'04 富士総合火力演習
 '04年8月28日(土)に行われました「富士総合火力演習」に行って参りました。実に4年振りの総火演です。
 折からの台風接近に伴い開催を危ぶんでおりましたが、F-4EJ(改)の航空攻撃や空挺隊員の自由降下が中止となった以外、予定通り行われました。

●演習参加部隊
 富士教導団(富士教導団本部付隊 普通科教導連隊 特科教導隊
       戦車教導隊 偵察教導隊 教育支援施設隊)
 第1ヘリコプター団 第1空挺団 教育支援飛行隊
 各方面隊隷下部隊 富士学校音楽隊 航空自衛隊
●演習の規模
 人員:約2,000名 戦車・装甲車などを含む車両:およそ240両
 火砲:およそ70門 航空機:およそ20機

 今回はスタンド席ではなく、演習場に近いシート席前列に陣取りました。全体を見渡すには不便ですが、90式戦車が一斉射撃を行う度に揺れる大地や、ヘリのダウンウォッシュを間近に感じることができました。


区分 内容 主な参加装備品等
0810〜
1000
ビデオ放映・音楽演奏 陸上自衛隊広報ビデオの放送
音楽隊による演奏
前段
1020

1100

















航空攻撃 F-4EJ(改)要撃戦闘機
特科火力 203mm自走りゅう弾砲
155mmりゅう弾砲 FH-70
99式自走155mmりゅう弾砲
88式地対艦誘導弾
多連装ロケットシステム




迫撃砲 120mm迫撃砲 RT
81mm迫撃砲 L-16
誘導弾 96式多目的誘導弾システム
79式対舟艇対戦車誘導弾
87式対戦車誘導弾
64式対戦車誘導弾




対人障害 指向性散弾
普通科火力 84mm無反動砲
個人携帯対戦車弾
01式軽対戦車誘導弾
89式装甲戦闘車
96式装輪装甲車
軽装甲機動車
打機
撃 
力動
戦車火力 90式戦車
空挺自由降下 空挺隊員
1100〜1120 音楽演奏 音楽隊

■前段演習■
 「陸上戦闘力」として、陸上自衛隊の普通科、特科、機甲科、施設科、航空科の各部隊の主要装備を遠距離、中距離、近距離および装甲機動打撃力に分けて紹介しました。
 「陸上戦闘力」とは、他国が武力によって我が国を侵略しようとする直接、間接侵略から、我が国の国土および平和と独立を守るための最終的な戦闘力で、敵の状況や地形に応じて部隊を組織し、あらゆる困難な状況に対応できる優れた柔軟性や強靱性を有しています。



■特科部隊■
 主に敵の地上部隊や海上部隊に対する火力の骨幹となり、敵の上陸部隊、集結部隊、砲兵部隊などに対する火力戦闘、および味方の普通科部隊、戦車部隊の戦闘を容易にするための火力支援を行います。特科部隊は広い地域に展開し、火力を集中して敵部隊や施設などを一瞬の内に制圧することができます。

■203mm自走りゅう弾砲■
203mm自走りゅう弾砲
アメリカから導入された陸上自衛隊最大級の火砲。砲弾重量約90kg。

■155mmりゅう弾砲 FH-70■
155mmりゅう弾砲 FH-70
 陸上自衛隊の主力火砲。イギリス・ドイツ・イタリアが共同開発。本来、牽引して移動するが、補助動力装置による自走も可能。

■99式自走155mmりゅう弾砲■
99式自走155mmりゅう弾砲
 「75式自走155mmりゅう弾砲」に代わる装備として導入された最新の国産火砲。4名で操作し、自己火砲位置の評定、照準、弾薬の装填などが自動化されています。

■88式地対艦誘導弾■
88式地対艦誘導弾
 SSM(Surface-to-Ship Missile)と呼ばれる地対艦誘導弾システムの発射機。遠距離から発射されたミサイルは山などを迂回しながら海上に向かい、敵の艦船などを撃破します。

■多連装ロケットシステム■
多連装ロケットシステム
 アメリカから導入されたMLRS(Multiple Launch Rocket System)と呼ばれる多連装ロケットシステムの自走発射機。広い地域を瞬時に制圧できる。


■曳火射撃によって描かれた「富士山」■
曳火射撃「富士」
 今回の総火演で最も感動したのが
 「203mm自走りゅう弾砲」
 「155mmりゅう弾砲 FH-70」
 「99式自走155mmりゅう弾砲」
の3種20門の曳火射撃で描かれた富士山です。
 異なる火砲、異なる射距離で行いますので、複雑な射撃諸元の計算と、20門全ての火砲それぞれの弾着タイミング差を0.5秒以内に収めるという高度な統制が必要となります。
 その模様をムービーでご覧下さい。
 再生にはQuickTime Playerが必要です。
 再生時間:01'05
 サイズは320×240ピクセルで2.4MBです。
 発射音を聞くと2〜3発が確認できますが、弾着した音は1つしか聞こえません。タイミングがしっかり合っている証拠です。観客席からは驚きの声と拍手が上がりました。



■迫撃砲部隊■
 普通科連隊において、普通科部隊の戦闘行動に密接に連携した継続的な火力支援を行う部隊であり、砲弾を高い弾道で撃ち出すことにより、山や建物などの裏側に隠れている敵を制圧することができます。

■120mm迫撃砲 RT■
120mm迫撃砲 RT
 分隊長が指揮を執り、砲手、副砲手、2名の弾薬手および操縦士の6名で砲の準備から射撃までを行います。牽引式になったことにより機動性が向上し、陣地侵入後の射撃が速やかに行えるようになりました。


■対戦車部隊による誘導弾の展示■
 対戦車部隊は、対戦車火力を発揮して主に敵の戦車を撃破するための専任部隊となります。また、敵の小型船舶を撃破できる対舟艇火力を装備しています。

■96式多目的誘導弾システム■
96式多目的誘導弾システム
 奥のコンテナを積んだ車両が地上誘導装置、手前の車両が発射装置です。「96式多目的誘導弾」はミサイルの先端にあるカメラが捉えた映像を、光ファイバーを通して地上誘導装置に転送し、その画像を見ながら誘導、目標手前で一旦上昇した後、装甲の弱い天井面に命中させる最新の装備です。

■64式対戦車誘導弾■
64式対戦車誘導弾
有線により誘導します。


■普通科部隊が装備する各種火器■
 普通科部隊は各職種の戦闘機能を総合した独立的な戦闘能力を持ち、特に近接戦闘において卓越した火力と機動力を発揮し、敵を撃破あるいは地域の占領を行い、戦闘に最終の決を与える部隊です。

■84mm無反動砲■
84mm無反動砲
目的に応じて対戦車りゅう弾、りゅう弾、照明弾、発煙弾の射撃が可能。

■96式装輪装甲車/89式装甲戦闘車■
96式装輪装甲車/89式装甲戦闘車
 「96式装輪装甲車」は機動性および装甲防御力に優れ、10名の隊員を乗車させることができ、12.7mm重機関銃または40mmてき弾を搭載することができます。「軽装甲機動車」と同様にイラク復興支援活動における主要装備になっています。
 「89式装甲戦闘車」は悪路でも機動可能で、35mm機関砲による強力な火力で敵装甲車等を撃破します。


■軽装甲機動車/01式軽対戦車誘導弾■
軽装甲機動車/01式軽対戦車誘導弾
 「軽装甲機動車」は機動性に優れた小型の装甲車です。その高い機動性は、現在、イラク復興支援活動が行われている砂漠地帯においても十分に発揮されています。
 「01式軽対戦車誘導弾」は射距離に応じて、低伸弾道モードおよびダイブモードの2種類を選択でき、常に高い命中精度と破壊力を得ることができます。また、撃ち放し式と言って、発射されたミサイルが自動的に目標を追尾して命中するため、発射後、ただちにその場から移動することが可能です。
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