Posted at : 月 - 5月 1, 2006 06:07 午後

 A Tour of Microsoft's Mac Lab

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Microsoft の Macintosh Business Unit 訳して Mac BU ということで日本語的にも「マック部」と呼べる Microsoft にあっては異端児的な存在です。




あちらの IT 企業らしく自由闊達な企業風土が伝わってきます。部室の入り口付近にあるのは、日本の大企業のように V 字回復をうたう売上高のグラフでもなければ、新しいボスが考えついたダサさ全開のキャッチフレーズのポスターでもありません。

Mac BU の掲げるマニフェストを表した巨大なポスターが訪れた人々を待ち受けています。


今回内部が紹介されたのは、開発の現場やマネージメント関連の部屋ではなくて、いわゆる技術系のマイクロソフトの新入社員が最初に配属されると思われるテスターの仕事場になるテストルームです。

マイクロソフトの技術者は、10,000 人がプログラム開発者だとすると 20,000 人がテストチームにいる割合になります。テストチームでプログラミング開発に必要な知識を習得するとプログラム開発チームから声がかかって引き抜かれたりしていきます。最近、問題になっているマイクロソフトのバグをついたセキュリティ騒動などからは想像できないかもしれませんが、こうしたテストチームの充実ぶりは他社も見習うべき会社の企業精神です。

日本の IT 企業の大半はテストチームと呼べるものはありません。プログラマーが片手間にテストするだけです。マイクロソフトのようないわゆるクリーンルームテスト方式などあるはずもなく、ソフトウェアのテストなどはあってないようなもので、最悪の場合はビルドしたのが、そのまま製品として出荷されるのが当たり前です。

ということで、日本には世界を代表するソフトウェア企業がありません。インドや中国より遅れていると思います。




古いモデルから新しいモデルまでアドホックに並べられています。感じとしてはテストチームの普段の作業場所も兼務しているような感じです。

下の写真で後ろの棚に載せられたマシンは、現在は既にテストケースからは外されたが、互換性のテストなど念のために保管されているオールドマックの数々です。




この写真と前後の写真に写っている3列は、アドホック・ネットワークにおける接続性の検証もかねているのか、マシンのバリエーションが豊富です。下の写真には最新の iMac も見えます。




テストチームは MacBU が開発している Microsoft Office 2004 for Mac などの製品開発の舞台裏でもあるので、このようなテープバックアップシステムを組んでいます。HDD が安くなったとは言っても、デイリーバックアップの基本はこうしたテープバックアップ装置を使うのが今でも常套手段です。

私も、若い頃は、エクサバイトのテップバックアップ装置をセンターマシンにつなげて、緊急時のロールバックに備えたものです。そのおかげで、クリスマスイブはいつもマシンルームでしこしこと確認作業なんてことになりました。多分この辺りは今も昔も変わらないのかも。




バックアップされたテープは、こうして何をいつバックアップしたのかラベルを貼って保管されます。エンタプライズ・ソリューションの一環で、こうしたラベル管理までを含めたバックアップ装置もちらほら出てきているようです。便利な時代になったもんだ。Mac BU はそこまではやっていない従来の手法です。

バックアップの基本は、デイリー差分バックアップは1週間分保管します。さらにウィークリーフルバックアップをとります。これで、1月前までの状態には1日の精度で後戻りできます。マンスリーフルバックアップは永久保存版として保管されます。それ以外に、正月とお盆前にフルバックアップを記念に取っておきます。

デイリー差分バックアップとウィークリーフルバックアップテープは1月が経過するとローテーションテープとして再利用されます。たぶんこのあたりのローテション規則はどこでも同じだと思います。




Power Mac G3 の初期の頃のモデルの一発同時テスト環境だと思います。机の上に乗っかっているモニター、キーボード、マウスを切り替えスイッチ一発で繋ぎかえるのだと思います。隣にも同じような組み合わせの環境が写っています。




こちらは、世代が少し進んだ Power Mac G4 のクイックシルバー世代の切り替え機つきテスト環境です。基本的に同じ考え方だと思います。となりにちらりと写っているのは、さらに世代が進んだ Power Mac G4 のミラードドアー世代のようです。こうして世代ごとに必要な台数を確保してテストしているようです。




こちらは、最新の Power Mac G5 世代の切り替え環境です。今最も注力しなければいけない機器という事もあり、切り替え機のモニターは 3 台に増えていて、3 人のテスターが同時に作業ができるようになっています。




こちらは、様々な異機種混在環境を想定したテスト環境のようです。Power Mac G5、Power Mac G4、Power Mac G3、Mac mini などヘテロジニアスなマシン環境です。




圧巻なのは、Mac mini を使ったシンメトリック並列処理のテスト環境でしょうか。いったい全体で何台の Mac mini が使用されているのでしょう。これだけ Mac mini を沢山並列につなげているのは珍しいです。テストルームというより、並列コンピュータを研究している大学の研究室のような感じです。




Mac mini の切り替え機は 9 台接続されているようで、1 つの切り替え機に 8 台なので、右のコンソールから合計 72 台の Mac mini を操作できるようです。




管理サーバーには Apple Remote Desktop をインストールしてあるようで、写真のようにすべての Mac mini の画面(実際にはディスプレイがないので仮想的に表示されている画面)を一括して管理する事ができます。

Apple Remote Desktop は、こうしたデータセンター向けの利用方法以外にも教育機関向けなどで活躍しているようです。




全然、関係ないですけど、72 台の Mac mini の管理画面をキューブローテションして遊んでいます。さすがに処理能力は遅いんじゃないでしょうか?




Xserver + XRAID という Apple のサーバソリューションの基本スタイルです。基本ユニット 1TB として 4TB の構成ではないでしょうか。これらのディスクがフィブレチャンネルで高速ネットワーク接続されています。

デジタル放送があたりまえになりつつある放送局にはかなり浸透しているようです。プロ向けの映像制作環境の Final Cut Studio のユーザがアメリカには 50 万人もいるそうです。何しろ膨大なビデオデータをリニア編集&ノンリニア編集する環境が求められているわけで、Apple はほとんど唯一といってもいいソリューションベンダーかもしれません。




XRAID のアップです。個人的には、このあたりのストレージエリアネッットワーク SAN の技術は今後も成長するのではないかと思います。特に高速なフィブレチャンネルと RAID 構成の大規模仮想単一ディスクという要求は、映画、映像(TV 局など)、音楽などで必要不可欠になりつつあります。




上記のラックの最上段にはマシン名に BIG MAC DADDY とついていました。




ヘテロジニアスなマシン環境の裏側。接続する線ですごいことになっています。




こちらは、Mac mini の裏側の配線ですが、やはりすごいです。




Mac mini 側の配線に裏側の Power Mac 系の配線が加わると、どうやって接続するのかこんがらがりそうな感じです。




マイクロソフトなどの西海岸系の IT 企業は基本的にジャンクフードはフリーです。こうした環境は日本のような企業では難しいかなぁ。




Mac BU 内部でさまざまな(業務以外の)活動報告をビルボードで紹介しています。普段、部屋の中に押しこめられているせいか、アウトドア系が多いような気がします。シアトル近郊はスキーのメッカがあったり、入り江があったりアウトドアには事欠かないのでしょう。




Mac BU らしく Mac 関連書籍やソフトウェアも共有書棚に並んでいます。こうした書籍を共有スペースにおくのも日本企業にない習慣かもしれません。日本企業だと本がなくなると困るからと個人管理になっていたり、ソフトウェアは鍵のかかった棚に押し込められて使えなくなっていたります。




個人的には、テストチームであり若い社員のたまり場にもなる環境ということで、マイクロソフトのなかでは最も乱雑な環境だと思います。プログラマーは自前のパーティションを持っていて自分の好きなように飾り付けしていますし、パーティションのあつまる一角にはジャンクフードを持ち寄って特設ミーティングを開けるスペースもあります。ダイニングは自由な時間に使えますし、日本の社食よりずっとましです。マイクロソフトの本社キャンパスは広大でお昼休みには野球やサッカーなどミニゲームができるようなグランドも多数あります。



 

       




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