入院1日目 前編 七夕なのに


朝早く起き、兄の運転する車に母と乗り、ホテルから病院へと向かう。検査のため朝食が食べられず残念。おいしいトーストでも食べたかったな。15分ほどの道のりを淡々と進む車。少し勾配のある道へと入ると、やがて丘(とういより昔は小さな山だったのか)の上に病院の建物が見えてきた。
思わず、ふーっとため息をつく。まだ時間が早いので時間外の出入り口から中に入り、病棟のある8階へと向かうエレベーターに乗る。この時は、まさかここで3ヵ月も過ごすことになろうとは思ってもいなかった。

エレベーターを降りて進むと、ナースセンターが見えてきた。ちょうど外来で入った時に説明を受けた看護婦(そう呼んでいたので今後、このBlogでは看護婦という名称を使う)さんがいたので声をかけた。
「あのー、今日入院することになっているmojoですけど」
「あっ、mojoさん、じゃあ病室を案内するから」

そう言われて連れていかれたのは、なんと6人部屋。正月に倒れて入った病院が、かなりキレイな4人部屋だったので、少し薄汚れたキュウクツそうな部屋を見て、ちょっぴり不安になった。

しかし、不安になっている時間がなかった。入院を伸ばしてもらったせいで、今日検査をするハメになったのだ。他の患者へのあいさつもそこそこに、まずやって来たのが若い研修医。名前をKと言う。
そしておもむろに何かを取り出した。

「mojoさん、検査をしてから6時間は動けないので、オシッコの管を入れさせて下さいね」
 えっ、何? オシッコの管? 聞いてないよぉ。

そんな心の叫びが届かないのか、研修医Kはmojoの下半身をむき出しにし、管の先にゼリーみたいなものをつけている。まさか、その太いのを入れるわけ? 麻酔みたいなものはナシ?
「はい、ちょっと痛いですよ〜」
 管がぐぐっと入ってくる。
「はぁ、うっ…」
 思わず妙な声が出る。この感覚は何だ。初めての感覚。イヤ〜な感じ。
「もうちょっとだから。今、一番細いところを通ってるから」
「あうっ…」
「はい、通りました!」
 明るい顔をしてそう言う研修医K。
「はうっ、なんかオシッコが漏れそうなんですけど」
「大丈夫ですよ〜。漏れそうかも知れませんけど、もう出てますから」
 そう言って研修医Kが指さしたのは、mojoのオシッコ管がつながっている袋。確かに管からオシッコが出ている。

でも、なんか漏れそうなんだよ!

ずっと続く残尿感のようなものと、尿道の痛みに耐えるmojoを置いて、研修医Kは立ち去った。そして代わりにやってきたのが看護婦N。見た目から想像するにベテランっぽい。
「じゃあ、ちょっと剃らせてもらいますね」
 看護婦Nの手には電気バリカン。人生初の剃毛体験である。なんとなくカミソリで剃られることを想像していたので、電気の力によってあっけなく少年のような下腹部になっていくのが妙な感じだった。

Posted at:2003年07月07日 (Mon)at 09:20 午前