2008 Emmy Awards Red Carpet


第60回エミー賞授賞式レッドカーペット

今年のオスカーは80回でしたが、プライムタイム・エミー賞も60回の佳節を迎えました。日本国内でもDVDレンタルやスカパーのおかげで人気ドラマがごくわずかなタイムラグで観られるようになり、エミー賞そのものの認知率も高まって、こんな本が出るまでに。

残念ながらショウとしては散漫で精彩を欠きました(*1)。その理由のひとつが、新設されたリアリティ番組司会者賞の候補者5人全員をホストにするという企画がおもいっきりすべってしまったこと。昔のひとはいいましたよね、「船頭多くして船進まず」って。恒例パフォーマンスも、ジョシュ・グローバンをカラオケみたいな使いかたしちゃって、もったいない。

ただ、受賞結果はHBOはもちろん、AMC、FXなども含め、ケーブル局の躍進が目立ち、もはやネットワークの時代ではないことを改めて実感しました。また、あらゆる分野であらゆる年代、あらゆるタイプの女性たちが活躍していることは大きな励みになりました。保守的なアメリカのテレビ業界に強く、しなやかで、やさしい変革の芽がゆっくりと確実に育っていくのをこれからも見守っていきましょう。

ではごく一部のみなさま、お待たせしました。どこよりもムダにくわしいレッドカーペット・レポートをお届けします。秋の夜長にじっくりどうぞ。



 Josh Groban TV Theme Medley




■全体の傾向:このところノーネックレスが流行していますが、かわりに胸もとを華やかに演出して変化をつけた着こなしが多くみられます。たとえばフロントにドレープを寄せてブローチで留める、ストラップや袖、前身頃にクリスタル・ビーズを散りばめたエンブロイダリー(刺繍)をほどこす、大きなボウ(蝶結び)をつける、といったところ。


デコルテの美しさを強調するストラップレス・ドレスの人気は今回も継続。目立ったのはスィートハート・ネックラインといいまして、胸もとのラインがハート型になったもの。ワンショルダーもトレンドのひとつ。トーガも多くみられました。80年代風というか、胸あきの深いプランジング・ネックラインも復活の兆し。この春まではグラマラスなマーメイドやすっきりしたエンパイア・ラインが主流でしたが、フィット&フレアやAラインも戻ってきました。レトロ調、バレエのロマンチック・チュチュを思わせる、チュールやレースを重ねてボリュームを出したスカート、アンクル・レングスできゃしゃな足首をちらりとみせるスカート丈などが新しい傾向です。

■カラー:白、ベージュ、アイボリーなどソフトな淡い色、または赤、青、黄の三原色=プライマリー・カラーと鮮やかなジュエル・カラー。
シャンパンゴールド、シルバーラメ、クリスタル、ビーズづかいなどのメタリックも人気でした。


■ジュエリー/アクセサリー:首まわりはアクセサリーなしで大きめのイヤリング、ピアスやバングルをつける傾向が継続。ネックレスはなくてもイヤリングやブローチがゴージャスで目を楽しませてくれます。とくに大ぶりのシャンデリア・タイプのバリエーションが豊富で垂涎もの。ファンにはこたえられないシーズンです。


■ヘア:ヴェロニカ・レイクを思わせる巻き髪スタイルかストレート——とくにスリーク・ボブ——が目立ちました。まとめ髪はふんわりしたポニーテールが中心で、きっちりしたスタイルはもはや流行遅れのよう。ゆるくまとめてヘッドピースをつけるスタイルもちらほら。前髪は長めでサイドに流すスタイルが新しい傾向。

■メイク:はっきりした赤のルージュかヌード・リップに二分。レッド派は目もとはあっさり、ヌード派はアイラッシュをたっぷりつけて目ヂカラを効かせます。共通しているのはくちびるに光を加えることで、グロスでつやつやさせるかマット系のラメで上品に抑えるかは着こなししだい。
(alphabetical order)

※追記:bola's Best(☆)、Worst(★)つけました。あと、個人的な趣味としてFavourite(◎)は着てみたいドレス。
なお、『プロジェクト・ランウェイ』に関するネタバレがあります。



Christina Applegate in Reem Acra Spring 2009
『サマンサWho?』(ABC)のクリスティーナ・アップルゲートはリーム・アクラ。ジュエリーはロレイン・シュワルツ、靴はジミー・チュウ。
クラシカルなデザインですが、アクアブルーにゴールドの箔プリントが今年らしい。イヤリングはルビーとターコイズという組み合わせがおもしろい。
授賞式開始45分前に誤報でテロ騒ぎがあり、リムジンでの乗りつけが急遽禁止され3ブロックほど歩いたとか(ジミー・チュウで)。このドレス、かなり重そうなのに。「セレブはつらいよ」ってところでしょうか。
乳がんを克服したそうです。今月はピンクリボン月間、ぜひ検診を。くわしくはこちらから。



Katrina Bowden in Pamela Roland
‘30 Rock’(NBC)のカトリーナ・ボーデンは、パメラ・ローランド。クリスタル・ビーズで飾った深いVあきのネックラインがポイント。イヤリングはゼフィールのダイヤモンド。



Saffron Burrows in Hervé L. Leroux
『ボストン・リーガル』(ABC)のサフロン・バロウズはエルヴェ・L・ルルー。
ルルーはもともとラガーフェルドの直弟子で、フェンディやシャネルではたらき、独立してからはギ・ラロッシュを手がけていました。



Rose Byrne in Calvin Klein Collection
『ダメージ』(FX)のローズ・バーンはカルバン・クライン・コレクション。



Jennifer Carpenter in Pamela Roland
『デクスター〜警察官は殺人鬼』(Showtime)のジェニファー・カーペンターはパメラ・ローランド。



Kristin Chenoweth in Armani Privé
‘Pushing Daisies’(ABC)のクリスティン・チェノウスはアルマーニ・プリヴェ。イヤリングはジュードフランセ。
小柄なひとはエンパイア・ラインなら間違いありません。このデザインは胸あきが深くスレンダーなシルエットで、グラマラスなのにとてもすらりとしてみえます。
日本ではあまり知られていませんが、ブロードウェイでも活躍する女優。ミュージカル『ウイキッド』のグリンダ役のオリジナル・キャストが彼女です。



Glenn Close in Armani Privé
『ダメージ』(FX)でドラマ部門主演女優賞受賞のグレン・クローズは、アルマーニとトレードマークのサングラス。



Lauren Conrad designed herself
“The Hills”(MTV)のローレン・コンラッドのシフォンのドレスはじぶんでデザインしたもの。オリジナルならもっと個性的なものを期待したいところ。ブローチはハーツ・オン・ファイアのダイアモンド。



Marica Cross in Elie Saab Fall 2008 Couture
『デスパレートな妻たち』(ABC)のマーシャ・クロスはエリー・サーブ。ジュエリーはハーツ・オン・ファイア、靴はレネ・カオヴィラ。
ブローケードをあしらったボディスに重ねたチュール。バレエのロマンチック・チュチュをおもわせるクラシカルなデザイン。イヤリングもドレスのモチーフにあわせています。わたしには似合いそうにありませんが、大好きな1着。
人気上昇中のエリー・サーブはレバノン出身。ハル・ベリーがアフリカ系アメリカ人女優として初めてオスカーの主演女優賞を受賞したときに着ていたドレスやラニア王妃の戴冠式のドレスが彼の作品。かつてはヴァレンティノの真似っこなんて陰口も囁かれましたが、もっとモダンな印象です。



Dana Delany in vintage
『デスパレートな妻たち』(ABC)のダナ・デラニーは、ラインストーンがきらめくヴィンテージのドレス。ジュエリーはLILY et Cie。
リリーはビバリーヒルズにあるセレブリティ御用達の完全予約制ヴィンテージ・ブティックです。



Emilie de Ravin in Matthew Williamson ★
『LOST』(ABC)のエミリー・デ・レヴィンはマシュー・ウィリアムソン。
選評:美貌をムダにしているひとをみると、怒りを感じるんです。なんてもったいないんだろうって。こういうドレスは保護者参観日なんかに着ていくとUFOごっこに夢中の子どもたちの注目の的になっていいとおもいます。もっと華やかに、セレヴリティらしくしていただかないと。肌を露出しなくても、ゴージャスに、エレガントに装う方法はありますから。



Laura Dern in Bill Blass
ミニシリーズ/テレビ映画部門‘Recount’で助演女優賞にノミネートされたローラ・ダーンはビル・ブラスのドレス。ロングネックレスは、しないほうがいいですね。



Lisa Edelstein in Reem Acra Spring 2008
『Dr.HOUSE』(FOX)のリサ・エデルシュタインはリーム・アクラ。ちらっとのぞくパニエがかわいい。オトナのロマンチックですね。
リーム・アクラもレバノン出身。ベイルートのアメリカン大学在で経営を学んでいた彼女は、あるパーティに自宅のダイニングテーブルのテーブルクロスでつくったドレスを着て出席、ファッション雑誌の記者の目にとまって後にN.Y.のFIT、パリのエスモードで学ぶことになります。イヴィニング・ドレスやブライダル・ドレスを得意とし、現在はN.Y.コレクションで活躍中。


America Ferrera in Werlé Beverly Hills
『アグリー・ベティ』(ABC)のアメリカ・フェレラは ヴェーレのヴィンテージ・ドレス。フレッド・レイトンのステイトメント・ネックレスは19世紀のもの。靴はレネ・カオヴィラ、クラッチはアニヤ・ハインドマーチ。
イギリスでスタートしたハインドマーチは、メインラインのほかに、お気に入りの写真をバッグにプリントする‘Be a Bag’プロジェクトが有名。収益の一部をチャリティとして20ヶ国以上に寄付しています。



Tina Fey in David Meister
“30Rock”(NBC)でコメディ部門主演女優賞、脚本賞、作品賞受賞のティナ・フェイはデヴィッド・メイスター。黒っぽくみえますが、深く濃い紫。グラマラスなデザインなのに、縦のラインがモダンで単なる懐古調になっていません。ジュエリーはジュディス・リプカ、クラッチはスワロフスキーのクリスタルで飾ったメアリー・ノートン。
共和党のサラ・ペイリンに似ていると評判ですが、「飲み行こうと誘われたらどうしますか」の問いに「11月以降、もし彼女がヒマならね」と機転のきいた回答。
ここ数年、個人的にもっとも注目しているひと。‘30Rock’を早く観たい。



Sally Field
『ブラザーズ&シスターズ』(ABC)のサリー・フィールドのドレスは、シルクシフォンのフレンチスリーブと胸もとのジェット・ビーズのエンブロイダリーがアクセント。透かし細工の揺れるイヤリングがかわいい。



Jenna Fischer in Gustavo Cadile
“The Office”(NBC)のジェナ・フィッシャーはグスタヴォ・カディルのカスタム・メイド。



Rachel Griffiths vintage Bob Mackie gown from Decades
『ブラザーズ&シスターズ』(ABC)のレイチェル・グリフィスは、ボブ・マッキーがデザインしたヴィンテージのDecades。靴はクリスチャン・ルブタン、クラッチはアレクサンダー・ナイト。
シフォンのスカートごしに長いスリットから脚線がのぞくセクシーなデザイン。こういうのをピーカブー・スリットといいます。レイチェルはアワードではヴィンテージが多い。じぶんをよく知っていて、トレンドより個性にあったものをうまく着こなしています。



Melora Hardin in Tadashi Shoji
‘The Office’(NBC)のメローラ・ハーディンはタダシ・ショージ。ブローチはクワイアット。
庄司正はロサンゼルスに拠点を置く日本人デザイナー。イヴニング・ドレスやミス・ユニバースのコスチューム製作に定評があります。



Mariska Hargitay's Carolina Herrera
『ロー&オーダー:性犯罪特捜班』(NBC)のマリスカ・ハージティはキャロライナ・ヘレラ。ジュエリーはフレッド・レイトン、靴はジミー・チュウ。
しぼのあるシフォン素材がインパクトのある色をかろやかにみせています。筋肉質だし完璧なプロポーションではないけれど、個性をいかした着こなしがうまいベスト・ドレッサーのひとり。後頭部をふくらませたヘアスタイルもよく似合っています。



Samantha Harris in Zuhair Murad
‘The Dancing With the Stars’(ABC)のホスト、 サマンサ・ハリスはズヘア・ムラッド。
ローバックにサテンのリボンがアクセント。



Teri Hatcher in Monique Lhuillier
『デスパレートな妻たち』(ABC)のテリ・ハッチャーはモニク・リュイエのラッフル・ドレス。ジュエリーはフレッド・レイトン。



Tricia Helfer in Tadashi Shoji
『バトルスター・ギャラクティカ』(Sci-Fi)のトリシア・ヘルファーは、タダシ・ショージ。
スタートレックがセブンなら、バトルスターはシックスかい、とツッこんだらギークになりますか。どっちもロナルド・D・ムーアがらみだもんねぇと追い打ちをかけたら、いわゆる自爆ってやつですね。



Christina Hendricks in Tadashi Shoji
‘Mad Men’(AMC)のクリスティーナ・ヘンドリクスは、タダシ・ショージ。
赤毛が印象的ですが、もとはブロンドで「赤毛のアンにはまった10歳の頃からカラーリンスで赤毛を楽しんだりしていた」とのこと。「高校の頃は紫や黒髪にもした」——紫はちょっと意外。



Cheryl Hines in Ina Soltani
『ラリーのミッドライフ・クライシス』(HBO)のシェリル・ハインズは、イナ・ソルターニのカスタム・メイド。フロントにあしらっているのいるのはスワロフスキーのクリスタル。
イナはサラエボ出身。L.A.のFIDMで学び、映画、舞台、ジュエリー・デザインの分野のほか、最近はコレクションも発表しています。クラフト性の強いデザインが得意。



Felicity Huffman in Reem Acra
『デスパレートな妻たち』(ABC)のフェリシティ・ハフマンは白地にクリスタルを散りばめたリーム・アクラ。
ストラップレスが主流のなか、珍しくネックラインがつまったドレス。ただし脇あきが深くて背中もくりぬいたようにカットしてあります。
このボブはすごくすてき。これまでと印象がガラリと変わりましたね。年々若々しくなる不思議なひと。レッドカーペットではサラ・ポールソンやレイチェル・グリフィスとおどけているところがとらえられていましたが、演劇学校ではすごく厳しい先生なんだそうです。



Holly Hunter in Jenny Packham
『セービング・グレイス』(TNT)のホリー・ハンターはジェニー・パッカム。


Ashley Jensen in David Meister
『アグリー・ベティ』(ABC)のアシュリー・ジャンセンはデヴィッド・メイスター。
ネックレスのようにみえるのはドレスに縫い付けたビーズ飾り。ジャージーの特性をいかし、ボディスに細かいひだを寄せて美しくフィットさせています。



January Jones in Dolce & Gabbana
‘Mad Men’(AMC)のジャニュアリー・ジョーンズはドルチェ&ガッバーナ。ジュエリーはクワイアットのダイヤモンド。



Catherine Keener in tuxedo
‘An American Crime’でミニシリーズ/テレビ映画部門の主演女優賞にノミネートされたキャサリン・キーナーはタキシードで登場。
女性が盛装としてタキシードを選ぶのは、いわば最終兵器なんです。成功すればすこぶるつきにカッコいいけれど、失敗すれば悲惨。
フィッティングはドレス以上に慎重におこない、とくにウェストがぴったりで肩と胸もとが浮かないジャケットを選ぶこと。着こなしのコツは必ずハイヒールを履くこととどこかに1点でいいから光るジュエリーをつけること。要するに男性とおなじ着かたじゃダメなんです、宝塚の男役になっちゃうから。
キーナーはいいスーツを選んでますよね。衿幅や胸あきの深さなんて完璧。ヘアスタイルだけが惜しい。もうすこしウェーヴを効かせるか、いっそシニヨンでゆるくまとめてほしかった。
『カポーティ』は印象的でしたね。彼女やティルダ・スウィントンは同い年だし、クセのある演技派で、きれいなだけの女優さんじゃないのでこれからも活躍してほしい。



Heidi Klum in Armani Prive ☆☆◎
『プロジェクト・ランウェイ/NYデザイナーズ・バトル』(Bravo)のハイディ・クラムはアルマーニ・プリヴェ。ダイヤモンドはロレイン・シュワルツ。
蝶の形のイヤリングは好みがわかれそうですが、ドレスとはいいバランス。ワンショルダーのケープの下は、大胆なカッティング。コレクションでみたプレーンな黒もシックでしたが、こちらはまばゆいメタリック。カメラがどの角度をとらえても隙なしの美しさでした。アワードでホスト役もつとめた際の七変化もあわせてどうぞ。
選評:ヒカリモノでもガンメタルをベースにする渋い選択。アシメトリー流行のなかで、ごくふつうのトーガを選ばないところがモードの世界にいるひとの現場感覚。遊び心のあるジュエリーにも個性を感じます。個人的にはこの形でガーネット色が着たい。


4人の男性ホストとともにタキシードで登場、ちょっとフィット感が悪いとおもってたら・・・

早変わりでエリーゼ・オーバーランドのスパンコールのジャンプスーツに。

お次はヴァレンティノのラッフル・ドレス。

こちらは『プロジェクト・ランウェイ』でおなじみ、マイケル・コースのデザイン。やっぱり気を使ったんでしょうか。


最後にステージで勢揃いしたときのクリスチャン・シリアノのドレス。シリアノは彼女の番組『プロジェクト・ランウェイ』S4(日本では2009年1月より放送予定)の優勝者。このドレスは今月ブライアント・パークで開催して絶賛を博した彼の初コレクションで発表されたばかりのもの。
アワードでは写真にはありませんが、ディオールのシフォンの豹柄、ローランド・モーレットのモノトーン・プリントも着用。後者はジョシュ・グローバンの動画にチラリと写ります。気になるかたは探してみて。


ガバナーズ・ボウル(授賞式後のパーティ)では、アルマーニ。

ステージではいちばんカラダをはってましたよね。おかげでこんなことに・・・
おつかれさまでした・・・来年のホストはぜひともピンでお願いします。


Jane Krakowski in Versace Fall 2008 ◎
“30Rock”(NBC)のジェーン・クラコウスキーはヴェルサーチ。
ビーズ刺繍をほどこしたワンショルダーのドレス。たくさんみかけたワンショルダーのなかでも今回いちばん印象が強かった。バックスタイルも凝っています。



Padma Lakshmi in Monique Lhuillier Spring 2009
‘Top Chef’(Bravo)のホスト、パドマ・ラクシュミはモニク・リュイエのミニ・ドレス。シルク・シフォンにゴールドのビーズを縫い付けたもの。



Evangeline Lilly in Elie Saab Fall 2008 Couture ☆☆
『LOST』(ABC)のエバンジェリン・リリーはエリー・サーブのオート・クチュール。ジュエリーはクワイアット。
選評:ゆるふわのまとめ髪、ヌードメイク、シャンパンカラーのシマリング——トレンドがつまっているのに、“がんばってる感”がない。全体のバランスがいいんですよね。結局、コーディネートってそこに行き着くんです。



Eva Longoria in Marchesa Spring 2009 ★
『デスパレートな妻たち』(ABC)のエヴァ・ロンゴリアはマルケーザのフラッパー・ドレス。スチュワート・ワイズマンの靴とヴェルドゥーラのジュエリー。
選評:「すてきな服を着ていたひと」じゃなく「すてきなひと」といわれたいですよね。いくらランウェイや広告写真でカッコよくても、服のインパクトが強すぎると着るひとの個性を潰します。



Julia Louis-Dreyfus in Narciso Rodriguez
‘The New Adventures of Old Christine’(CBS)のジュリア・ルイス・ドレイファスはナルシソ・ロドリゲス。ジュエリーはティファニー。
ジュリアはいつもナルシソを着ますね。このサーモンは冒険だったでしょう。バックはクリスクロスで、フロントはちょっとだけおなかがみえるところがセクシー。ヘアはシニヨンですが、きっちりまとめすぎないところが今年風。



Jennifer Love-Hewitt in Carolina Herrera Pre-Fall 2008
『ゴースト〜天国からのささやき』(CBS)のジェニファー・ラブ・ヒューイットはキャロライナ・ヘレラ。



Debbie Matenopoulos in Malandrino Fall 2008
『E!』のレポーター、デビー・マテノポウロスはマランドリーノ。



Tamara Mellon in Halston Spring 2009
ジミー・チュウのCEO、タマラ・メロンとクリスチャン・スレイター。
タマラのドレスはホルストン。カナリア・イエローの靴とゼブラ柄のクラッチはもちろんジミー・チュウ。
ゆるいフィッシュボーン編みは、サイドでまとめたところが今年風ですが、ワンショルダーの場合は首や肩のラインをみせるためにシニヨンかアップにしたほうがいいとおもいます。



Debra Messing in Monique Lhuillier Spring 2009
‘The Starter Wife’のデブラ・メッシングはモニク・リュイエ。ファン型のイヤリングはフレッド・レイトンのダイアモンド、クラッチはデュディス・リーバー。
トランスペアレンシーのレイヤードも今年の流行です。デブラはいつも最先端。彼女のいいところは毎回まったくタイプの違うものを選ぶことで、固まらないんですね。ファッションに関してはチャレンジャーで、それだけ感受性もやわらかいんでしょう。


Alyssa Milano in Christina DeRosa ★★
アリッサ・ミラノはクリスティーナ・デローザ。
大袈裟なラッフルづかいで「舞台衣装のよう」とあちこちでワーストにあがっていました。まあ「シェールみたい」は、ある意味で褒めことばかもしれませんが。
選評:こういう場所で美貌を封じ込めるのは罪だけれど、だからってこれみよがし、わざとらしいのはダメです、安くみえるから(高そうにみせるのはもっとイタいけど)。とはいえ、こんなひとも一人はいないとつまらないのがレッドカーペットではあります。



Elizabeth Mitchell
『LOST』(ABC)のエリザベス・ミッチェルは、シルバーのスパンコールを散りばめたストラップレス・ドレスと中央にペンダントトップがついたステイトメント・ネックレス。
どうも『LOST』のキャストは、エバンジェリン・リリー以外、ファッション・センスもLOSTしているようで・・・



Jennifer Morrison in Marchesa Spring 2009
『Dr.HOUSE』(FOX)のジェニファー・モリソンはマルケーザ。



Cynthia Nixon in Calvin Klein
『ロー&オーダー:性犯罪特捜班』(NBC)でゲスト女優賞を受賞したシンシア・ニクソンはカルヴァン・クライン。
ターコイズは少数派でした。もともとプレミアでキム・キャトラルが着る予定だったのを譲ってもらったとか。たしかに眼の色にも合っているし、肌に透明感があるので微妙な色が映えます。
SATCファンには最新情報。正式に続編のオファーがあったとのこと。マイケル・パトリック・キングが構想中らしく、まだ未定ですがおおいに期待できそうです。



Sandra Oh in Oscar de la Renta Resort 2009
『グレイズ・アナトミー』(ABC)のサンドラ・オーはオスカー・デ・ラ・レンタ。ジュエリーはブルガリ、バッグはヴィンテージのシャネル、靴もシャネル。
ドレスはシルク・オーガンジーのチュールを重ねたスカートにレースのボディスと異素材を組み合わせたツーピース風のデザイン。リボンのサッシュが華奢なウエストを強調しています。



Hayden Panettiere in Badgley Mischka Pre-Fall 2008
『HEROS』(NBC)のヘイデン・パネッティーアはバッジェリー・ミシュカ。ジュエリーはアンティークのフレッド・レイトン、クラッチはロベルト・カヴァリ。
ビーズづかいでバックスタイルに特徴があるドレスですが、若いひとにはもっと冒険してほしい。



Mary-Louise Parker in Roberto Cavalli
『Weeds/ママの秘密』(Showtime)のメアリ=ルイーズ・パーカーは、ロベルト・カヴァリ。クラッチはダニエル・スワロフスキー、ジュエリーはカルティエのダイヤモンド。


Amy Poehler in Zac Posen Resort 2009
‘Saturday Night Live’(NBC)でコメディ部門助演女優賞にノミネートされたエイミー・ポーラーはザック・ポーセン。
最近は妊娠中でもごくふつうのエンパイアラインのドレスを着る女優が増えています。



Perrey Reeves in Temperley London
『アントラージュ☆オレたちのハリウッド』(HBO)のペリー・リーヴスはテンポラリー・ロンドン。赤いサテンのクラッチはメアリー・ノートン。



Lisa Rinna in Reem Acra Resort 2009
The TV Guide Channelのレポーター、リサ・リナはリーム・アクラ。



Katee Sackhoff
『バトルスター・ギャラクティカ』(Sci-Fi)のケイティ・サッコフは、シルクタフタのストラップレス・ドレス。無造作なまとめ髪がグラマラスなマーメイド・ラインをカジュアルに中和しています。



Susan Sarandon in Donna Karan
‘Bernard and Doris’でミニシリーズ/テレビ映画部門の主演女優賞にノミネートされたスーザン・サランドンのドレスはダナ・キャラン。



Kyra Sedgwick in L'Wren Scott Spring 2009
『クローザー』(TNT)のキーラ・セジウィックはローレン・スコットのカクテル・ドレス。ストラップと胸もとにはダイヤモンドを縫いつけています。ジュエリーはイヤリング、1930年代のリングともフレッド・レイトンのダイヤモンド、クラッチはヴォッテガ・ヴェネタ、靴はジミー・チュウ。
キーラはドラマ部門主演女優賞にノミネートされた際のインタヴューでこんなふうに答えています。「中年を過ぎたら役がもらえないというのは昔話。年輪を重ねると芝居に深みが出るから、20歳の娘では太刀打ちできないってことを視聴者が認めてくれたことが何よりうれしいわ」(*2)



Nicollette Sheridan in Angel Sanchez Fall 2008
『デスパレートな妻たち』(ABC)のニコレット・シェリダンはアンヘル・サンチェス。



Brooke Shields in Badgley Mischka Resort 2009 ☆
‘Lipstick Jungle’ (NBC)のブルック・シールズはバッジェリー・ミシュカ。フレッド・レイトンのダイヤモンド、ジュディス・リーバーのクラッチ。
ポストSATCといわれていた‘Cashmere Mafia’との視聴率争いは‘Lipstick Jungle’が制した模様。‘Cashmere Mafia’は脚本家組合のストの影響もありましたが数字がふるわず4話で製作が打ち切りになりました。“Lipstick Jungle”は第2シーズンの製作が決定。結局は脚本の差とか。
選評:おもわず視線が引きつけられる華やかさ。ちょっと装飾過多ですが、とにかく色がいい。でも生地がかるくて重さを感じません。ブローチをウエストにとめたのもおしゃれ。このドレスは好みではないけれど、着るならこうあるべきでしょう。これぞスター、これぞ女優、こうこなくちゃ。



Jean Smart
『サマンサWho?』(ABC)で、コメディ部門助演女優賞受賞のジーン・スマート。ダイヤモンドのイヤリング、ブレスレットはショパール。
流行のスウィートハート・ネックラインですが、チュールレースでエレガントにカバー。
日本では『24』のS5でローガン大統領夫人マーサを演じた女優さんといったほうが通りがいいかもしれません。ドラマで胸をはだけてガーターベルトをはずそうとするシーンがありましたが、ドキッとしたのはわたしだけでしょうか。脚の線がとてもきれいでした。ファーストレディにキャスティングされるだけあって、姿勢がすばらしくいい。心がけしだいで、いつまでもおしゃれを楽しめるという気がしてきます。



Mary Steenburgen in David Meister ☆
メアリー・ステンバーゲンはデヴィッド・メイスター。
こんなカマイユ効果(*3)は日本人にはぜったい出せない。55歳でこの上品セクシー、ゴールデン・ゴッデスですね。
選評:全身金ピカなのに、なぜケバくならないのか。おしゃれにはこうすれば間違いないという数学的な公式がたしかにあるんですが、心意気で着る感覚的な面もあるんです。若いから似合うものもあるんだけれど、大人にしか似合わないものもある。そういう意味では、そのときそのとき、いちばんすてきにみえるようにするって可能だとおもう。若さにしがみつかないことかな。



Amanda Walsh in Gustavo Cadile
‘The Sons & Daughters’のアマンダ・ウォルシュはグスタヴォ・カディール。ダイヤモンドのテニス・ブレスレット、イヤリング、ゴールドのクラッチはスワロフスキー。



Kate Walsh in Zuhair Murad Fall 2008
『プライベート・プラクティス』(ABC)のケイト・ウォルシュはズヘア・ムラッド。オーバル型のクラッチはジミー・チュウ、ジュエリーはニール・レーンのダイヤモンド。



Vanessa Williams' custom-made Kevan Hall
『アグリー・ベティ』(ABC)のヴァネッサ・ウィリアムスはケヴィン・ホールのカスタム・メイド。
ドラマで彼女が演じるウィルミナは敵役なんですが、娘にはダメな母親だし、ちょっと抜けたところもあって憎めない。ゲイのアシスタント、マーク同様、お気に入りキャラです。役柄でもあるMODE誌ADのイメージそのままのトレンド感あふれるフローラル・プリントですが、「IKEAで買ったカーテンの柄?」とも。



Olivia Wilde in Reem Acra Spring 2008
『Dr.HOUSE』(FOX)のオリビア・ワイルドはリーム・アクラ。クワイアットのジュエリー、スチュワート・ワイズマンのクラッチ、靴はジミー・チュウ。



Chandra Wilson in Tadashi Shoji
『グレイズ・アナトミー』(ABC)のチャンドラ・ウィルソンは、タダシ・ショージ。



Rita Wilson, in Christian Dior, with Tom Hanks, in Tom Ford.
リタ・ウィルソンとトム・ハンクス夫妻。リタはディオール、トム・ハンクスのタキシードはトム・フォード。トム・ハンクスは製作総指揮にあたった‘John Adams’(HBO)でミニシリーズ部門の作品賞を受賞。
第2代大統領の伝記作品ですが、これはおもしろそうです。ミニシリーズやテレビ映画の作品づくりにおいて、HBOは定評がありますからね。トム・ハンクスは最近、プロデューサー業のほうが忙しそう。政界に入るのではないかとも噂されていますが、「政治家になるには僕はルックスがよすぎるよ(笑)」とのこと。




以前はレッド・カーペットというとアルマーニやヴェルサーチ、シャネル、ディオールといったヨーロッパのクチュール系ブランドの独壇場でしたが、最近はバッジェリー・ミシュカやキャロライナ・ヘレラといった自国のデザイナーやモニク・リュイエ、マルケーザなど自国民でなくてもN.Y.コレクションで活躍するデザイナーやブランドが着用されるようになっています。全世界に放映されるという広告効果に対し、目ざといアメリカのビジネスマンが指をくわえているはずがありません。一方でN.Y.コレクションも地力をつけてきたことが大きいでしょう。新人デザイナーの発掘番組である『プロジェクト・ランウェイ』のファイナリストをファッション・ウィークに送り込むなど、異種業界間でのコラボレーションが相乗効果をあげていることがわかります。

今回も長丁場におつきあいいただき、ありがとうございました。ではまたいつかどこかのレッドカーペットでお目にかかりましょう。



(*1)視聴率は史上最低を更新。この記事のとおりです。視聴者激減!第60回エミー賞は最悪の授賞式?・・・失敗の原因を探る(シネマトゥディ)
(*2)今回、ドラマ部門の主演女優賞にノミネートされたのは、全員45歳以上で、キャリアをもった女性の役。キーラ・セジウィック(『クローザー』ブレンダ・ジョンソン役/警部)、サリー・フィールド(『ブラザーズ&シスターズ』ノラ・ウォーカー役/実業家、昨年度の受賞者)、グレン・クローズ(『ダメージ』パティー・ヒューズ役/弁護士)、ホリー・ハンター(『セービング・グレイス』グレイス・ハナダーコ役/刑事)、マリスカ・ハージティ(『ロー&オーダー:性犯罪特捜班』オリビア・ベンソン役/刑事、一昨年度の受賞者)。女性が活躍しているのは制作の現場だけでなく、役柄の上でも同様。日経のトレンド・フォーカスもこの点を指摘。
(*3)カマイユ配色は単色のグラデーションでまとめることをいいますが、フラットで退屈になりやすいのが難。でもうまくまとめると、ほんとうにエレガントです。このあたりを参考に(all about Japan)。
■参照サイト/第60回プライムタイムエミー賞(wikipedia)、第60回エミー賞発表&4つの傾向(バラエティ・ジャパン)
■photo:In Style.com、style.com、shinystile.tv、dailynews.com、imdb.com、EW.com、contactmusic.com、zimbio.com、wireimage.com、People.com

Posted: Wed - October 8, 2008 at 12:23 AM         |
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Published On: Feb 27, 2009 08:43 AM
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