花屋さんの焼き芋


 うちの近所に小さな花屋さんがある。去年の12月に1週間ほど改装していたかと思ったら、突然店頭で焼き芋を売り始めた。

3坪ぐらいしかない、本当に小さな花屋さんだったので、焼き芋を焼く機械が店先に設置されると、さらに店は狭くなり、花は隅の方へと追いやられてしまった。

ここは花屋さんが入る前は立ち食い蕎麦屋があり、その前は確か不動産屋さんだった。そのまた前に何があったかは忘れてしまったのだが、通りには面しているものの立地条件がよくないのか、どうも商売が長続きしないようだ。

現在の花屋さんが入った時も「この場所でやっていけるのかなぁ?」と心配していて、先日改装工事が始まった時には「ついにやめちゃったのか…」と思い込んでしまった。

しかし、お店は“焼き芋も売る花屋さん”としてみごと復活。そして、ちょっと前まで店の前を通ると、季節の花の香りがして密かな楽しみであったのが、近頃ではプーンと香ばしい焼き芋の匂いに変わった。

その匂いを嗅ぎながら「むむっ!」と思いながらも店内を横目で覗くと、30代後半と思われる女性店主が、軍手をはめて慣れない手つきで芋をひっくり返していた。

そんなこんなで年が明け数週間、mojoの中で"香ばしい花屋さん"として認知され始めた頃、近所でも同じ意識革命が起きたようで、時には数人待ちのプチ行列ができるほどになった。

「次の焼き上がりは午後4時半デス!」

などと書かれたポップまで登場して、人気も急上昇? 大当たりとまではいかないものの、焼き芋作戦は的中したようなのだ。

しかし、額に汗を浮かべながら客の対応に夢中になっている店主の顔を見ると、いろんな思いが頭の中に下りてきて、なんだかフクザツな気分になってしまうmojoである。


Posted at:2008年01月20日 (Sun)at 07:28 午前