江本は「ベンチがアホやから野球がでけへん」と言った。mojoの場合は「本が作られへん」だ。まあ、どんな世界でも舵取りがダメだと船は迷走する。やがて難破だ。
そんな船からはさっさと降りるのがいいに決まっているんだが、身動きがとれないことだってある。もっと早く脱出するはずだったのに、地上に降り立つのに10数年もかかってしまった。
「そんなのパッと辞めちゃえばよかったじゃん。フリーだろ?」
22歳の自分なら、おそらくこう言ってちょっと非難したかも知れない。しかし、それから四半世紀も経つと、いろいろと背負うものが出てくるもので、フリーといえども自分が辞めることで周囲に影響を与えてしまうことを知った。
それがいいことなのか、どうか分からないけれど、まあいろいろとあって脱出が遅れてしまった。
しかし、ベンチは相変わらずアホで、いや、出会った頃よりもアホに拍車がかかり、もはや手がつけられない状態に。
ここに至り、mojoが護るべき人たちも櫛の歯が欠けるがごとくポロポロとグラウンドから立ち去り、その必要がなくなった。
本当は年末ぐらいで抜けることを考えていたのだが、アホなベンチが勇み足で妙な行動を起こしたものだから、この2週間ほどで急展開を迎えることになった。
そして先日、130回を超える連載ものの最後の原稿をおさめ、ついにロッカールームから荷物を持ち帰る時が来た。今日か、明日あたり、その原稿の文字校正を済ませれば、試合終了である。
ところでこの試合、勝ったのか負けたのか。いや、だいたい誰と戦っていたのか?
ベンチもアホだったけど、選手もアホだったので、もう10年もしないと答えが見つかりそうもない。