入院52日目 10数秒の距離


 少しずつ何かやるたびに息が切れる。ベッドの上がり下がりも時間がかかる。上るのに10分ぐらいかかってしまう。お尻を使ってヨチヨチ上る。つらいの〜。

 まずトイレが遠い。この部屋はトイレからかなり遠い。mojoの速度で歩くとトイレまで5分もかかってしまう。まあ、健康体なら10数秒もあれば到達出来る距離なんだけど、ヨチヨチ歩きの身では5分かかるのだ。しかも歩くたびに傷が痛む。

 そしてトイレでは例によって機械にオシッコを入れるために尿器を使って排尿する。これもツライ。さらに病室に戻ってから、ベッドに上がるのだが、ここからがひと苦労だ。

 普通にベッドにひざをついて…という上り方は出来ないので、まずは後ろ向きになってベッドにお尻をチョコンと乗せる。次に気合いを入れてそのお尻を後ろにずらす。数回その“ずらし”を繰り返したところで、ベッドサイドに足を垂らして座っている状態になる。

 さて次は足を上げるのだが、これも普通には出来ない。まずパジャマの左足のスソを手で握りしめ、ぐいっと引っぱり上げる。右足も同じ。折り畳んだ足はちょうどあぐらをかいたような感じにクロスさせておく。

 ベッド上でも進むのはバックだ。この足をクロスさせておくのがミソで、そのままエッチラオッチラお尻をゆさゆさと左右に振りながらバックしていくのだ。なぜだか普通に下がろうとすると痛くてダメなのに、この方法だとゆっくりではあるが上手く進む。

 こうしてベッドの半分より上のあたりにたどり着けば、少し安心。ベッドを90度近くまで起こし、母か母がいない時は看護婦さんを呼んでベッドにもたれさせてもらう。枕を頭にかってもらえばこれでOK。あとはベッドをリモコンで下げていけばいいのだ。

 しかし傷がつっぱって痛いので、平らにはしないで少し頭を上げておく。ふー、これだけでもう汗だくである。息も荒くなる。ふぅ…ふぅ…。

Posted at:2003年08月27日 (Wed)at 03:10 午後