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Total entries in this category: Published On: 10 01, 2005 11:59 午前 |
1010 : Robotic Musicレポート : 後藤英------------------------------------------------------------------------
DSPマガジン 2003.04.26 No.1010 ------------------------------------------------------------------------ 今回は、後藤英氏による「ROBOTIC MUSIC」のレポートをお届けします。その構想から実現まで中心となって活躍した同氏ならではの観点から書かれています。また、新しいチュートリアルも予告されていますので、こちらもお楽しみに。 ------------------------------------------------------------------------ Robotic Music and Max/MSP/Jitterレポート 後藤英 1. Robotic Music 神戸はジーベックで開催されたRobotic Musicは、18日に展覧のオープニングがおこなわれ、30日まで展示された。 http://www.xebec.co.jp/xebec_hall/event/robotic_music/ この企画は、楽器を演奏するロボットを開発して、そのための作品を発表するものであった。このロボットは、人間の形をしたようなタイプのロボットではなく、人間の音楽演奏家の行為を模倣することによって、アコースティックな楽器を人間に代わって演奏するものである。今回は、特に打楽器の開発に注目して、5台のロボットが合奏するものであった。 http://www.megafusion.co.jp/audio/cycling74/dspss2003/data/exhi01.jpg http://www.megafusion.co.jp/audio/cycling74/dspss2003/data/exhi03.jpg http://www.megafusion.co.jp/audio/cycling74/dspss2003/data/exhi04.jpg http://www.megafusion.co.jp/audio/cycling74/dspss2003/data/exhi05.jpg (撮影:メガフュージョン 坂本有紀) 2. 楽器を演奏するロボット ロボットに関しての多くの質問を事前に受けた。作品としては、もちろん長い間、考えられたものであるが、実際に話し合ってみると、音楽のために用いるという点に、少し理解してもらいにくい事もあった。確かに、まだロボットが人間のために支えるものや、工場で自動に製品を組み立ててくれるようなものなどのイメージが強いため、なかなか音楽と結び付けることには想像をしにくいことだろう。 ところで、ロボカップというイベントがあり、毎年異なる国に会場を変えて開催されている。これは、最新のロボット工学と人工知能の技術を屈しして、ロボット同士にサッカーをさせ競い合うものである。ここでは「西暦2050年、サッカーの世界チャンピオン・チームに勝てる、自律型ロボットのチームを作る」という目標に向かってプロジェクトを進めている。その頃には、人間より素早く正確にボールを扱えるロボットが開発されているかもしれない。 http://www.robocup.org/Jintro.htm つまり、過去のロボットの概念と現在のロボットでは大きく異なってきている。工場などで使われる産業用のロボットや、高度な技術でおどおどしい感じを受けるロボットが、最近では急に大きな変化をし始めている。人間のような身体を持ったロボットが自らバランスを取りながら二足で歩き、障害物を自ら避けるようなものや、人間とコミュニケーションするロボットも著しく発展している。ペット・ロボットのようなエンターテイメントのものなど、増々我々に身近なものとなった。現在では、作曲家がロボット開発会社に依託して、それを作品に用いいる時代になってしまった。それを今回快く引き受けていただいたのが、(株)イクシス・リサーチの山崎文敬氏である。氏の絶大なる協力と、優れた技術力なしには、今回の企画は実現されなっかたであろう。 http://www.ixs.co.jp/ コンピューターによるインタラクションの音楽は随分発展してきている。そこでは、人間の奏者と一緒に演奏したり、奏者の弾き具合によって反応することもできる。しかし、未だに壁にぶちあたる問題は、リアルタイムでのサウンドシンセシンスだ。もちろん、音としても特殊なものも作ることができないわけでないが、プロセッシングなどにCPUが十分必要なため、常にコンピューターの限界と格闘しなければならない。アコースティックな音と比較すると、このリアルタイムで合成された音の「表現」に欠ける点は認めざるを得ない。コンピューター音楽ならではのインタラクティブ性、アルゴリズムを用いながら、アコースティック楽器を演奏することはできないか?そこで考えたのが、ロボットによるコンピューターを伴った演奏である。これによって、さらに人間の奏者ではできない特種の奏法や、正確なポリリズム、急激なテンポの変化なども可能となる。 さて、そのロボットであるが、Maxにより操作される。Maxの持つ環境を生かすことによって、作曲のための可能性は十分に持つことができる。また、MSPやJitterなどを用いれば、さらに可能性は増えることになる。その意味で、同じロボットでありながら、プログラミングと作品のアイデア次第で、大きな変化をすることになる。その洞察は、23日のコンサートと展覧で、作品として試みられた。 (展覧会) 2003年3月18日(火)〜3月30日(日) Xebec Hall 1. decipher / 赤松正行 http://www.megafusion.co.jp/audio/cycling74/dspss2003/data/aka.mov 2. 賛歌の予感 #1 / 佐近田展康 http://www.megafusion.co.jp/audio/cycling74/dspss2003/data/sako.mov 3. FortissimoMechano / 後藤英 http://www.megafusion.co.jp/audio/cycling74/dspss2003/data/goto.mov (コンサート) 2003年3月23日(日) 開演17:00 Xebec Hall 1. decipher / 赤松正行 http://www.megafusion.co.jp/audio/cycling74/dspss2003/data/conc01.jpg 2. 賛歌の予感 #2 / 佐近田展康 http://www.iamas.ac.jp/~aka/photo/200303-RoboticMusic/small/DSCF0302.JPG.html (撮影:赤松正行) <休憩> 3. 異界ゲート by またりさま・エンジン / 三輪眞弘 http://www.megafusion.co.jp/audio/cycling74/dspss2003/data/conc03.jpg 4. FortissimoMechano / 後藤英 http://www.megafusion.co.jp/audio/cycling74/dspss2003/data/conc05.jpg 3.ロボットを用いた作品について 展覧では5台のロボットが常時展示され、あらかじめ各作家がMax/MSPにて作品を作曲、会場に訪れた観客がコンピューターのスクリーンをマウスで選択してロボットに演奏させるものであった。 http://www.megafusion.co.jp/audio/cycling74/dspss2003/data/exhi02.jpg ちなみに、展覧で用いられたロボットは、スネア・ドラムを叩くロボット、ベースドラムを叩くロボット、シンバルを叩くロボット、ゴングを叩くロボット、木管楽器の空気が管を通る際に発する音のメカニズムを応用して回転するロボットなどに渡る。 http://www.megafusion.co.jp/audio/cycling74/dspss2003/data/inter.mov 一台の複雑なロボットで多く特別なことができることよりも、ロボットのアンサンブル(合奏)による可能性が面白く感じた。一人の人間の演奏者ができることを、ロボットで越えることよりも、人間のアンサンブルの難しさをロボットに置き換える考えだ。アンサンブルとは、同時に同じものを弾いたり、あるパートは旋律で、あるパートは伴奏を受け持つなど、音楽にとってはとても重要な要素だ。ある旋律を複数の楽器に分散させるようにして奏者に弾かせてみたり、複雑で定期的ではないようなリズムやテンポをそれぞれに与えれば、たちまちアンサンブルに困難が生じてしまう。作曲の中で実際に試みたことがあるが、奏者を空間の至るところに配置して、一緒に弾こうとするものならば、いくら練習をしても合わせることがなかなかできない。ある音型を複数のロボットに配分して、それを反復しながら、規則正しくアッチェルランドやラレンタンドしながらアンサンブルしたり、個々のロボットにそれぞれ異なる音楽を演奏しながら、周期的にある時点で合わさり、また再び徐々にズレさせることができる。個々のロボットに自律性をもたせながらも、同時に大きな一つの生き物のような制御もできる。 4.ロボットを操作するMaxパッチについて ロボットを制御するためのパッチを紹介しよう。このプロトタイプの例より、上部を書くことによって、音楽の部分を制作することができる。 パッチ1.prototype.pat ここで使われているotudpであるが、Ethernetを介して別のマシンとコミュニケーションするものである。すでにOSXのバージョンにも移されている。ここでは残念ながら詳しく説明できないが、参考までに簡単な例を加えておく。 パッチ2.01.Preparation of network パッチ3.02.Introduction of otudp パッチ4.03.Introduction of otudp 2 詳細は別の機会に行うことにしよう。今回の展覧とコンサートでは、Maxからこのオブジェクトを用いてLinuxのマシンに情報が送られた。このLinuxからさらにUSBでロボットにつなげられ遠隔操作をした。このように、別のプラットフォームとも容易に繋げるたことができる便利なオブジェクトである。 さて、次回からは交互にMSPとJitterの初級レクチャーが始まる。まず、全くはじめての人を対象にしたチュートリアルを行い、徐々にレベルを上げていく予定である。 ------------------------------------------------------------------------ 本稿で説明したパッチは、以下のリンクをクリックしてダウンロードできます。 dspmag1010files.sit 本稿で説明した画像を含めて、以下のURLに記録画像の一覧があります。 http://www.megafusion.co.jp/audio/cycling74/dspss2003/ http://www.iamas.ac.jp/~aka/photo/200303-RoboticMusic/ http://www.iamas.ac.jp/~aka/photo/200303-DSPSS2003/ ------------------------------------------------------------------------ 暫定版ながら、DSPマガジンのWEBサイトを作りました。 メルマガの発行確認や購読中止などの操作は、こちらをご覧ください。 http://dspmag.iamas.ac.jp/ ------------------------------------------------------------------------ Copyright(C)2003 DSP Magazine. 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