うちのマンションのゴミ置き場は歩道に面していて、一応ドアがついているものの、カギはかけてないので誰でも入ることが出来る。天井はなく、言わば囲いだけがあるという作り。
そんなゴミ置き場へ仕事の息抜きと称し(サボリとも言う)、夜中にもときどき捨てに行くのだけれど、昨日は面食らった。ドアを開けてゴミを捨てようとしたら、先客がいたのだ。いや、同じマンションの住民と鉢合わせになることだってたまにはある。
だけどその怪しい影は、どうも様子が違っていた。影は背広を着ていた。しかも手にはゴミ袋も何も持っていない。何よりもおかしいのは、何をするでもなくゴミ置き場の一番奥の隅で、あちらを向いて立っていたこと。
あ、怪しい。怪し過ぎるっ! アルミの空き缶を狙った泥棒(実はこれにも以前遭遇している)か?
ゴミ袋を握りしめたまま、声をかける。
男が顔だけこちらに向けた。酔っ払いのようだ。60歳にはいかない50代ってところ。
「ここ、住民じゃない人は入っちゃダメですよ」
「いや、だけど止まらなくて…」
そのとき初めて気づいた。男の股間から何かが出ている。
ダジダジダジ…。
ぐはっ、オシッコかよ。
その様子と男の情けない顔を見ていたら、なんとなく可笑しくなってしまい、ゴミ袋を所定の場所に置いたあと、
そのおっちゃんが、ちゃんと掃除をしたかどうかは分からない。でもオシッコしながらmojoに真面目に答えちゃったぐらいの人なので、ひょっとしたら素直に掃除していったかもしれない。
そういえば1年ぐらい前には、「しゃがんでする女」にも遭遇していたのを思い出した。
いや、こちらはオシッコではなく、ゲロってたんですけどね。まだ若いその女性は、mojoがゴミ置き場に入っていくと、驚いて振り返りソッコーで道路に走り出した。
「ええっ?」と驚いて目で追うと、まだ吐ききっていなかったらしく、次の電信柱までたどり着くと、そこでまたリバースしていた。
こんな風に、うちのゴミ置き場は地域住民にとても愛されているのである。