ヴォーリ ズらしさにあふれた珠玉の小品
旧水口図書館の概要
イ オニア 式円柱を配した玄関ドア上のドームには、灯火と本とオリーブがあしら われ、
「知の館」にふさわしいイメージを演出していま
す
滋賀県ゆかりの人物として知ら
れ、宗教家・社会事業者と しても大きな足跡を残した建築家ウィリアム.メレル.ヴォーリズ(1880〜1964)は、教会や学校、住宅や店舗など幅広い分野に数多くの作品を残して いますが、この 建物は戦前における最盛期の作品として知られています。
ヴォーリズの作品は特定の様式にこだわらず、使い手の立場を 大切するところ に力を 注がれています。簡素でありながら清潔感にあふれ、しかも高い実用性を備えていることに特徴があります。
旧水口図書館は住宅のような小規模な建物ですが、シンプルな中にも玄関やバ ルコニー、塔屋上のランタンなどに「知の館」にふさわしいデザインが見 られます。また公共図書館でありながら、立地上小学生の利用を念頭においた設計態度がうかがわれ、多くの人に親しまれました。
ながく放置されていたため、建物はいたみが目立ちましたが、今回の保存改修工事により往時の姿がよみがえり、改めて建物としての魅力を再発見できるように なりました。
【建物概 要】
鉄筋コン クリート2階建(一部レンガ造) 塔屋付・陸屋根 施工者未詳 建築面積 52平方メートル
昭和3年竣工 昭和45年まで公共図書館として利用
平成14年まで 水口教科書センターとして利用
平成13年10月 国の登録有形文化財となる
平成16年9月 保存改修工事に着手する
平成16年3月 保存改修工事が完了
【保存工事写真】
■昭和40年代後半の建物 ■改修前の建物外観
風雨を直接受けるため痛みは早く、昭和52年頃には塔屋上のランタンがなくなり
建物だけでなく庭も荒れてしまいました
■改修前の2階旧閲覧室
1970年から 30年間ほとん ど使われなかったため、強い湿気と雨漏れで
ひどく傷んでいました
。工事は膨大な
図書類の移転からはじまりました
■改修工事のようす
→
主要な構造を除 き、壁はレンガ積みでした、当時 としてはよくある手法のようです
床板や階段建具もすべてていねいに解体し、 使える ものはすべて再利用されました
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