有志によるオーディオ知識集
「一人ひとりのオーディオファンが、自分の体験をもとに、オーディオに関する重要なことを各自の視点で書いてみる」というプロジェクトについて。
re:CC で、また 何やら面白そうなプロジェクト
(?)が動き始めています。「オーディオにおいて重要なことを、個々人のユーザーの視点から、その体験をもとに寄せ書きしてみる」という内容。確かに、雑誌・新聞・放送のように一方向的になりがちなメディアで、特定の人だけが発言するという従来の体制は、「情報の受け手」の視点がなく、その意味では問題がありました。インターネットという双方向的なメディアにおいては、個々人の視点から言いたいことが言える、知識を共有できるという可能性を秘めており、Wiki
のようなプロジェクトも、その文脈においては賛同できる部分が多くあります。しかし、問題は、そういったメディアの特質にとどまらず、むしろ話題そのものの特質による部分が大きいのではないでしょうか。というのは、オーディオは音楽をするための一手段であり、音楽とはすなわち感性の表現であるのですから、知識以上に、経験や体験によって形成される個々人の感性に負うところが大きいと思うからです。知識は客観性をもって伝達することが比較的高い精度で可能ですが、経験は一緒にその場にいなければ容易には理解できません。そして、何より、音を文字に置き換え、その文字から音を理解するというプロセスを経るため、その文字(もっといえばコミュニケーションのための記号)に与えられた個々人の意味の齟齬が、思わぬ誤解を招く可能性もあります。いま1つの懸念、というか漠然とした疑問として、あくまでも個々人が自己の体験をもとに文章を綴るのであれば、それを敢えてひとところに集約して客観的な文献とする必然性はなく、情報の分散というウェブの特性からしても、むしろ個人のサイトに掲載すれば足りるのではないかということです。確かに、あまりに分散が進んだ情報は、目的とする情報にたどり着くのに手間がかかり、効率的ではありません。Creative
Commons (JP)
のように、自由利用を認めた上で著作物を公開する手法も、「どこに自由利用できる情報があるのか」が分からない限り、利用が促進されるとは言い難いでしょう。かといって、素材サイトのような体裁をとるのでは、けっきょく今までと大差ない、「素材投稿サイト」程度の形にしかならないはずです。これに対する解決策の1つは、「どこにどんな情報があるか」という所在のみを示し、検索の用に資するためのポータルを用意することです。極端な話、Napstar
や ファイルローグ
のように、共有されるべき情報の本体は各自が各自の責任で用意し、ポータルはその内容を保証せず、単に所在を示すにとどめる、インデックスサーバー型の情報共有を目指すわけです。このようにすることで、意見を述べる各個人はそれぞれのテリトリー内で自分勝手な発言(もちろん公共の福祉には服する)ができる自由が担保され、ポータルの側はその記述内容について一定程度責任を免れることができるようになります。また、中途半端な客観性を排除し、あくまでも執筆者個人の主観的理解に基づく内容であることが、読む人にも容易に理解され得ます。もちろん、ブログにおけるトラックバックやコメントのシステムも、単なるリンク以上に該当内容に直接リンクできるという点では情報の共有に資するシステムですが、あくまでも個人の意見が個人の意見を参照するに過ぎないという点で、情報の共有化という点では未熟であると思われます。(もちろん、それ故に便利である部分があることも否めませんが。)1つのテーマに沿って書かれた複数の個人的意見について、誰がどこに書いたかを示せるようなシステムがあれば、個々人の主観を最大限に尊重しつつ、1つのテーマとして横の広がりを持ち、さらにここに従来のトラックバックなどの仕組みを組み合わせれば、情報の共有という点でもかなりの柔軟性を持たせることができるでしょう。このようなシステムを実際に導入している例としては
はてなダイアリー
が思い浮かびますが、ポータルとしての機能というよりは、各閲覧者にとっては不必要と思われる情報さえもがリンクしてしまうという欠点もあり、個人的には理想的システムには至っていないように思われます。極端な話、ポータル用の専用ブログを作っておきゃあ良いってことか...?
Posted: 火 - 5月 30, 2006 at 12:13 午後
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