ソラリス スタニスワフ レム


とにかくSFという範疇を越えて、誰もに読んで欲しい名作です。
SFというか小説そのものを読み始めのころ巡り会い、未だに僕のSFや小説に対する考え方に、多大な影響を与えている作品です。
ソラリスの陽のもとに 」は幾度となく読み返しました。

難解な小説というイメージがあったのですが、思った以上に読みやすかったです。
当時中学生だった僕の理解力が増したというのもあるでしょうが、やはり沼野充義氏の翻訳のなせる技でしょう。
ソラリスの陽のもとに 」がロシア語版からの翻訳であったのに対して、本書がポーランド語の原典からの翻訳であるという点も、理解を助ける要素になっているかもしれません。

科学的根拠に基づくハードSF性、登場人物の会話のリアリズムと哲学、小説を読むという行為を「ソラリスを読む」という行為になぞらえ、さらにレム本人が読むように書いたという文学論、「ソラリス学」という学問体系とその歴史を作中に構築したパロディ性とメタフィクション性、主人公と恋人ハリーとの間に横たわるディスコミュニケーション、そして最大のテーマである人間の理解を超えたものに対する認識論。

これらどれもがSF(=文学)上の大きなテーマであり、その全てを内包しているのが「ソラリス」と云えるでしょう。

ソラリス
スタニスワフ レム Stanislaw Lem 沼野 充義
国書刊行会
2004-09


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解説で紹介されている、ソダーバーグ監督の映画にさんざんぶーたれている文章が面白い。

Posted: 火 - 10月 26, 2004 at 12:16 AM           |


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