2. MAXpowr220/110の可能性を探る(1)
Over300MHzへの道
第2回のコラムは掲示板の流れから「MAXpowr220/110の可能性を探る(1)」と題して書きたいと思います。
私(Moby)の原則として、Moby's Macintosh RoomのStrengthen Macintoshで紹介する改造は、私自身が行ったことのみを記載するつもりです。今回はコラムということで、まだ私自身が確認したものではありませんが、NiftyやWeb等より私が集めた情報を私なりにまとめたものを記したいと思います。
これらの情報は先人達の多大な時間と労力と知力を必要する努力のたまものです。これらの情報があるおかげで、私の様に電子関連の知識がないものでも改造に手がだせるのです。情報を公開して下さっている皆さんに感謝すると共に、これらの情報を元にした改造で得られた情報は是非公開する様にしましょう。
なお、私の知識が至らぬために間違ったことを書いてしまう可能性があります。間違い等ありましたら是非御指摘下さい。
当然ですが、本コラム参考にした改造においてトラブルが生じた場合でも、当方は一切責任を持ちません。あくまでも、自己責任でお願いします。
ClockUpを考える場合、大きく分けて2種類のアプローチがあります。
一つは、基準Clockを生成している水晶発振子をより高いClockのものと交換する手法があります。
MAXpowr220の発振子は14.3MHz(未確認)だと思うのですが、これを例えば18MHzの発振子に交換すればその周波数比に従ってClockUpされます。すなわち18/14.3=1.26で26%のClockUpになるはずです。
MAXpowr220/110の初期状態ではBus44MHz CPU220MHZ(x5倍)ですので、上記改造でBus55.4MHz
CPU277MHz程度に、抵抗付加状態では最大で(DIPスイッチ2,3on)Bus57.7MHz CPU346MHz程度になると考えられます。ただし、これは理論上の話で正常に動作するかは別の話しです。
MAXpowrでは発振子は4pinの物が使用されているようですが、交換するものは2pinのものでもかまわない様で、その場合はClock
generator(ICS9161A)のpin6/7に接続(出力側pin6)とのことです。
Bus50MHz以上で本当に動作するのか?と思いますが意外に動作する様です。私自身は、あまりBusClockを上げたくない(CPUカードは交換品と考えるけどマザーに負担をかけるのはちょっとネ)と考えているので、この手法ちょっと・・・といったところです。
もう一つの手法が、BusClockに対するCPU動作Clock倍率を変更する手法で、私の本命です(なんのこっちゃ)
G3(MPC750Microprocessor)はPLL ConfigurationによりBusClockのx3倍からx8倍までCPUclockを変化させることができます。
具体的には、MPC750にはPLL_CFG設定用に入力が4pin設けられておりこれらに以下の入力を行うことによりCPUclockが決定されます。
PLL_CFG[0-3] |
Bus-to-Core Multiplier (CPU倍率) |
1000 |
x3 |
1110 |
x3.5 |
1010 |
x4 |
0111 |
x4.5 |
1011 |
x5 |
1001 |
x5.5 |
1101 |
x6 |
0101 |
x6.5 |
0010 |
x7 |
0001 |
x7.5 |
1100 |
x8 |
0011 |
PLL off/bypass |
1111 |
PLL off |
上記4pinを基板から浮かして直接PLL_CFGを入力できるスキルの方は、これでOKです。
(MPC750のpin配置やPLL_CFGはモトローラのWebでPDFで公開されていますから参考に)
一般の方は(私も含めて)まずむりなので基板上のPLL_CFGに信号を出力している素子の方を変えることになります。
ここでMAXpowr220ですが、PLL_CFG[0-3]の入力はマイコンにより制御されているようで、そのマイコンは、DIPスイッチの設定と、基板上のトランジスター+抵抗の値を読み込んで制御されている様です
PLL_CFGに関連するトランジスター+抵抗は、基板裏のR13(NC)+R19(10K)+R44(4.7K後付け)
R12(NC)+R18(10K)+R45(NC)
R11(NC)+R17(10K)+R46(NC)
R10(NC)+R16(10K)+R47(NC)
とそれぞれに繋がっている基板表のトランジスタです。
(写真と抵抗配列は私の220/110)
上記素子群がPLL_CFGの[0-3]に関連するのは間違い無い様です。具体的には、それぞれの10番台の抵抗を付け替えることにより(例えばR19の10Kオーム抵抗をR13へ)対応するPLL_CFGの0-1が反転する様です。
ここまで判ってもまだまだ問題があります。
まず第1に上記素子群はPLL_CFGに直接信号を送っているわけではなく、あくまでもその前にあるマイコンに信号を送っているだけです。ですから、素子群とPLL_CFG間にBlackBoxが存在する訳です。こうなってくるとマイコンのプログラミング次第ですので予想できない動きをするかもしれません。またマイコンのプログラムが変更されているかもしれません。変更されていても当然アナウンスはされませんし、外部から見ても気が付くことはできません。
第2に、回路の特性上、抵抗付け替えだけでは1から0の変更はできても、0から1への変更はでき無い様です。基板表のトランジスタを取ってしまえば0から1への変更も可能との情報もありますがますます大変な改造です。
第3に、4つの素子群がPLL_CFG[0-3]の中のどれに相当するのかが、判らないということです。実際、違う組み合わせになっているカードが確認されています。
以上のことを考えると、結局自分で解を見つけるしかない訳です。(解がない可能性もあります)
方法としては、改造前のPLL_CFGを覚えておき、どれか1箇所の抵抗を入れ替えて起動し、うまく起動したらそのときのCPU駆動倍率を調べてPLL_CFG[0-3]の内どこに変化があったか、もしくはなかったかで少しずつ探っていくしかありません。
MAXpowr220/110の場合、初期5倍(1011)ですので、どこかの抵抗を入れ替えて5.5倍(1001)になった場合その素子群はPLL_CFG[2]に、4倍(1010)ならPLL_CFG[3]に相当することになります。また5倍のままであった場合その素子群はPLL_CFG[1]に相当する可能性大です(0から1へは抵抗移動では動かないはずですから)。起動しない場合(1倍?)はPLL
off(0011)でPLL_CFG[0]ということになります。
ちなみに5倍からの抵抗移動の場合設定可能な倍率(1から0のみ可として)は
3倍(1000)4倍(1010)5.5倍(1001)7倍(0010)7.5倍(0001)になります。
Bus44MHzとして、7倍で308MHz、7.5倍で330MHzとなりOver300MHz達成です。
参考までに、可能性の一番高い素子群-PLL_CFGの組み合わせを紹介しておきます。
R13/19=PLL_CFG[0]
R12/18=PLL_CFG[1]
R11/17=PLL_CFG[2]
R10/16=PLL_CFG[3]
ただし、上記の様にうまく行くとは限りません。なにせBlackBox経由ですからね。
以上、MAXpowr220/110のさらなるClockUpに関して有している情報です。
重ね重ね申しますが、上記はハンダ付けのみならずさらに困難なチップ外しを必要とする改造である上に、動作する保障もまったく無いものです。実行されるかたは、くれぐれも気を付けて自己責任で行って下さい。
なお、成功・失敗に関わらず是非結果をお知らせ下さい。経験談が最高の情報源ですから。
最後に、このコラムを書くきっかけを下さったPmanさん、貴重な情報を公開して下さっている方々に感謝いたします。
