ホームシアターを見るのに6台のリモコンが必要! 


終電を降りて駅の階段を上り下りした後、首からさげたメガネをかけ直したらツルの冷たさがカリーンと耳に伝わった。昔はメガネもかけっぱなしでそんなことを感じることもなかったのに……。タクシーを待つ一瞬、季節を感じた。たまたま暦通りに寒いここ数日だ。大寒(21日)にはちょっとすぎたけれど、季節はいつもそれなりの方法でメッセージを送ってくる。
都会人として期待するのは、大雪による都市機能のマヒなのだが、天はそうそうご都合よく采配してくれない。 


それはさておき、友人の空飛ぶペンギンことトビーさんが先週自宅に最新のホームシアター施設を導入した。地デジ導入に絡んで5.1サラウンド・システムを入れたのだ。しかも話の様子から類推すると可処分所得の多い独身オジサンならではの贅沢な選択でそれを構成したようだ。うらやましい限りである。

酔っぱらって聞いていたので正確なシステム構成を書くことはむずかしいけれど、オーディオ・アンプはYMAHAのなんたらという売れ筋。
HDレコーダーはIOのRecOn。スピーカーシステムはBOSE。それに地デジを見られるCATVチューナーとTVとDVDプレーヤー。トビーさんの自慢はそのシステムで再生するというか観るTVはこれまでとまったく違うものだというものだった。

僕だってそんな環境が欲しいのに……。人より先にそれを実現したトビーさんにはちょっぴり嫉妬を感じた。

しかし、嫉妬を抑えておかしかったのは、単一メーカーの製品で構成せずにカタログ・スペックを片手に最善のものを選択した結果としてリモコンが6台となってしまったという話だった。

テレビを見ようと思ったら、まずTVのリモコンを取り上げて電源ボタンを押し。次に番組を選択するのにCATVチューナーのリモコンに持ち替え、さらに音量を調節するのにYAMAHAのリモコンを取り上げ、それで番組を録画しようと思ったらHDレコーダーのリモコンを探すというのだ。それぞれの機器をコントロールするのにいちいちリモコンを持ち替えなければトビーさんのホームシアターは機能しないというのだ。そして、それらのリモコンを手元に置いて管理するには、リモコン専用のベルトなりエプロンを用意しないと、なにがなんだかわからなくなるというのだ。

どこか笑える話だ。それぞれのメーカーはそれなりの機能と特徴を持って作られているが、その設計思想はあくまでも自社製品の範囲のなかであり、それを使う側の使用状況をまるで考えていない結果なのだ。

今年はデジタル家電が爆発するといわれている。その傾向は確かに、この年末にもあった。しかし、誰がその結果、"リモコン地獄"に陥ると想像できただろう。トビーさんの環境をうらやましく思うと同時に、これではまだまだデジタル家電時代の本格的な到来とはいえないなと感じた。

いったい誰が6台ものリモコンを操作できるというのだろう。それぞれのインターフェイス・デザインは各社各様であり、操作の一貫性一様性などが使用者の立場になって統一されていないからだ。ITのエキスパートであるトビーさん自身が、何をどうしたいか操作はともかく、それ以前に「もう字が小さくて、メガネをかけないと読めない状況だ」とぼやくほどだ。

なにがグローバルユニバーサル・デザインの時代だという話だ。と、うらやましく思いつつも咄嗟に発想したのは、携帯電話でそれらの機器をコントロールできるようにすればいいではないかというアイデアだ。

たとえば、A社の機械をリモコンするにはA社の番号1234を押す。そして、そこから自分の購入した機械の番号を選択して購入した機械のシリアル番号を登録する。これは保証書の登録も兼用だ。登録が終了すると、購入した機器のリモコン・ソフトが携帯にダウンロードされる。使う時は短縮番号登録を押してリモコンを呼び出す。そして画面を見ながらコントロールする。

これなら、首からぶら下げた携帯電話ひとつでユビキタスできる。"指でいたす"ことができる。どうせリモコンを下支えしているのは赤外線というかIRDAなんでしょ。

……。こんなこと簡単に実現できそうだと思うのだがなぜできないのだろう? やればできることも、実は会社の視点でしか製品を開発していないことも原因のひとつにはありそうだと、思うのだがいかがだろう。 


Posted @ 金 - 1月 23, 2004   02:00 午前
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