餃子は続くよどこまでも・・・
国境を越えて旅をするとそれぞれの国の移り変わりが味わえるのは陸路で
移動する楽しみの一つです。私の場合は特に食事です。中国国内でも南では米
が豊富で小麦の麺よりも米も麺の方が多く、食堂で白米を頼んでも洗面器一杯
できますし、野菜も豊富で安い!
しかし、敦煌あたりから新彊地区に入るとあんなに豊富にあった食材も貧
弱になり、米に変わって小麦がメインになってきます。「盤面」といううどん
と具がそれぞれお皿にのっています。牛皿にご飯ってな感じでしょうか。具を
かけてたべる焼きうどんのようなものです。その他、ポロフという羊肉の入っ
たピラフがこの地方の代表的な料理のでした。
このピラフはウズベキスタンの代表的な料理でもあります。もちろんこれ
らにつづき、羊の串焼きは言うまでもありませんが・・・ そして、私の大好
物の豚肉もほとんど食べることができなくなります。ムスリムが多いためか、
それとも豚が少ないのかよくわかりませんが、肉といえば羊です。そしてこの
羊食はイランまで続きます。新彊地区に入ってから以後、羊との付き合いは長
くなるなー、と覚悟はしていたものの、「毎日羊はやはりつらい!」なんだか
口もくさいし、次第に体まで肉の匂いがただよいそうな勢いでした。
カザフスタンのアルマトゥは近代的な町なのでピザやカレー屋さんがあり
ましたが、やはり基本的には羊。ウズベキスタンでも、いくらかハーブのよう
なものが添えられますがやっぱり羊の串焼きの毎日。キルギスタンで羊以外の
ものが食べたいと、食堂に入ったところ、マンティ(と私には聞こえました)
といったものがでてきました。マントウといえば中国では肉まんの皮だけの饅
頭です。マントウがくるのかな?なんて言いながら料理をまっていると、来た
ものはまさに「水餃子」です。でも、ロシア風。スープはトマト味、少し厚め
の皮につつまれたその中身はニラではなくハーブです。少し餃子にしては形が
大きいものの、テーブルに出された瞬間「これって餃子だよね」と二人で声を
そろえて思わずよろこんでしまいました。「餃子がここまできているなんて」
と思いながら羊の串焼きでつかれた胃を癒した一日でした。(でもこの餃子の
中身の肉も羊なのです)
まぁ驚くのはまだ早い。キルギスは山を越えれば中国。餃子があってもお
かしくない。次に私が餃子に出会ったのはアルメニアでした。ヒンカリといっ
てアルメニアの料理だと。出されたものはこれまた餃子。キルギスのものと大
差はありませんが、上に、サワークリームがかかっていたりしてちょっとしゃ
れた餃子でした。アルメニアからイランに行くとすっかり餃子やピラフは姿を
みせなくなり、白米にシシカバブ以外、食堂では食べることができないといっ
ても過言ではありません。
アルメニアまであった餃子は、となりのイランにはないなんて、それぞれ
の国の「食」って本当に興味深いですね。でもよくよく考えるとイタリア料理
のラビオリも餃子か?うーん。いったいあの小麦の皮でつつむ料理はどこが始
まりなんでしょう?