入院55日目 研修医
ベッドで寝ていたら、研修医のK
先生がやって来た。何か変だなと思ったら、いつもの白衣ではなくてなんと私服。目をパチクリさせていると、
「今日は休みなんですけど、ちょっと挨拶に来ました」
と言う。 なんだ、なんだ?
「実は僕、他の病院へ修業に行くことになったんですよ。まあ前から決まっていたことなんですけどね」
「えー、そうなの?」
「それで3ヵ月は行くことになるので、戻ってきたらmojoさんはもう退院していないでしょうから、挨拶だけでもしておこうと思って…」
と言った。
思えば入院初日にいきなり尿道カテーテルをやられてからの付き合いだもんなぁ。チームで治療にあたるので先生は5人ほどいるが、日々の点滴から採血から、とにかく一番接するのが研修医なのだ。だから明日からいなくなると言われて、なんとなく驚いてしまった。
「先生もたまには休んでよね。でないと俺みたいに病気になっちゃうよ」
と言った。朝早くから夜中まで、いつ寝てるんだろうと心配になるほど、ずっと病棟にいた彼。研修医って大変なんだなぁと、入院して初めて分かった。
「退院までいられないのは残念ですけど、mojoさんはもう安心ですから」
そう言いながら差し出してきた手を握り返した。
「うん、ありがとう。世話になったね」
病室から出ていく彼の後ろ姿を目で追いながら心の中で声をかけた。
頑張れよ…。
Posted at:2003年08月30日 (Sat)at
09:30 午前