1016 : インフォメーション(005) : 赤松正行 


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DSPマガジン 2003.07.31 No.1016
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お久しぶりのインフォメーションです。ってDSPマガジン自体もお久しぶりなのですが、そろそろ夏本番ですね。今年は冷夏らしいので、過ごしやすそう。しかし、天候不順となると心配なことも多いです。さて、今回のインフォメーションはMax/MSPの日本語オブジェクト・リファレンス「MaxBook」とIAMASのオープンハウス、そして神戸で開催されるSuperColliderスクールの情報をお伝えし、完成度が高まりつつあるSuperCollider3をMaxからコントロールする手法をご紹介します。DSPマガジンでは記事寄稿や掲載情報をお待ちしていますので、随時お寄せくださいね。

・MaxBook発売
・IAMASオープンハウス開催
・SCDS神戸開催
・MaxでSC3コントロール

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インフォメーション(005)
赤松正行

■MaxBook発売

Max/MSPに標準で付属する全オブジェクトを網羅したリファレンス・マニュアル「MaxBook」が(株)メガフュージョンから発売されました。A5版で860ページなんですが、厚めの紙質のために「トランスMaxエクスプレス」よりも分厚い書籍となっています。

この書籍はMax/MSP(4.1)に付属する英文Referenceの翻訳で、英語を読みこなすのは頭が痛いと思っていた人には朗報ではないでしょうか? 日本語なら流し読みするだけでも、いろいろと気がつくことが多いですからね。私も翻訳&監修作業をしながら、こんな機能もあったんだ、と発見した事柄も少なくないです(笑)。

しかし、分量が分量だけに、作業にあたった約半年間は結構苦しい日々でした。しかも、英文自体が難解だったり、長い歴史を反映したような間違いがあったりで、一筋縄ではいきません。IAMAS関係者からエキスパートの方々まで巻き込んでの人海作戦で、なんとか脱稿に漕ぎ着けたという次第です。

「MaxBook」製本版は、以下のサイトから購入できます。

http://www.megafusion.co.jp/megashoppers/soft.html

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■IAMASオープンハウス開催

このインフォメーションでも、IAMASという言葉が何度か出てきて、何だそれ?とお思いの方も多いと思います。IAMASは情報科学芸術大学院大学と国際情報科学芸術アカデミーという2つの学校の総称で、どちらの英語表記でも頭文字がIAMASになります。この学校は、一言で言えば、メディア教育機関ってことになるかと思いますが、メディアって何?と考えると深淵がのぞくので、深くは追求しないでおきます(笑)。つい最近では、UNESCOのDigital Arts Awardのホストもしていました。

そのIAMASでは、8月2日(明後日です〜)と3日にオープンハウスを開催し、私もMaxワークショップをちょこっと行います。残念ながら、Maxワークショップはすでに受講募集を締め切っていますが、秘密兵器のDSPBox(次回あたりで紹介できるかも?)の一般初公開を始め、さまざまな作品展示や研究発表、ワークショップ、イベントなどがありますから、お近くの方はぜひお越しくださいね。

オープンハウスなどIAMASの情報は、以下のWEBサイトをご覧ください。

http://www.iamas.ac.jp/

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■SCDS神戸開催

名古屋で定期的にSuperCollider Dame Schoolが開催されていますが、その特別編(?)として、SCDS神戸が9月の27日&28日の2日間限定で、神戸CAP HOUSEで開催されるそうです。SuperColliderは音響合成機能満載で音質的にも優れたフリーウェアとして有名!とは言うものの、このプログラミングとなると一朝一夕にはできません。というわけで、SuperColliderのプログラミングを学べるレクチャー&ワークショップは貴重な機会ですよね。定員まであと僅かということらしいので、興味のある方は即申し込むのが良さそうです。

http://www.iamas.ac.jp/~tn800/scds/

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■MaxでSC3コントロール

そのSuperColliderは、OS X向けのVersion 3の開発が進んでいます。これはSC Serverとも呼ばれ、内蔵のプログラミング言語だけでなく、他のアプリケーションからもコントロールできるシンセシス・サーバ方式になっています。このコントロールは、OpenSoundControlというプロトコルに準拠し、UDP/IPで行われます。と言うことは、Maxでもコントロールできるハズなんですが、このことに関する情報が乏しくて、パケット・ダンプまでしながら(泣)、ちょいと苦労しました。でも、分かってしまえば簡単。要はコマンドやパラメータをリストとしてOpenSoundControl&otudpオブジェクトに送るだけ、でした。

それでは、簡単に手順を紹介しておきましょう。まず、SuperCollider3を起動します。次に、テキスト・ウィンドウに、

s = Server.local;

とタイプ入力して、この行を選択してenterキーを押します。これで、変数sにシンセシス・サーバが代入されました。

同じく、次の3行を入力し、選択してenterキーを押せば、「sine」という名前のsynth(音響合成の単位)が定義されます。

SynthDef("sine", { arg out = 0, freq = 440.0, amp = 0.1;
Out.ar(out, SinOsc.ar(freq, 0, amp));
}).load(s);

実際にも、「synthdefs」フォルダに「sine.scsyndef」というファイルが生成され、いつでも利用できる状態になっています。

さらに、次の1文もタイプ&選択&enterしてください。

s.boot;

これで、シンセシス・サーバが起動します。localhost serverというウィンドウの「Boot」ボタンをクリックしても同じことです。

この後、SuperColliderなら、s.sendMsg("/s_new, "sine", 1000, 1, 0, 'freq', 440); などしますが、ここからはMaxに移ります。MaxはOS 9でもOS Xでも同じように操作できます。

Maxでは、「/s_new sine 1000 1 0 freq 440」といったメッセージをOpenSoundControlオブジェクトを経由して、otudpオブジェクトに送ります。つまり、SuperColliderでのパラメータから、クォーテーションやカンマを取り除いて、スペースで区切ったメッセージを送るということですね。otudpのアーギュメントには、write 127.0.0.1 57110といった具合に、送信を示すwriteと、IPアドレスとポート番号を与えます。IPアドレスは、同じコンピュータでSuperColliderもMaxも実行しているなら、127.0.0.1で構いません。他のコンピュータでSuperColliderを実行している場合は、そのコンピュータのIPアドレスを用います。ポート番号は、SuperColliderでシンセシス・サーバを起動した時に表示されますが、デフォルトでは57110です。ちなみに、複数のコンピュータを用いるならEthernetケーブルで繋ぐとか、スタンドアローンでも適当なIPアドレスを割り振るとか、IP関係の設定は事前にしておく必要があります。

さて、このようなメッセージを送れば、SuperCollider(のシンセシス・サーバ)は440Hzのサイン波を鳴らすはずです。ピッチを変えるには、「/n_set 1000 freq 880」といったメッセージを送ります。シンセシスの停止は、「/n_free 1000」です。この例での1000という数字はノードIDで、この番号を通じてsynthをコントロールします。異なるノードIDを与えれば、コンピュータの処理能力が許す限り、いくつでもsynthを起動して、個別にコントロールできるわけです。ね、簡単でしょ?...なんだけど、SuperColliderを使いこなす&お望みのsynthを定義するには、その言語を理解しなければならないわけですが...

実際のパッチは、以下のリンクをクリックしてダウンロードし、参考にしてください。また、SuperCollider3や関連オブジェクトをダウンロードするサイトも揚げておきます。

今回紹介したサンプル・パッチ:
dspmag1016Max2SC.sit

SuperCollider3:(SuperCollider3 binary snapshotをダウンロードするのが手軽です。)

http://sourceforge.net/projects/supercollider

OpenSoundControlオブジェクトとotudpオブジェクト:

http://cnmat.cnmat.berkeley.edu/Max/

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