小さなお菓子屋さん「ツマガリ」のワン・トゥ・ワン商法
地元住民が自慢にする小さな洋菓子店の存在を知った。兵庫県西宮市甲陽園にある「ツマガリ」だ。今日(1月24日付け)の朝日新聞でその存在を知った。17坪の本店と神戸・大阪の大丸の3店のみ。従業員約230人。それで年商16億円。菓子・パン類小売店の1店当たりの年商は横浜市の場合約3億だから、約1.7倍の力を持っている。売上の9割はインターネットなどによるクッキーなど焼き菓子。数字だけみてもなかなか優秀なお店だということが理解できるが、それを支えているのは社長・津曲孝氏(53歳)の"気"だった。
朝日新聞のインタビュー記事はよく整理されていてよかったが、ツマガリのホームページ「
ツマガリWEB広報室
」に掲載されている
講演会の記録
の方が社長の気合いが伝わってきてもっとリアルで面白い。この方、ワン・トゥ・ワン実践のヒントになるような結構いいキャッチ・コピーを口走ってくださるのだ。
たとえば、元モロゾフ会長の松宮隆男さんが、
「あんなにはやっているのに店を増やさないなんて。私だったら、きっとがまんできない」
と言うのに対して、
「店が出ていくと、菓子が旅をしないからなあ」
と、そこでしか手に入らないことの価値を力説し、オンリーワンの重要性をしゃれたことばで返す。
「ぐっと我慢、とことん我慢する。それが付加価値になる」
「店を増やして売り上げを増やすのは、目に見えるからわかりやすい。僕は拡大じゃなくて成長する。商品は繰り返し買ってもらえてこそ価値がある。うーんと言わせる力のあるものを作るには時間がかかる。宣伝しても一気に大きくしても体力が伴わない。じわじわ育てれば、商品が店を育ててくれる」
「僕はこの店(ツマガリ本店)をつくるときに、夢があったんです。人にできん難しいという「しにくい」やつ、できないとか、売りにくい、やりにくい、しにくい店。これをやりたかったんです」
また、経営コンサルが合理性や数字ばかりを追求することを批判することばもいい。
「商品には経営者の良心がにじみ出る、数字を追いすぎるな」
もちろん、数字は大切だが、もっと重要なのは経営者の"気"だというわけだ。そんな思想は次のようなことばとなって出てくる。
「お菓子の値段を決めるときも、最後は手のひらにのせて、いくらだったらお客さんが笑顔で買ってくれるだろうと、考える」
「細かいところでケチケチしたらあかんな。パンフレットを希望する人には、菓子を必ずいくつも添えて送る。どうぞ食べてみてください、お気に召しましたら注文してください、って」
その一方で、ITもしっかり使いこなしてワン・トゥ・ワンを実践している。
電話が掛かってさたらパッパッパッと、以前に何を買っていただいたか瞬時にわかる。半年前に買ったものがわかる。
「以前、こんな商品を買っているから、今回はこれを買えば」とサービスができる。色々なことをクリアーしていって、将来は店がなくても商売ができる。
いや、なかなか気合いの入ったワン・トゥ・ワン経営者なのです。
是非ご一読を。
Posted @
土
- 1月 24, 2004
01:11 午後
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