冬の マセラティ・スパイダー (2005.2.16)


最近は冬であるからしてネロに乗った時には寒い。 いくらガレージに入れてあっても冬は冬である。
電動のシャッター開閉ボタンを押す。 ガラガラと音を立てながらネロが姿を現す。
革シートに座り、スターターキーを捻る。
バックギアに入れて停めているのでとちょっと間をおき「グワァ、バァン! ガォォ〜!」とV8エンジンは目を覚ます。
エンジンが暖まり暖房が効くまでは幌のままで走り出す。 寒い日はシートヒーター、オンだ。
水温が上がり、クルマの各部がちゃんと暖まるまではゆっくりと流す。
そーやってちょっとそこら辺を走ってからおもむろに空きスペースや人気のない道にネロを停める。
サイドブレーキを引く。
暖房を最強にする。既に4244ccのエンジンは強大な熱量を発生しコックピットは一気に温風で埋まる。
革手袋をはめる。マフラーはたまにする。(する時はミニョン巻だ・(笑))
幌開閉ボタンを押しながら少しの間、が収納されるのを待つ。
幌が開いてもさらに開閉ボタンを押し続けると、降りていた両サイド・ウィンドウが上がる。 これで完璧。

インダッシュ・ナビのステレオのボタンを押す。
この自作CDの一曲目はEric Clapton の「I Ain't Gonna Stand For It」である。
オープンにして走り出す時の気分にピッタリだ。
「もう、これ以上オープンにしないでは 我慢出来ないぞっ!」って感じ。(^_-)☆

スポーツモードボタンを押す。
右手でチョンとカンビオコルサのシフトレバーでギアを1速に入れる。
完全にギアが繋がるまではゆっくりとアクセルを踏む。
強烈な加速に備えてアタマをヘッドレストに押しつける。
ギアが繋がった瞬間、ガバァっとアクセルを思い切り踏み込む。
エンジンは瞬時に吹け上がりもの凄いトルクと共にリアタイアは「ギャギャギャァ〜!キュキュキュキュルキュルキュル〜!」とホイールスピンを起こしながら猛然とダッシュする。
あっという間にタコメーターの針は7000回転を超える。
すかさず2速にギアを上げる。 天空の風を感じながらネロはさらに上を目指し駆け上がる。
さらに3速に入れる。どこまでも続く加速感のまま上り詰めて行く。
ネロはオープンで飛ばすと世界が変わる。言い表せない幸福感とでも言おうか。
豪華でオシャレなイタリアン・フルレザーの内装に包まれながら味わう、この上ない至上の幸福。ゞ^8^/~~~
このクルマにして良かったと思う瞬間だ。

このまま走ると何かにぶつかって死んでしまうのでスピードを落とす。
今日は、そーだな、久しぶりに雑賀崎を一周しようか。(ココ
ミニ・モナコGPコースへとハンドルを切る。
左に漁港を見下ろしながら登り道のコーナーの連続をこなして新和歌浦トンネルに入る。
思いっきり2速で加速する。 ズボロォォォォォォ〜!とネロのエンジン音がトンネル内で反響しまくる。
きついコーナーもショートホイールベースのネロは難なくクリアしていく。
自転車で走ると心臓破りの坂を上ると少し平坦な道になる。
元ロープウェイ乗り場まで左に南の海を見ながらちょっと飛ばす。

いつしかClapton の物憂げなブルースに曲は変わっている。「Don't Let Me Be Lonely Tonight」だ。
浪早崎にさしかかる。 ここは眺望が良いのでゆっくりと眼下の海や島々を見ながら走る。
夕陽が海に沈む頃は最高のみものだ。

雑賀崎周遊道路の北側に入る。徐々に下り始めるがまた昇ったりしながら狭いコーナーを抜けて行く。
カンビオコルサのシフトダウンは素晴らしいの一言。
間髪入れずにエンジン回転もピッタリ合い、シューマッハみたいな気分。(^_-)
双子島の景色を見に番所ノ鼻にちょっと寄り道するのも楽しい。(ココ
ここで「Born in Time」にハマる。


浪早崎にて


双子島近くにて

雑賀崎を一周し臨海道路に入る。
ここはうって変わって長く続く直線道路だ。
Led Zeppelin の「Houses of the Holy」と「Trampled Underfoot」を聴きながら、
思い切り極限までV8エンジンを回した後は、
オープンのままで海の風に吹かれながらネロをフェリー発着場に停める。
夕景の中のフェリーボートの灯りを見るのも趣がある。
暗闇が迫る中、「Hard Times」が流れている。
タバコを一服する。オープンで吸うタバコの味は格別である。

夜のとばりが降りた頃、ゆっくりと市街地に入る。 もう飛ばして気は済んだし。
今まで乗ってきたクルマの中で、乗ってこれだけスカッとするのはこのネロが一番だ。
左肘をネロのドアにかけながら、まったりと流す。
自動光軸調整装置付きのHIDヘッドランプが道を舐めるように照らしていく。
ライブバージョンの「Wonderful Tonight」が流れる中、ウィンカーを出す。
ガレージに戻り、幌をボタンを押して被せてからエンジンを切る。
今までの興奮がウソのように、フッと静寂が訪れる。
ドアを閉め、リモコンキーでロックする。
全てのウィンカーランプがアンサーバックで点滅して返事をする。

    おやすみ、ネロ