さて今日おこなった心エコー。時間は30分程度とけっこう拘束されるんだけど検査自体は痛くもかゆくもない。カテーテルやシンチ、造影剤を使ったものなどに較べ、心臓関係の検査の中では、だんぜんラクな部類に入るので、こちらもリラックスして検査室にイン。
検査室は入り口に荷物が置けるようになった二段の脱衣カゴ、右側にはモニタの載ったデスク、そして一番奥に検査ベッドが置いてある。
女性の先生(技師っていうのかな)にうながされ、上半身だけ脱いでベッドに寝る。
「左側を下に向けてください」
との声に体を傾けると、腰のあたりにマクラのようなものをかわれた。
そして、心電図を調べるときと同じようなパッドを何ヵ所かにつけれらたのち、ジェルを塗られていよいよエコー検査の始まり。
胸の真正面から始まり、左側、そしてお腹のあたりへと読み取り機が移動してデータを集めていく。横を向いてデスクの上に置かれたモニタを見ると、収縮する臓器らしきものが見えるのだが、それが正常なのかどうかは分からない。
そのうちに目がトロンとしてくる。検査自体はラクなのだが、ラク過ぎて眠くなってくる。そういえば以前は、
「息をしばらく止めてください」
みたいな作業があったような気がしたのだが、今回はない。だから、さらに眠くなってくる。
ところが、ここで「しかしなぁ…」なんてことを思い出すから小心者は困ったものだ。不安が顔を出しはじめた。
検査は30分ぐらいかかると言われていたし、これまでの検査もそのくらいだったのだが、どうも今日に限って時間がかかっているような気がしてならない。そんなことを思い始めるともうダメだ。
右の肋骨の下あたりをグリグリしたり、ヘソの方まで何度も見たり、さらにはノドの近辺も調べている。
「あれれ? こんなところ、前の検査で調べたっけ?」
あうあう…。ひょっとして、何か変なものがうつったので、入念に調べているんじゃないのか? こういう場面ですぐにネガティブなことを考えてしまうのが、ミスター小心者たるゆえんだ。
しかも、一度電気が点き、終わりそうな雰囲気になったのに、再び部屋が暗くなり、再度お腹のあたりをグリグリし始めたものだからいけない。これはなんかある。あるのではないか? 怖いがおそるおそる聞いてみる。
「あのう、それは何を調べてるんですか」
「あっ、いえ、ちょっと調べ忘れたところがあったんで…」
ホ、ホントなのか? ホントにそれだけ? 今度は思い切ってストレートに聞いてみる。
「何か悪いものでも映っているとか?」
「結果は先生に聞いて下さいね」
あうあう…。ぜったいに、お茶を濁してる。そうじゃないの?
半分涙目になりながら検査を終え、しばらく廊下のソファで待ったのち、今度は診察室へ。
「ど、どうでしょうか?」
ゴクリとノドを鳴らしながら先生の言葉を待つ。
「心臓の方は別に問題ないみたいですね」
な、なんというあっけなさ。ただただ、自分の小心ぶりを露呈してしまっただけ…。それでも久しぶりの心エコーを無事に終え、ほっとしたのか、帰りには思わずスキップを踏んでしまった。小心者はお調子者でもあるのだ。
さて、次はCT検査が待っている。