ニンギョウがニンギョウ 西尾 維新


 ノベルズのくせにケース入り、ご丁寧に茶色のパラフィン紙でカバーがかけられており、レトロな雰囲気を醸し出している。企画意図としては分かりやすい。
 一言で不条理物といってしまうのは簡単だが、西尾維新が得意とする饒舌な文章と古風な表現との組み合わせは、それなりに目新しさがあり、意欲作といえなくもない。ただ、こういう作品を書いてみたかったという作者のモチベーションが読めてしまうのは、良い事なのか悪い事なのか。

 あとがきで作者が、「潜水で二十五メートル泳ぐのを、四回繰り返したって感じ」と書いているように、余計な事を考えずに没頭して執筆が進んだらしく、内省的な作品である事は間違いない。「戯言シリーズ」がどちらかというと少年ジャンプ的分かりやすさに向かっていったのとは、正反対の方向性だ。
 23人の妹というのは明らかに某ゲーム&アニメのパロディなんだろうが、この作品にそのような設定を持ち込むセンスは、とても西尾維新らしいけど。

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西尾 維新
講談社 2005-09-06

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Posted: 月 - 10月 10, 2005 at 11:28 AM           |


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