サンホセ国際空港近くの小さなホテルAdventure Inn、6時起床。昨夜はチェックイン後、ホテルのバーでビールを飲み、11時過ぎには就寝できたので体調がいい。朝食は6時半からなので、双眼鏡を持って表へ出る。庭で小鳥でも見ようと思ったのだが、駐車スペースに2、3本の木が立っている程度で、鳥は期待できそうもない。 通りに出てみると、数十メートル先の路上に50羽程のアカハシリュウキュウガモ の集団が見える。初見なので急いでカメラをとりに戻り駆けつける。昨夜、空港からのタクシーが表通りからこの非舗装の道へ入る時に、小さな池が2つあり白いガチョウが2羽いるのが目に入ったが、こんなに沢山のカモがいるとは思わなかった。早速、しゃがみこんでアカハシリュウキュウガモBlack-bellied Whistling-Duckの撮影にとりかかるが、餌をもらえると勘違いしたのだろう周りを幾重にも取り囲まれ、近過ぎて撮影できない。仕方がないので立ち上がって少し離れた集団を撮影する。他にはガチョウ、Muscovey Duck由来のアヒル、Blue-winged Teal、ハト2種White-winged Dove、Inca Dove、ツグミ1種Moutain Robinを見る。


更に住宅地に奥に進み、Great-tailed Grackle、Blue-gray Tanager 等を見てウォーミングアップを終了。池の横ではカモ達がおじさんから雑穀をもらっていた。
8時に迎えの車に乗り込み、ザベグレ 渓谷へ向け出発。途中サンホセの街のなかに入って渋滞につかまることもなく、ハイウェイ(国道2号線)に合流。空港近くのホテルに泊まって正解だった。出発から1時間半強して国道を右手に降り、雲のなかの急な渓谷の山道を下りはじめる。10時ちょうどにホテル着。ホテルは完全に雲の下で、道中降っていた雨も止んでいた。フロントとレストランの入り口脇にハチドリ用のフィーダーが2つあり賑わっていた。チェックインを済ませて、早速観察に移る。ぱっと見、5、6種くらいに見えたが、図鑑片手にチェックすると、Green Violet-ear、Magnificient Hummingbird、White-throated Mountain-Gemの3種だけだった。ハチドリは雌雄、飾り羽を立てた時と寝かせたときの違いは勿論であるが、体勢によってずんぐりにもスマートにも見える。部屋へ荷物を置いて来ようと両手にリュックを抱えて最奥の自分のコテージに向かおうとしていると、目の前をオスのケツァールが飛んで行く。両手がふさがっていて、呆然と見送るしかすべがなかった。直ぐに後を追い見通しの利く場所まで出るが、既に姿はなかった。兎にも角にも、No.1ターゲットのライファーをゲットできたので、初対面はこれでよしとしよう。リュックを放り投げた場所まで戻ると、Long-tailed Silky Flycatcherが飛んで来た。ここの目玉の1つに据えていたのでうれしい。自分のコテージに登って行く途中で、Slaty Flowerpiercerとドングリキツツキをゲット。荷物を置いて戻って来て再びLong-tailed Silky Flycatcherを観察した後、 Tropical Kingbirdを見て表通りの方へ出る。


平行して流れるザベグレ川をサーチするが、ホテルのリストにあったクビワヤマセミや他の鳥は見当たらず、代りにクロコンドルBlack Vultureやトカゲの写真を数枚撮る。道路を来た国道方向とは逆に歩いてみることにする。10分ちょっと歩いたところで、道は滝へのハイキングコースと分かれ左に曲がって上り坂となっていた。マイクロバスが1台と乗用車が3台程路肩に止まっていた。マイクロバスの客だろう、木陰でモーニングティーを楽しんでいる。今日は日曜なのでハイキングにきているのだろうか?直進して滝へのトレイルを進むことにする。しばらくは鳥影はちょくちょく見かけるが、なかなか認識まで至らない欲求不満の時間が続く。突然、ホットスポットに行き当たり、Ruddy Treerunner、Spangle-cheeked Tanager、Yellow-thighted Finch、Ruddy-capped Nightingale-Thrush、Clay-colored Robin、Blue-gray Tanagerなどをほとんど同じ地点から観察する。なかでもCollared Redstartはとりわけ可愛かった。満足な証拠写真が撮れなかったので、戻って来るのをしばらく待つが、時間切れ。ホテルに昼食へ戻る。
朝には掛かっていなかったハチドリ用のフィーダーをレストランの外に見つけたので、昼食は外のテーブルでハチドリを眺めながら摂ることにする。朝見た3種に加えて、小型ハチドリ2種Volcano Hummingbird、Scintillant Hummingbirdを見る。ほとんどがメスか若いオスで、成熟したオスは Volcanoが一度来たのみだったが、まともな写真は撮れなかった。午後は1時からガイドを頼んでいたのでフロントの前で待っていると、 Violet Sabrewingが やって来た。前回モンテベルデのHummingbird Galleryで最も目立っていたハチドリだ。此処のバードリストでは見易さのレベルは5段階評価の5!ちなみに今日見た他の5種はレベル1!しばらく待ったがガイドは現れないのでフロントに聞いてみると、バードウォッチングは明日の朝だろうと言われる。確かに最初は2日めの朝だけバードウォッチングツアーを頼んでいたのだが、後から今日の午後のガイドも追加で頼んで、予約番号まで付いた確定メールを受け取っていた。チェックイン時にも確認しておいたのだが....。プリントアウトして持って来たメールを指し示して抗議すると、非を認めて何カ所かに電話してくれる。ガイドは皆他の客と出かけてしまっている様で、4時から6時までならガイド可能ということなので、それでお願いする。いくつか読んだ探鳥記によると、小型ピックアップトラックの荷台に乗ってホテルの裏山を登って行きケツァールや他の鳥のいる場所に連れて行ってくれる様だ。見渡して判断すると徒歩でも4時までに行って帰って来れそうだったので、行けるところまで行ってみることにする。裏山を少し登ったところに小さな果樹園があり、インコSulphur-winged Parakeetの小群が飛来したので、しばし観察する。登り坂で一汗かいたころ、トレイルの標識に出会う。インコと別れてからは鳥はさっぱりだったので、森の中のトレイルを行くことにする。気温が急に下がり、湿度は逆に急上昇して今にも美しい鳥が現れそうな雰囲気だったが、そう上手くはいかない。どこかで再び林道と合流すると思っていたが、しばらくして開けた場所に出てしまった。予想に反して此処から先はホテルへ下山するトレイルとなっている様だ。林道まで引き返して上を目指そうとも思ったが、一休みして山並みを眺めているうちに気力が萎えてしまいこのまま下山することにする。

結局1時間ちょっと"散歩" しただけでロッジに戻って来てしまった。庭でSooty-capped Bush-Tanager等の鳥や蝶類を観察した後、部屋で一休み。3:50部屋を出て、フロントの方へ下りて行く。ちょうど20人弱の団体が小型バスで戻ってきた。持ち物からバーディングツアーの一行とわかる。フロントの近くまで行くと、見覚えのあるような顔のおじさんが待っていた。ある探鳥記に写真が載っていたガイドのMarinoさんだ。 「4時から1時間のバードウォッチングの客はお前か?」と聞かれたので、「そうだと思うけど2時間のはずだけど...」と曖昧な返事をしていると、「ケツァールを見に行くんだろう?さっさと乗れよ。」と促されてバギーに乗り込む。バギーは裏山ではなく表の道路の方へ下って行くのでその疑問を口にすると、先ずは一番近いポイントを見てみようとのことだった。向かった先は午前中に行った滝へのトレイルの入り口から右に折れ少し登った所だった。

道路脇の樹に巣穴があった。先客のアメリカ人ご夫婦と共に待つことにする。話しをしていると、今日の2時頃ご主人の弟(兄)さんがヒナが飛び出すところを目撃したので、自分達も見ようとこうして待っているとのことだった。Marinoさんがヒナも飛び出したのか?と確認する。彼によると、それが正に巣立ちの瞬間で一旦巣立ってしまうと親もヒナも二度と戻って来ないそうだ。滝へのトレイルを少し入ったあたりを探したが見つからなかった。代りにBlack GuanとGreen-crowned Brilliantを見る。上の方にあるポイントへ行ってみようと言うことで、ホテルへ戻る。裏山の林道を登る前に敷地内のリトルアボカドの木をチェックしに行くと、ケツァールではなくチュウハシEmerald Toucanetが実を食べに来ていた。しばらく観察した後バギーに乗って敷地を出たところで、数人のバーダーに出会う。先刻見た団体の有志(元気の残っている人達)が敷地内を探鳥しているようだ。向こうの樹にケツアールがとまっていると教えてくれる。灯台下暗し、そこは私の部屋の真横にある樹だった。
ファインダー越しの姿は暗くて駄目だが、双眼鏡では十分にその鮮やかな色を堪能できた。葉の間から抜けて見える位置を色々探すが、背後から狙う位置と正面下から見上げる位置の2ポイントしか見つからなかった。15分か20分楽しませてくれた後、飛び去り時間も5時になる。Marinoさんがこれからアメリカ人の夫婦とフクロウ&ヨタカを見に行くけど、お前も行かないかと誘う。自分ははなから2時間のつもりでいたので、勿論行くと答える。フロント前で待つKazさんご夫妻の前でバギーを降り、準備に戻ったMarinoさんを待つ。Kaz
さんに指摘されて、同じカメラを持っていることに気付く。よく見るとレンズまで同じだ。私がそう言うと、三脚を使わなくていいからこのレンズを使ってるんだとの答え。理由まで同じだ。更に双眼鏡まで同じことを発見する。欧州3大メーカの同等品の半分の価格なので、コストパフォーマンスの点からこれを使っている。Marinoさんが運転する小型ピックアップトラックの助手席に奥さんが、荷台に旦那さんと私が乗り込み、裏山の林道を登る。ヨタカポイントでStreak-breasted
Treehunter等を見ながら暗くなるのを待つ。暗くなってDusky Nightjar を何度か短時間だけ双眼鏡で捉えることができたが、シャッターをきるまでじっとしていてはくれなかった。いつしか空には満月が輝いている。

トラックでさらに上まで登り、Bare-shanked Screech-Owlをゲットしてこの日の探鳥を終了。