ポルトPassos Manuel
ぼくは声そのものにエフェクトをかけるのを好まない。
深夜0時からの演奏前、
招かれているアーティストたちの晩餐会があり、
いかにもおいしそうな隠れ家のようなレストランに。
ところが98%の喫煙率で、
煙に相当敏感な鼻と喉のせいで、
前菜の前のパンをつまんだだけで退散した。
ここポルトガルは喫煙天国である。
少しホテルで休むことにして、
ペドロと待ち合わせ時間を決めようと
時計を見ると、ぼくの時計は1時間狂っていた。
「それはスペインの時間だ」とペドロが笑った。
彼はポルトガル人の知らない
日本人なら誰でも知ってる宣教師フランシスコ・ザビエルを思わせる風貌だ。
演奏の会場は、元映画館で、支配人と娘さんとエンジニアが迎えてくれた。
支配人はとても素敵な叔父様という雰囲気、娘は45歳くらいか。
「ポルトワインは飲むかい?」
「いまはいいです」
「じゃあ、あとで用意しとくよ」
開演時間になり、人もロビーに溢れたが
一向にホールに入ってこないので、
のんびり口琴から演奏をはじめた。
どこにいるのかわからない時間のうねり、
口琴、テルミンを演奏しているとそうなることが多い。
今日はシェイクシェイクをひとつ持参。
miniKAOSにつなげてみた。
ぼくは声そのものにエフェクトをかけるのを好まない。
すべてが遠くに行ってしまうから。
やっぱり生が最高にぐっとくる。
それでもテクノロジーは現代を映す装置として興味深い。
録音された音によって形成される自己。
ラカンなら鏡像段階だろうが、こちらは聴像段階か。
シェイクシェイクのサンプリングに
エフェクトされた声が周辺に飛び回った。
Posted: 金 - 11月 2, 2007 at 11:06 午後