セントマークスチャーチ
「フランシス・ベーコンは死ぬまで同じスタイルで、とやかく言われたでしょうか」
この旅のもうひとつの目的は、リチャード・フォアマンの新作を観るためである。『ZOMBOID』というタイトルのほかにフィルムパフォーマンスの第一回とある。昨年、リチャードが「いままでみたいな作品は、今回で終わりだ」と、神妙な顔で言うので、ちょっぴり感傷的になったものだ。なんでもメルボルンで講義をした時に、新しいアイデアが浮かんだらしいのだけど、ニューヨークタイムスのインタビューで「新しいスタイルにするというのは、リスキーではないですか?」という質問の答えの最後に、「フランシス・ベーコンは死ぬまで同じスタイルで、とやかく言われたでしょうか」ということを言っていたのを読んで安心していた。午後7時半前に劇場に着くと、リチャードが入口にいた。「11月に京都に行くよ」「なにか手伝えればいいけど」「芝居は?」「来月、ジブリッシュで芝居をつくります」「ZOMBOID
」にもジブリッシュが出てくるよ」「それとフレーブニコフの詩も使って」「あのロシア語をどうやって日本語にするのかね」そうこうしているうちに待ち合わせしていたJZが来た。「そのズボンは何?」ブルーの迷彩ズボンを見てリチャードが言った。「新しいプロジェクトにわくわくしてますよ。体調は?」リチャードは、昨年心臓のバイパス手術をしたのだった。「問題ないよ」たしかに昨年よりかなり痩せていた。さて、劇場に入るといつものように張り巡らされた糸。糸に意図あり。ヘブライ語の描かれた大きな眼球。>>>>>>>>>>
Posted: 月 - 3月 20, 2006