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楽器について |
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この楽器は2003年、私がベルリンへ引っ越して来た直後に開催された古楽器市(ベルリンで毎年10月に開催されます)で入手しました。証明書はありませんが、おそらく1800年代初頭に、ザルツブルクのメイヤーという楽器製作者の手によって作られたものだといわれています。写真では分かりにくいかも知れませんが、ストラディバリ型(だいたい平べったい)と違い胴のふくらみが大きなヴァイオリンで、繊細であると同時に比較的幅広い音色を奏でることが出来ます。
弓は、オランダ在住のゲルハルド・ランドヴェーア氏の手になるもので、後期バロックスタイル。彼曰く、バッハのころに使われていたモデルだそうです。同じくランドヴェーア氏が制作した、初期古典派の弓もレパートリーに応じて使っています。 写真には写っていませんが、この他に、ブレーメン在住のイーナ・ケラー氏の制作した早期イタリア式の弓を一本持っています。こちらはもっぱら、初期バロックものを弾く際に使用します。
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バロックと、モダンヴァイオリンの違い
見た目からいくと、バロック奏者は基本的に顎あてを使いません(使う人もいますが、遠慮がちに小さめのものだったりします)。弦は、E線とA線はオープンガット弦(外側に銀線を巻いていないガット弦です)で、白っぽく見え、G線はモダンでも使われている、外側を銀線でカバーしたガット弦、D線はどちらもありですが、銀線を数本巻き込んだオープンガット弦を使う人もいます。
ずっと文章だとわかりにくいので箇条書きにします。バロック楽器はモダンに比べると、
1、駒が低めで、カーブも緩やか。 2、ネックが楽器の胴体に対して水平に取り付けられている。(モダンは弦の張力を上げるためちょっと斜めになっています)これに伴って、指板の取り付けられ方が違います。 3、魂柱(楽器の中に立っている小さな柱のようなもの。実は弦の張力を楽器の中から支えている)が少し細い。 4、バス・バーと呼ばれる、楽器の表板の裏側についている棒状のもの(上手く説明できませんが・・・)が細く、短い。 5、これは楽器の注文主によって違いますが、指板が短い。
という違いがあります。とはいえ、楽器の基本構造は、400年来全く変わっていません。
相方の弓ですが、これは時代によっていろいろな型があり、人にもよりますが、プロは基本的に3種類くらい取り揃えています。(勿論、もっと大量に持っている人はたくさんいますが) 時代の早いものから、 1、短めの早期バロック用 2、ちょっと長めで、後期バロックソナタ用 3、古典派時代に使われたもの の3つ。1、2、は現代の弓とは逆に、カーブはアーチ型、3は初期では殆どまっすぐのものもありますが、S字型になったりと、モダンに近い形になってきます。
これらの違いが変えるのは、出てくる音量と音質です。(楽器5の指板の長さは、単に昔はあまり高いポジションを使わなかったからですが) バロック楽器は、
1、音量が小さめ 2、高めの倍音が多く聴こえるせいか、線の細い音がする 3、実は、モダン楽器より雑音が多い(バロッックの方が柔らかい音がすると思う人がけっこう多いですが、実はモダン楽器は極力音が滑らかに、そして均一に出るように改造されていて、雑音はとても少ないです。チェンバロの音を想像してみてください。ピアノの方が滑らかですよね。)
3は意外に思うかも知れませんが、バロック時代は一つ一つの音の表情がとても豊かである事が美しい音楽の条件だったようで、均一な音を作る事は当時の美意識に反していたのだと思います。調律の仕方も違った結果、それぞれの調声に違った性格があるのも常識でした。ただ、フレージングが”うた”や“かたり”に近く親しみやすいので、結果柔らかく聴こえるのかも知れません。
以上、ちょっと長くなってしまいましたが、概要です。
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