2007年11月11日号

ごみ行政を考える(1)

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板橋清掃工場を見学しました

10月31日、中野区議会新人議員研修で板橋清掃工場を見学してきました。

ごみ行政を考える(1)
板橋清掃工場
中野区のごみ15%を処理

日量300トンもの処理能力を有する焼却炉が二機、定期点検の期間を除いて24時間365日稼動しています。

燃えカスは溶融炉にかけられて人口砂(溶融スラグ)となり、道路の舗装材などに再利用されています。

投入した廃棄物は、焼却で1/20、溶融で1/2、掛けて1/40に容積が減るので、埋め立て場の延命にも効果があります。気になる環境汚染物質の発生は、プラスチックやゴム、皮などを焼却した場合でも、高温処理と急冷によって基準値の1/1,000以下に抑制されています。

さらに、焼却熱を利用した水蒸気発電は、工場内すべての電気量をまかなって余りあり、余電を電力会社に売っています。

無駄と害毒を極限まで抑え込む処理技術が確立した、そんな説明を受け、とても勉強になりました。

一方、二酸化炭素に関する説明が一つもなかったことは非常に残念でした。

地球温暖化問題

アル・ゴア前米副大統領とIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)がノーベル平和賞を受賞するなど、温暖化対策、特に二酸化炭素対策への世論と政策が今、急速に広がっています。

無害で持続可能なごみ行政は永遠の課題ですが、日本では今現在も含め、そこに二酸化炭素の視点がほとんど見られません。

中野区から清掃工場に送られる可燃ごみは年間約60,000トンで、焼却と溶融による二酸化炭素排出は推計10,000トンです。スギの木に換算すると、区民一人あたり2本以上、全区民で70万本のスギの木を毎年植えないと、年一万トンもの二酸化炭素は吸収しきれない計算になります。

無害とは何か。持続可能性とは何か。焼却中心のごみ行政を、地球温暖化対策の視点から見つめ直すべきではないでしょうか。

廃プラ焼却の是非

都内各所で廃プラスチックの焼却が始まっています。23区全域で実施した場合、清掃一部事務組合は二酸化炭素排出量の増分を年量7,000トンと見込んでおり、微増だとしています。

中野区では推計で200〜300トンの二酸化炭素排出増であり、先ほどの10,000トンと比較すれば確かに微増と言えます。

見落としてはならないのが、容器包装プラスチックの資源化事業です。この事業で二酸化炭素はどうなるのか。この点も含め総体で考えないと、廃プラ問題を正しく見極めることはできません。(続く)


せきと進

質量保存の法則

100グラムのごみを焼却し溶融すると、人口砂2.5グラム、二酸化炭素10〜20グラム、そして水やその他もろもろの物質へと、姿や性質が変わります。しかし質量の総量はやはり100グラム。処理後も変わりません。

ごみを燃やしても消えてなくなるわけではありません。この質量・エネルギー保存の法則を初め、物理原則に立った政策論議と環境教育が充分ではない気がします。

ごみを燃やしても消えてなくなるわけではない。質量・エネルギー保存の法則