故
郷への熱い思い 井上
好三郎氏(1881〜
1943)

旧水口図書館は水口出身の実業家井上好三郎さんの寄付により、昭和3年(1928)に建てられました。今から76年も前のことです。明治
14年、宿場町の面影を残す市街中島町に生まれた井上さんは、15歳のとき大阪に出て金物商に勤めます。
人一倍努力し、常に周囲の模範となる働きをしたことから、店主の井上家に見込まれ養子となり、やがてねじ釘やボルトなど建築用金物を扱って業界屈指の商
店として発展させ、大きな成功をおさめました(現井上鋲螺工業株式会社)。
当時の経済人には、利益を求めるだけでなく、それを通じて社会に対し貢献する人が少なくありませんでした。井上さんも故郷である水口を忘れることなく、
水口図書館の新築を思い立ち、建築費用の11,000円の全額を寄付し、ヴォーリズ建築事務所に設計を依頼、昭和3年秋に竣工。以後この建物は昭和45年
(1970)まで「水
口町立水口図書館」として使用され、多くの人に本と出会う楽しさを提供しました。
井上さんの故郷に対する思いを、これからも大切にしたいものです。

図書館を背景に卒業写真(昭和5年頃) 昭和3年10月25日竣工・寄贈を示す銘板