立ってする男、しゃがんでする女


 夜中の2時頃、ゴミを捨てに行ったときのこと。ゴミ置き場に入っていくと、何やら怪しい影が…。

うちのマンションのゴミ置き場は歩道に面していて、一応ドアがついているものの、カギはかけてないので誰でも入ることが出来る。天井はなく、言わば囲いだけがあるという作り。

そんなゴミ置き場へ仕事の息抜きと称し(サボリとも言う)、夜中にもときどき捨てに行くのだけれど、昨日は面食らった。ドアを開けてゴミを捨てようとしたら、先客がいたのだ。いや、同じマンションの住民と鉢合わせになることだってたまにはある。

だけどその怪しい影は、どうも様子が違っていた。影は背広を着ていた。しかも手にはゴミ袋も何も持っていない。何よりもおかしいのは、何をするでもなくゴミ置き場の一番奥の隅で、あちらを向いて立っていたこと。

あ、怪しい。怪し過ぎるっ! アルミの空き缶を狙った泥棒(実はこれにも以前遭遇している)か?

ゴミ袋を握りしめたまま、声をかける。

「ちょっと、何やってんスか?」
mojoの声に男は向こうを向いたままビクッと震えた。
「あっ、いや、その…」

男が顔だけこちらに向けた。酔っ払いのようだ。60歳にはいかない50代ってところ。
「ここ、住民じゃない人は入っちゃダメですよ」
「いや、だけど止まらなくて…」

そのとき初めて気づいた。男の股間から何かが出ている。
ダジダジダジ…。

ぐはっ、オシッコかよ。

「ダメだよぉ、こんなとこでしちゃ」
「はい、すみません。ガマン出来なくて」
そう言いながらも、男のダジダジは止まらない。

その様子と男の情けない顔を見ていたら、なんとなく可笑しくなってしまい、ゴミ袋を所定の場所に置いたあと、

「そこに水道があるから、キレイにしてから帰りなよ」
と言って、その場をあとにした。

そのおっちゃんが、ちゃんと掃除をしたかどうかは分からない。でもオシッコしながらmojoに真面目に答えちゃったぐらいの人なので、ひょっとしたら素直に掃除していったかもしれない。

そういえば1年ぐらい前には、「しゃがんでする女」にも遭遇していたのを思い出した。

いや、こちらはオシッコではなく、ゲロってたんですけどね。まだ若いその女性は、mojoがゴミ置き場に入っていくと、驚いて振り返りソッコーで道路に走り出した。

「ええっ?」と驚いて目で追うと、まだ吐ききっていなかったらしく、次の電信柱までたどり着くと、そこでまたリバースしていた。

こんな風に、うちのゴミ置き場は地域住民にとても愛されているのである。


Posted at:2006年06月04日 (Sun)at 04:04 午後