そういえば


忘れた頃に芽が出てきてしばし楽しませてくれた、3本の目。やがては木となり目と舌を楽しませてくれる実をたっぷりまとうはずだったのだが...

その希望は、知らぬ間に消えていた。
先月のことだったと思う。ベランダの植木を大きな鉢に植え替えることになり、妻がせっせと仕事をした。

夏の真っ盛りの間中、私は植木の水やりを毎朝欠かさず行なっていた。その甲斐あってか、この夏植木はどれも大きくなった。朝顔はいまだに花を咲かせる。
先月下旬あたりから、水やりをぱたりとしなくなってしまった。真夏も過ぎ、少々涼しげな日が訪れたからであった。言い訳としては、「私だけが水をやっているのはおかしい。娘も妻もやりたまえ。」であった。人並みなわがままであろうか。私はマリア様ではない。マリア様にはなれない。下町育ちの横浜人、ってやんでぇい男である。

水やりをしなくなってから、「あれ」も気にしなくなっていた。
「あれ」とは、あの芽である。たまに気が向いた時に水をやる程度で、ほとんどしなくなっていたので、ほとんど気にしなくなっていた。ほとんど気にしなくなっていたから、ほとんど水やりをしなくなったとも言える。

ふと思い付いた。
「そういえば、あれはどこに植え替えた?」
妻「あぁ、あれ?捨てたわよ。」
「え”っっっっっっっ!!!!!!!!!????????捨てちゃったの?」
妻「だって、捨てていいか聞いたらいいっていったじゃない。」
「いってないよ!!」

という会話の末、私が負けたのは言うまでもない。上の空で聞いていて、いいよ、と言ってしまったのだろう。
ま、これに懲りず、また新たに種をそこいらに蒔くとしよう。
そこいらといっても、鉢のあるベランダしか無いのだが。

Posted: (火) - 9 21, 2004 at 10:04 PM         |


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