アメリカの覇権主義を支える日本の弱み
アメリカが「世界の警察官」になるという新しい覇権体制を「新世界秩序」として確立しようとするならせめて「アメリカは、隠然とした帝国から、自覚した帝国に変身すべきだ」と枯れた主張している人がいることを
「田中宇の国際ニュース解説」
で知った。ニオール・ファーガソン(Niall
Ferguson)。イギリスの歴史学者。さすが元帝国の住民らしくその視点はかなり枯れている。
詳しくは、田中氏のサイトで読んでいただくとして、僕が注目したのは
「イギリスは支配した国のインフラ整備や国家建設のために巨額の投資を行っていたが、今のアメリカはイラクやアフガニスタンに対して軍事費以外の資金をあまり投入していない」
という記述。
今のアメリカは、新たに直接支配するようになったアフガニスタンとイラクに対し、軍事費(GDPの1−2%)以外に、ほとんど金を出していない。民間投資も、アメリカから世界への投資額の1%しか中東に向かっていない(大半は欧州と東アジア向け)。
人材的にも、今のアメリカは支配した国に自国の人材を投入していないという。かつて大英帝国の時代には、1500万人のイギリス国民が海外植民地で暮らし、植民地経営に貢献していた。今のアメリカは400万人しか海外におらず、しかもほとんどはカナダ、メキシコ、西欧に集中しており、中東には少ない。
アメリカ政府は「中東を民主化する」といいながら、アラビア語が話せてアラブ情勢に詳しい人々(アラビスト)を積極採用することをやっていない。むしろ逆にアラビストは「親アラブ」とみなされ、911後は冷や飯を食わされたり、下手をするとテロリストの嫌疑を掛けられて逮捕されたりするケースが増えている。イラク復興を主に取り仕切っているのは、アラビストが比較的多い国務省ではなく、アラブを毛嫌いするイスラエル右派を支持する人々(ネオコン)が高官をしている国防総省である。
さらに田中は、アメリカは行政面だけでなく軍事面でさえ、イラク関連の出費をケチっているとした上で、
米国債を大量に買っているのは、日本と中国である。ドルの暴落は、日本にも破壊的な影響を与える。小泉首相が「何が何でもイラクに自衛隊を派遣する」と言っているのは、もしかすると、アメリカがイラク戦争に勝てないという印象が世界に広がってドルが暴落すると日本も破綻するので、それを防ぐための下支えとしてやっているのかもしれない。
とファーガソンに刺激されて書いている。
かなり枯れた視点だが、「そんことはない」と言い切れないところにこの記事の枯淡がある。
是非、お読みいただきたい。
Posted @
金 - 12月
5, 2003
02:21 午前
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