2008 ACADEMY AWARDS RED CARPET
第80回アカデミー賞授賞式レッドカーペット
下馬評どおりだった監督賞と作品賞は別にして、意外といわれる演技4賞に関しては、じつはBAFTA賞とおなじ。年々、国際色が多彩になるハリウッドの傾向としてはむしろ妥当な結果かもしれません。異なる血を取り込むことで、土壌がゆたかになると捉えるか、重篤な人材不足、ハリウッドの危機と捉えるかは意見のわかれるところでしょう。イギリスとアメリカが足並みを揃えたことで、映画産業全体のボーダーレス化を象徴しているようにも感じられます。
■ Le Rouge et
Le Noir
■
きれいな色が目についたように感じたのは、赤いドレスが多かったからでし
ょう。カーペットに同調するせいか避けられやすい色なのですが、晴れやか
さを表現するとき、思わず手に取りたくなる色なのかもしれません。定番の
黒も多く、色に関しては『赤と黒』にくっきりと二分化された印象でした。
■アン・ハサウェイ
マルケーザのドレス、ジュエリーはハリー・ウィンストン、ヘアスタイルはすっきりしたポニーテールでまとめて。
■ミエリー・サイラス
ヴァレンティノのシフォンのドレス。
■キャサリン・ヘイグル
エスカーダのシルク・ジョーゼットのドレス、ライアン・ライアンのジュエリー、ジミー・チュウの靴とクラッチ。
■ヘレン・ミレン
袖にスワロフスキーのクリスタルを散りばめた、ジョルジュ・チャクラのドレス。H.スターンとフレッド・レイトンのダイヤモンド。
■ジュリー・クリスティ
ドレスはスタイリストのタニア・ギルといっしょにデザインしたもの。クラッチはラナ・マークス・クレオパトラ。
白いメッシュのロング・グローブはルイ・ヴィトンと判明。これはいらないと思います。いつも素敵なのに・・・
■ルビー・ディー
ケヴァン・ホールによるアンサンブル風のデザイン。
■ジェニファー・ガーナー
オスカー・デ・ラ・レンタのシルク・タフタのフィッシュ・テイルのドレス、ジュエリーはヴァン・クリーフ&アーペルのダイヤモンド、ロジェ・ヴィヴィエのクラッチ。
■ペネロペ・クロス
ドレスは、シャネルbyカール・ラガーフェルドのオート・クチュール。ロジェ・ヴィヴィエのクラッチとショパールのダイヤモンド。
■ヒラリー・スワンク
ヴェルサーチのドレス、フェラガモのクラッチ、ジュエリーはショパールのダイヤモンド。
■エレン・ペイジ
ジャン・ルイ・シェレルのヴィンテージ・ドレス。フレッド・レイトンのチェーン・ネックレス。
■ Empire or
Mermaid
■
シルエットはハイウエストで切り替えたエンパイア・ラインとグラマラスな
マーメイド・シルエットが目立ちました。前者はここ数年のトレンドで、お
しゃれなプレママ3人組はじめ、さまざまなバリエーションを見ることができ
ました。ただ、姿勢が悪いと太って見えるので着こなしには注意が必要です。
■ニコール・キッドマン
妊娠中のニコールは、バレンシアガのカスタム・メイドのドレス、ジュエリーはローレン・スコットの合計1,399カラットのダイヤモンドのネックレス。
■ジェシカ・アルバ
胸もとにフェザーの飾りがついた濃い紫のマルケーザのドレス。ジュエリーはカルティエのダイヤモンド。
■ケイト・ブランシェット
ドリス・ヴァン・ノッテンのサテンのドレス。クラッチはロジェ・ヴィヴィエ。
■ジェニファー・ハドソン
ロヴェルト・カヴァリのドレス。
■マリオン・コティヤール(主演女優賞受賞)
ジャン・ポール・ゴルチェカスタム・メイドのドレス、ショパールのダイヤモンドのネックレスとリング、ダニエル・スワロフスキーのクラッチ。
■アドリアンヌ・フランツ
ズヘア・ムラッドのドレス。
■クリスティン・チェンワース
アルマーニ・プリヴェのドレスとフレッド・レイトンのダイヤモンドのヘアクリップ。
■エイミー・アダムス
プロエンザ・スクーラーのドレス、フレッド・レイトンのジュエリー。
■ Strapless
VS. One-Shoulder
■
デコルテのカットはストラップレスとワンショルダーに二分化。どちらも
ネックレスやチョーカーは使わず、アクセサリーはイヤリングとブレスレ
ットやバングルで胸もとはスッキリ見せるのが主流。ヘアもまとめ髪でコ
ンパクトにするひとが多く、ネックラインの美しさを際立たせています。
■レネ・ゼルウィガー
キャロライナ・ヘレラのドレス、カルティエのジュエリー。
■キャメロン・ディアス
ディオールbyジョン・ガリアーノのビュスティエ・ドレス、ブルガリのジュエリー、ロジェ・ヴィヴィエのクラッチ。
■ローラ・リニー
マイケル・コースのドレス、キャシー・ウォーターマンのジュエリーとフェラガモのバッグと靴。
■ケリー・ラッセル
ニナ・リッチのオーガンジーのイヴニング。ネックレスは46カラットのH.スターン。
■マーリン・マトリン
好きな女優さんなんですが、苦言をすこし。ローブ・デコルテを着るほどのパーティなら、どんなに高価でも腕時計をしてはいけません。時間を忘れて楽しむことが、いちばんのルールだからです。スピーチで時間を忘れそうになったら、オーケストラが催促してくれるので、心配は無用。
■ロザムンド・パイク
ローランド・ムーレのドレスとH.スターンのジュエリー。
■エイミー・ライアン
カルヴァン・クラインのドレスとH.スターンのイヤリングとブレスレット。
■オリヴィア・サーブリー
ヴェラ・ウォンのドレス、H.スターンのジュエリー。
■ Go Your Own
Way
■
最近は際立ったベストドレッサーもワーストドレッサーもいない、よくも
悪くも平均点圏内をちょっと上下するくらいの差で、ときにはベストとワ
ーストの両方に名前があがるひとがいます。たとえばあまりエッジーだと
保守的なエンタテインメント誌には敬遠されるけれど、モード誌には評価
されるみたいな。そういう食い違いもおもしろかったりするんですけどね。
■ティルダ・スウィントン(助演女優賞受賞)
ランヴァンのドレス。
■ディアブロ・コディ(脚本賞受賞)
シフォンの豹柄ドレス、デザインはディオールbyジョン・ガリアーノ。
■シシー・スペイセック
■ナンシー・オデル
■ Black Tie
■
ドレスコードで“ブラックタイ”といえば、タキシードの代名詞。夜の準礼
装です。日本ではフォーマルといえば、なぜかブラックスーツに白ネクタ
イの略礼装がまかり通っていますが、欧米では礼装とはみなされません(
というより裏社会の人と誤解されます)。ただし、ブラックスーツは礼服
ではありませんが、黒の蝶タイをすれば礼装として通用するのがグローバ
ル・スタンダードのラクチンなところ。シャツや小物の選びかたで、タ
キシードやブラックスーツもいろいろな着こなしができます。ご参考に。
■ハビエル・バルデム
プラダのスーツ。
■ショーン・コムズ
ドルチェ&ガッバーナ
■ヴィゴ・モンテンセン
■浅野忠信
細身のタキシード・スーツはシャープでモダンな印象。タイも小さめでバランスは悪くないと思います。
ジャケットは立つときはボタンをかけ、座るときは外すというのがルールで、たとえばスピーチを促されて登壇するとき、すっとボタンをかける仕草に、さりげない自信であるとか物腰のやわらかい男らしさを感じます。そういう振る舞いを気障にみせないのが年季なんでしょう。
■ Couples
■
男性はほぼ黒を着ることになるので、カップルの場合、女性も黒を着る
なら素材や質感に注意が必要。また濃紺や濃茶など明度差がないものも
フォトジェニックではありません。色にも相性があるのはカップル同様。
■サラ・ラーソンとジョージ・クルーニー
サラはヴァレンティノのドレス、クルーニーはジョルジオ・アルマーニのタキシード。
■ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディ
デップはジョルジオ・アルマーニのタキシード、ヴァネッサはシャネルのオート・クチュールとジュエリー。
■ダニエル・デイ=ルイスとレベッカ・ミラー
レベッカ・ミラーのドレスは、クリスチャン・ラクロワ。
■パトリック・デンプシーとジリアン・デンプシー
ジリアンはメイクアップ・アーティスト。ドレスはヴェルサーチ。
■ハリソン・フォードとキャリスタ・フロックハート
ハリソンくんはジョルジオ・アルマーニのタキシード、キャリスタはヴィンテージ(70年代)のヴァレンティノ。
■ハイディ・クラムとシール
ハイディのドレスはジョン・ガリアーノのシルク・タフタ。
アワード終了後、このドレスはオークションにかけられます。
シールのタキシードはディオール。
■ジョン・トラヴォルタとケリー・プレストン
トラヴォルタのタキシードはジョルジオ・アルマーニ。
ケリー・プレストンのドレスはロベルト・カヴァリ、ジュエリーはロレイン・シュワルツ。
■アンヌ=マリー・ダフとジェームス・マカヴォイ
アンヌ=マリーのブルーのドレスは、モスキーノ。
■ダイアン・レインとジョシュ・ブローリン
ダイアンのドレスはデイヴィッド・メイスター、ジュエリーはH.スターン。
ジョシュのスーツはドルチェ&ガッバーナ。
■サマー・フェニックスとケイシー・アフレック
ふたりともドルチェ&ガッバーナ。
■デニス・ホッパーとヴィクトリア・ダフィ
■コリン・ファレルとリタ・ファレル
コリンのタキシードは、アルフレッド・ダンヒル。
エスコートしているのは、彼の母上ですから、ファンのみなさま。
■フォレスト・ウィテカーとキーシャ・ウィテカー
_____________________________________________________________
フランス人女優は、オスカーにノミネートされたり、プレゼンターとして登壇するときは、自国のデザイナーの作品を着ます。いちばん人気はゴルチェ。ドヌーヴもジュリエット・ビノシュもそうでした。いまディオールの主任デザイナーはイギリス人のガリアーノだし、シャネルはドイツ人のラガーフェルド。リヴゴーシュだけの展開になったサンローランは、イタリア人のステファノ・ピラーティがクリエイティヴ・ディレクター。デザイナーのコンセプトを後継するのは国籍よりクリエイティヴィティなので、その人選が間違っているとは思わないのだけれど、誇らしくゴルチェを着る彼女たちをみていると、菊地凛子にはギャルソンやヨージ・ヤマモト、イッセイ・ミヤケという選択肢もあったのにと思えて、ちょっと悔しかったりします。それは日本人なんだから日本人のデザイナーをという単純なナショナリズムじゃなくて、彼女のアヴァンギャルドな魅力があれば着こなせたのに、どうして、という素朴な疑問。シャネルの広報の誰かが彼女を気に入ってスポンサーになっちゃったというオトナの事情はおいといて。
さて、ハリウッド以上に存亡の危機に瀕しているパリのクチュリエたち。国際化がその裏返しというのはどの世界も共通のようです。相撲でもそうだしね。