Podcastingとラジオの違いを酔考する 


岡村さんから質問が出ていた、Podcasting のラジオとは異なる特徴について、寝つけぬ夜に動かぬ頭をアルコールで揺すりながら酔考してみました。

Podcastingの日本語番組で上位にランキングされているものは、おおよそ以下のように分類されます。
(ご注意:ここでのハイパーリンクはすべてiTune用のものです。クリックするとiTuneが立ち上がるはずです)。

1. タレント系(ほぼ日刊イトイ新聞よしもとハイブリッド・アワー週刊!木村剛
2. メディア系(Podcast802URUMAX放送部78.0MHz ラジオ日経ラジオSOTOKOTO
3. マーケティング系(イングリッシュビタミン・ポッダーシネマPeoole
4. フェロモン系(モモ&YOU☆の声日記nana-life
5. 音楽情報系(Sappro Beer Tokyo Hot 100 J-Wave 、InterFM Podcast/OFF THE MIC
6. インディペンデント系(PortSide Station

これらは、iTune Music StoreのPodcastingコーナーにおける登録トップ30位の雰囲気を直感で分類したものです。
根拠はありません。なんとなく、そんな風に分けられそうだという程度のものです。

さて…… 


大半の番組は我がPortSide Station を含めて一度聴けばそれで十分というものですし、わざわざ保存してコレクションしたくなるようなものは少ないのが現状です。
逆に言うと、持ち歩いて聴くに値する番組か、保存して繰り返し聴きたくなるような番組は、まだほとんどないといえましょう。
もう少し定着したところでリスナー調査をしてみないと正確なところはわかりませんが、リスナーはしたたかですし、第一Podcastingでダウンロードした番組はハードディスクの容量をそれなりに喰いますから、とりあえずダウンロードしても、いらないものは片っ端から削除していくことになると思われます。

いったいどんな番組を提供する局がそうした流れの中で生き残っていくのかは未知数ですが、現時点で言えることは、タレント系の番組はとりあえず強いということは確かです。有名人・スターはその内容にかかわらず、その人に好意を持つ人々の間でのハブ機能を持っているからなのでしょう。

しかし、iTune Music Store日本版オープン以来、トップを維持していた「ほぼ日刊イトイ新聞」の三浦じゅんの恩返し番組 が終戦記念日を境に、Sappro Beer Tokyo Hot 100 J-Wave にその座を奪われたことは、注目に値します。タレント系番組よりも音楽情報系番組への期待感が大きいということを示唆しているからです。

Sappro Beer Tokyo Hot 100 J-Wave は、実際に聴いてみると音楽の配信はなく、苦労して時間をかけてダウンロードした人はきっとがっかりしていることでしょう。音楽のない音楽情報なんて、メモリーのないデジカメや、電池の切れた懐中電灯のようなもので、なんの役にも立たない。なのにダウンロードが突如集中していることの裏にはきっとなにかがあるに違いありません。

さて、本題である、Podcastingとラジオの違いについて酔った頭をシェイクしながら考えると、Podcastingサイトの評価のポイントは、日々のコンテンツのダウンロード数になるのだと思われます。ラジオはどうやって調べるのだかわからないけれどTVの視聴率にも似た聴衆率のようなものがあるんでしょうね。(調べなくては)。

Podcastingの場合は、ラジオと違って、番組の総ダウンロード数こそが命になるではないかと予想しています。最終的に、保存されようが、捨てられようがね。

ここで私が言う総ダウンロード数とは、シリーズ番組としてのダウンロード数です。1回1回の個別の番組のダウンロード数ではありません。Podcastingはダウンロードして、聴かれて、納得して、リピートして次の番組がダウンロードされなければ、本当の意味で聴かれたことにならないと思うからです。つまらなければ、あるいは役に立たないと思えば、途中でさっさと連続して聴くことをやめてしまうのがTalk系のPodcasitingの宿命のように思われます。短期間ですが、現在のPortSide Station のログからは、そんな傾向が読み取れるような気がします。シリーズ番組のログ・データを見ていると、1回目の番組よりは、2回目の番組の方が若干ダウンロード数が低くなる傾向があるからです。

ワン・トゥ・ワン・マーケティングに精通した人なら、そこから新規に獲得した顧客は時間と共に必ず減衰していくというコーホート(Cohort)の法則を思い浮かべる人もいるでしょう。Podcasitingにおける番組はシリーズ全体での顧客獲得数(=ダウンロード数)で評価されるべきだという根拠でもあります。

ところで、現在のiTune Music Store経由でのPodcastingの場合は、人気サイトになったとしても現状のままではリスナー特性を調べることができないという問題点があります。iTune Music StoreのPodcastingって実はワン・ウェイ(一方通行)なんですよ。リスナーとの対話のチャネルを持たない。一応、「ウェブサイト→」へジャンプさせるリンクボタンなんか用意されていますが、サービスが始まって以来数万件のダウンロードがあるのにもかかわらず、ホンの数人しか押さない。(niftyなんかのPodcastingはどうなっちるのか知っている人がいたら教えて下さい)。

これは大きな問題でして、どんな人がどれだけ聴いているのかを気にしようとしても、最低でもどこから来ているのかを調べようとしても単純には明瞭にならない。わかるのはどのコンテンツがどれだけダウンロードされたかだけ。商業的に広告を取ろうとしたら、プレゼントをエサにアンケート調査を仕掛けるなど別の工夫をしてリスナー特性を調べなければならないことになります。

そんな状況の中でマーケティング系のコンテンツはPodcastingの特性を活かせる番組ジャンルのひとつかもしれません。それらの番組は、目的が明白であろう人が聴くからです。たとえば、英会話のようなeLaraning的なものは毎日聴いて少しずつ英語力を高めようという目的があると思われる人が番組を聴くのですから……。(そういう意味ではラジオも同じだなあ)。

気軽に聴けて、それなりに役だって、捨てにくい……つまり、リスナーに対する明快なメッセージを持った番組。こそがこれがpodcastingで番組を制作するときの基本となるでしょう。ラジオを意識して別の言い方をすれば、Podcastingの場合は、持ち歩いて聴くに値する番組か、保存して繰り返し聴きたくなるような番組を提供することによって、リスナーを選択すべしということになります。

おそらく、こうした発想での番組作りはマス・メディアが不得意とするところなんじゃないでしょうか。いまだに、量の発想から抜け出すことができなからです。たくさん見てくれるから、聴いてくれるからというボリュームの幻想の枠から抜け出せないままに番組が制作されている例が多いように感じています。

たしかに、ナショナル・クライアントを広告主にするには、ボリュームの発想も必要でしょう。みんなと一緒のものを持ちたがるような人々を相手にする場合は、それなりのボリューム発想をしなければ効率が悪くなると思います。ですから、人と同じもの、流行っているものを持ちたがる人が存在する限りマス・メディアは長嶋茂雄的ジャイアンツのように不滅です?

しかし、ボリュームの幻想を捨てれば、ニーズやウォンツに応じて少数でもそれなりに顧客(リスナー)が存在することに気づくはずです。とりあえず、PortSide Station は、そんな番組つくりをめざしていますが、残念ながら現実にはまだそこまで到達していません。

そうだ、岡村さんからもらったお題はPodcasting のラジオとは異なる特徴でしたね。酔った頭では……、酔っていなくても惚けた頭ではなかなか明快な結論にはたどり着けません。鎌倉さん のように、頭脳明晰だとモノローグでもそれなりの結論を出せるのですがね。また、次回(いつになるやら)ということで、今晩はgood night.
 


Posted @ 月 - 8月 15, 2005   01:37 午前
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