1012 : Jitterビギナーズ・チュートリアル(001) : 後藤英 


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DSPマガジン 2003.05.21 No.1012
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Jitterビギナーズ・チュートリアル(001)

後藤 英


このビギナーズ・チュートリアルは、Jitterを初めて学ぶための前知識として役立つように想定された。基礎をできるだけ分かり易く理解してもらうための目的ではあるが、Jitterの使用方法を習得するのは容易ではない。なぜなら、Jitterには様々な機能が含まれており、オブジェクトの数も多いためだけでなく、概念も少し異なることにもよる。 ここでは、Jitterを理解するために、基本となる考え方を紹介しておく。映像に経験のある人やプログラミングを経験のある人にとっては、あまり重要でないものに感じてしまうかもしれない。しかし、Max/MSPユーザーの間で、MIDIやオーディオしか経験がなく、映像関係の経験があまりない人も少なくはないことだろう。Jitterをこれから学ぼうとする人にとっても、この考え方は実際のオブジェクトの扱い方に役立つことだろう。


1.Jitterについて

JitterはMaxでの、ヴィデオ、3Dグラフィクスのための約120からなるオブジェクトのライブラリーである。マトリクスというデータを操作、処理する方法が特徴である。ヴィデオでは、通常のフィルターなどを用いたイメージプロセッシングから成るものから、クイックタイムの機能を使用したもの、数学的操作を応用したもの、映像の分析、変換、ハードウエアの対応など、様々な機能が含まれる。また、OpenGLを用いて、3Dのオブジェクトのレンダリング、幾何学模様、パーティクルなどリアルタイムで扱うことができる。
ちなみに、Maxのオブジェクトでつながれた線は黒色で、MSPでは黄色と黒色の線であるが、Jitterのオブジェクトどうしでつながれた線は緑色になる。


2.QuickTimeムービーの再生方法

・01.jit.qt.movieのフォルダーの中のqt.Movie.tutorial01.patのパッチを開く。

このチュートリアルは、ウィンドウ内でクイックタイム・ムービーを再生するためのものである。このパッチには二つのJitterのオブジェクト、jit.qt.movieとjit.windowがある。オブジェクトjit.windowは、スクリーン上でウィンドウを自動的に開く。オブジェクトjit.qt.movieではクイックタイム・ムービーを読み込むことができ、さらに再生することが可能である。

メッセージのreadをクリックすることによって、ダイアローグ・ボックスが開き、 QuickTime ムービーのファイルを選択することができる。

ディフォルトでは、jit.qt.movieは開くと同時にムービーが再生され始められる。(別の方法では、ファイルを開く前にautosatrt 0をjit.qt.movieに送ることによって、この行為を変えることができる。しかし、今のところでは、ディフォルトの方法のままで良いだろう。)jit.qt.movieはムービーを再生するとは言いながらも、現時点では、まだウィンドウでは表示されていない。Metroのオブジェクトのtoggleのオブジェクトをオンにすることによって、ムービーの再生が始まる。

ちなみに「QuickTimeムービーを再生する」と考えることは、Jitterでは実際には以下のような2つの考え方に分類される。

1.ハードディスク上でのファイルから、ムービーのデーターのそれぞれのフレームをRAMに読むこと。
2.RAM内でのデータを得て、スクリーン上に色彩のピクセルとして表示すること。

1はjit.qt.movieで行われ、2はjit.windowで行われる。しかし、jit.windowが何を表示するかを知るために、これらの二つのオブジェクトはお互いにコミュニケートする必要がある。このJitterでのコミュニケーションの考え方については、別の機会に詳しく説明することにしよう。この考え方は、Jitterの特徴であるマトリクスとそのデータの概念にも関係していることになる。


3. QuickTime ムービーの再生速度

ムービーはjit.qt,movieで再生される。しかし、それぞれのフレームを表示するために毎回bangを送る必要がある。ディスプレイのjit.windowに次々とフレームを表示することにより、ある速度で常に進行しているかのように表示される。従って、jit.qt.movieにその速度でbangのメッセージを送れば、常に進行しているビデオとして表示されることになる。

・metroのオブジェクトを始めるために「Play」と記されてtoggleのオブジェクトをクリックする。1秒間に25回(毎40ミリ秒)の速度(レート)でbangを送り続ける。それは、このビデオの毎フレームを表示するために十分な速度であろう。bangのメッセージが続く限り、ムービーのウィンドウに表示される。

・metroを停止させるためにtoggleを再びクリックする。ムービーのウィンドウを進行を停止することとは、つまり、最後に表示された何らかのフレームの静止画像のみを見ることと同じ考え方である。従って、jit.windowは静止しているように見える。

・metroのすぐ下のbuttonをクリックすることにより、ムービーがコマ送りで 進行することを確認することができる。すなわち、これによって、その時点のフレームのムービーのウィンドウを進行することができる。これを数回くり返すことにより、ムービーがマウスのクリックにより進行することが見受けられることになるだろう。

要約すれば、jit.qt.movieは、ムービーの通常の速度で、QuickTimeムービーのビデオをフレームからフレームへと続けて読んでいる。jit.qt.movieはbangを受ける時に、jit.windowにデータ(唯一のビデオのフレーム)の場所とコミュニケートする。それゆえ、bangを受ける時のいかなるjit.qt.movieに含まれるフレームは、jit.windowで表示されるデーターである。


さて、次回は再びMSPのビギナーズ・チュートリアルになる。その後は、JitterでのQuickTimeムービーの再生方法とその表示のチュートリアルを続けることにしよう。

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本稿で説明したパッチは、以下のリンクをクリックしてダウンロードできます。
JBT001files.sit

パッチで利用できるムービーは、以下のリンクをクリックしてダウンロードできます。(2.3MB)
JBT001movies.sit

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