他の画像もいくつかアップされているので、けっこう有名な人なのかな。路上に寝かされたギター。ヘッドの近くには辞書か何か、厚めの本が数冊積まれ、ネックが動かないように工夫されている。
なぜこんなことをするのか。彼には両手がないからである。右足で弦を押さえ、左足でピッキングしている。ジャラーンという複音だけじゃなく、しっかりと単音も出ている。
歌もギターも、ものすごく上手いというわけじゃないけれど、リズムというか音の波は十分過ぎるぐらい伝わってくる。映像がなく、音だけで聞いても、音楽をやっている“楽しさ”はきっと体で感じるだろう。上半身を揺らして、彼は歌う。楽しそうに歌う。
ジェフ・ヒーリーを思い出した。カナダ生まれの盲目のギタリスト。初めて見た映像は彼がひざの上にギターを寝かせ、まるでピアノを弾くかのような指使いでフレットの間を踊りまくるものだった。
独特の弾む音とうねり方にビックリしたものだ。
なんだかね、仕事が煮詰まっていたり、ちょうど今日はジョン・レノンの命日だったり、いろいろあるわけだけれど、「何やってんだよ、ギターを弾いて歌えばいいじゃん!」と彼が言っているような気がして、仕事机の後ろにあるギターを横目で見る。
1時間だけ仕事をサボって…とピックを持った。