品の方が好きやなあ。ええですよこれ。
ΕΔΩ ΛΙΛΙΠΟΥΠΟΛΗ ('01) LYRA CD4984
(エド・リリプポリ)
'80年のアルバムの再演ライヴ盤。曲順変更とインスト曲カットあり。残念ながらレナ・プラトノスは不参加。勿論亡くなってるハジダキスも。ヴォーカルパートはプラトノス以外はオリジナル通り。プラトノスのパートはサヴィナがカバーしてます。基本的なアレンジはほぼ変わりないようですが、バックのオーケストラは明らかに弦パートが厚くなっていてシンフォニックにはなってます。私はオリジナルの室内楽っぽさというか素朴な感じの方が好みかな。ちょっとこっちは大仰。まあ、好みの問題ですな。
TERRA NOSTRA ('01) LYRA ML5000
「Primavera en Saroniko」でのライヴアルバム。過去の3作と未収録曲で構成されてますが、スタジオ盤の曲もアレンジやソロパートが違うのでほとんど新作といっていいかも。'98年作で参加してたヴォーカリスト、ラミア・ベンディウィもかなりフィーチャーされてます。前半にちょっとしたケルト色も取り入れつつ、スタジオ盤にくらべるとやっぱりインプロヴィゼイションの比重が高く、ライヴならではのテンションの高い、かつ完璧な演奏はこのバンドの真骨頂でしょうなあ。かのジャズの名門ECMからディストリビュートされるのも納得。ちなみに10曲目の「ΣΤΟ'ΠΑ ΚΑΙ ΣΤΟ ΞΕΝΑΛΕΩ」はスウェーデン音楽界の大将、アレ・メッレルが自己のバンドでのアルバム「Bodjal」(必聴大名盤!)のラストでも取り上げてました。
【'04.9.22 - ECM盤ジャケ写をアップ。カーソルをジャケ写に持っていくと変わります】
ΠΑΩ ΝΑ ΠΩ ΣΤΟ ΣΥΝΝΕΦΟ ('02) LYRA ML1003
(パオ・ナ・ポ・スト・シンネフォ)
こういうのを待ってた人は多いハズ。ヴァイオリン、チェロ、クラリネット、ピアノという室内楽的編成によるマノス・ハジダキスカヴァー集!!いわずとも大傑作です!!選曲もいうことなし('83の作品からも4曲再演)。ハジダキスの曲の良さ、サヴィナの声の美しさ、アレンジの素晴しさ。この三拍子以外に何が必要なんですかッ!!足りへん、1枚じゃ足りへんぞっっ!!なんかあんまり解説になってへんなあ(笑)。とりあえず聴いてもらうしかないということで。