家族の心遣いはうれしかったが、本当は実家でゆっくりと過ごしたかった。1ヵ月も帰ってこられないのだから、慣れている家でのんびりしたかったのだ。
ホテルにチェックインする。個室だった。mojoがゆっくり眠れるようにとの配慮だったのだろう。やがて兄から電話が入り、食事に行こうという。明日からは好きなものも食べられないだろうし、今日は腹いっぱい食べてしまおう。
少し歩いて、ホテルからほど近い蕎麦屋に入ることにした。こういう店の騒々しささえ、なぜか体に染み入る。あまりしゃべらず、母と兄と3人で蕎麦を食べた。
そしてホテルへ。少ししてから風呂に入る。小さなバスタブに浸かりながら、病院では風呂に入れるのだろうかと想像する。銭湯みたいに大きな浴槽があるのかな。手術をしたら、しばらく入れないだろうな。そんなことを思いながら、体を洗って行く。胸のところをタオルでぬぐい、どんな傷跡になるのかなと思った。
風呂から出て部屋の窓から街の様子を眺めた。少々しんみりとした気分になった。